a la carte_青文字(くすのき科)
この枝をはじめて手に取った人は「春なのに実がこんなに沢山つく植物があるのですか!」といいます。いえいえ、それはれっきとした花なのです。
緑の枝についている小さな丸い形のつぼみが確かに実のように見えます。また、青文字に対して黒文字という植物もあります。枝は緑ですが黒い斑があり、その皮をそのままつけて爪楊枝としてよく見かけます。
もちろん青文字でも楊枝はできます。それは、枝を切ってもわかりますが、ためしに丸い花を一つだけ爪の先でつぶしてみてください。
ほら、立ち昇る柑橘系の香り。どんなに疲れている人でも、スーッと鼻の奥に届けられるレモンのような自然な芳香に、思わず息を深く吸い込む事でしょう。
この丸い実のようなものに、やがて緑がかった薄黄色の小さな花が現われます。つぼみだった花の正体です。
青文字は雌雄異株なのでこの先、秋にどんなものが実るかがみたければ、ぜひ雌雄二本買って育ててみてください。
くすのき科の植物は芳香があるものが多いということですが 同じくすのき科でも青文字はハマビワ属、 黒文字はクロモジ属なのだそうです。(光加)