カフェきごさい「ネット投句」(四月)飛岡光枝選
絶え間ない海鳴りに呼応する春の喜び。原句は「囀りや海鳴りの中に溶けてゆき」。説明の「に」に注意。
鳥の巣や首の据わらぬ赤子抱き 裕子
まだ首の据わらない赤ん坊と羽も生え揃わない雛。同じようなものを並べただけではない、命への独特のアプローチが感じられます。
ユーカリの木漏れ日まぶし歩みゆく 裕子
ユーカリの木漏れ日とは何と楽しいことでしょう。どこまでも歩いていけそうです。原句は「ユーカリや木漏れ日まぶし憂ひ消へ」。「憂ひ消へ」と、自分の思いを全て言ってしまうとそこで止まってしまい、広がりのない句になってしまいます。提句は参考ですので、より大きな句となるよう下五を工夫してみてください。