【入選】
老いが好き真紅の薔薇がもつと好き 弘道
選評不要の一句。この作者の新境地。夏の句。
滅びゆく天地の叫び雪嵐 和子
自身の存在すら危うく感じる自然の激しさ。原句は「滅びゆく大地の叫び雪嵐」。
朝起きて素足冷たき畳かな 守彦
畳のひやりとした感触に一瞬にして冬の到来を感じた。原句は「朝起きて素足に冷たき畳かな」。
ガス燈はハマの名物牛鍋食ぶ 涼子
「ハマの名物」と説明だけになってしまったのが残念。
寒林に淡き日の差す冬桜 涼子
「淡き日の差す」が冬桜らしい。「寒林」と「冬桜」、安易に季語を二つ入れないようにしたい。「街中に淡き日の差す冬桜」など。