【入選】
花びら餅今朝作りしと隣から 弘道
作りたての、それもお隣からの花びら餅とはなんと美味しそうなこと。初々しい新年の句です。
老い二人餅鏡をもてあまし 弘道
大きすぎる鏡餅を飾るところでしょうか、鏡開きに食べきれないのかもしれません。原句は「老い二人鏡餅をもてあまし」。「餅鏡」は「もちひかがみ」。
雪衣纏ひて眠る梅林 和子
雪の下で春を待つ梅林。言葉を整理してより印象鮮明に。「うす雪を纏ひて眠る梅林」など。
タクト振る枝黒々と冬の星 裕子
星のまたたくなか、冬木の枝が風に揺れる寒々とした景。原句は「タクト振る枝影黒き冬の星」、中七の影は不要。何が言いたいかをより明らかにする工夫を。