カフェネット投句(10月)飛岡光枝選
原句は「秋晴れや青年のごと口笛を」。青年のように口笛を吹いた、という報告からより広い世界へ。
女郎花傍にゆるるや男郎花 和子
原句は「女郎花傍にかしず(づ)く男郎花」。傅かれたいかどうかの違いもあるかもしれませんが(!)、こちらもより広い世界へ。
【入選】
いわし雲履き古したるスニーカー 勇美
しっかりと出来た一句ですが、「履きなれしものにも果や鳥雲に 飴山實」の存在が大きい。
薪割りの腰を伸ばすや渡り鳥 勇美
この句も過不足なくできていますが、「渡り鳥」を動かしてより広々と。「薪割りの腰を伸ばすや鳥渡る」。
稲の香やまだ生きてゐるこの星の 和子
稲の香りは、まさに健康な地球の香り。原句は「稲の香やまだ生きているこの星は」。
若き日の浜つ子ことば鯊日和 涼子
回想でなくても句になりそうですが、鯊日和にはこの形もしっくりきます。
鳥渡る富士山頂にポストあり 涼子
まるで渡り鳥からの手紙が届くよう。原句は「鳥渡る富士に山頂郵便局」。
廃校の今日の賑はひ村芝居 弘道
秋晴れの一日を楽しむ様子が伺われます。原句は「久々に廃校賑ふ村芝居」。