今月の花(六月) かなめもち
この季節、生垣でよく見かける「かなめもち」。新緑も濃くなった中で赤い輝くような葉が目立ちます。そういえば、この花材がお稽古に出てくることは今まであったかしら、と記憶をたどってみました。
花鋏で切ってみると枝の細さに比べて思いのほか固いことがわかります。かなめもちの名の由来は扇のかなめに使われたからという説もあります。材質がしっかりしていて、扇を束ねるのに適しているのでしょう。
初夏のお稽古では、枝物は他にも「梅花ウツギ」「ななかまど」「エボタ」などがあるのですが、ひときわその赤い葉の色が目を引きます。その赤の下にうっすらと緑を隠していると思ったのは、もう少し経つと赤い葉は緑になっていくからです。そして、小さな5弁の花びらを持つ白い花が集まって咲きはじめます。
枝の物をいけばな用に生産する人たちは、高齢化、そして世代交代のためにその数を減らしています。お稽古の後、枝が大きいと飾るところがないからと枝を切って持って帰る人もいます。生産者の苦労を知っている、枝好きな私としては心が痛みます。
仏さまにも見せたいからと短く切ってお仏壇に小さく飾る人は良しとしましょう。こじんまりした家でも、床に何かを敷いた上に花器を置いて枝を大きくいけ、家族やお客様を迎えてもいいのでは?職場に持っていって楽しんでいただくこともできるのでは?もっと飾る場所をさがしましょうよ、と呼びかけたい思いがあります。
かなめもちの枝は水の中で切り、切ったところをたたいて割っていけます。一度水が上がると、フレッシュなまま、長持ちします。
それぞれ置かれた空間の中で、人々をつなぐかなめの役割をこのバラ科の花材のニューフェースに期待しています。(光加)
