朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」二月
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより二月の季語「雛」、花「紅梅」、浪速の味「丁稚羊羹」です。
【入選】
手を繋ぎ春満月の家路かな さゆり
朧の大きな満月に見守られながらの帰り道。原句は「手を繋ぐ春満月の家路かな」。
梅林や思ひのままを探しつつ 勇美
‘「思ひのまま」は梅の名なり‘などの前書きが必要か。思いのままの散策が梅の季節の心持とよく合います。
ふるまひは荒汁河津桜かな 勇美
鮮やかなピンク色の河津桜は近年各地で人気ですが、もともとは伊豆の温暖な地域で2月末から長く咲いている桜です。句は伊豆半島の河津桜でしょうか。新鮮な魚の荒汁はなによりの御馳走。下五は動きを入れてよりいきいきと。「ふるまひは荒汁河津桜咲き」など。
紅梅の光あふるるちさき庭 和子
「ちさき庭」がいい。紅梅は数輪でも存在感があり、早春の空気を運んできてくれます。慎ましい暮らしが思われる清々しい一句です。
亡き人の面影浮かぶ雛かな 和子
雛人形には様々な事柄や人を思い出させる力があるようです。原句は「亡き人の面影浮かぶ古雛」。この句の場合「古」が説明的になり、かえって思いが伝わりにくくなります。出来た後に句を眺めて言い過ぎていないかなど推敲を。
校庭に名残りの雪の兎かな 勇美
春の雪で作った雪兎。小さくて頼りなさげでかわいらしい。名残りの雪であり、春を運んできた名残りの雪兎でもあります。
飛梅の発止発止と開きけり 光枝