春の味覚の代表に、春の筍があります。春筍(しゅんじゅん)とも言います。そして初夏の頃になると「筍」になり、筍飯も初夏の季語です。
京都から少し大阪寄りに乙訓地域(長岡京市、向日市、大山崎町、京都市西京区)があり、そこで育てられている京たけのこが有名です。別名「白子たけのこ」といわれ、食用「孟宗竹」の中でも色が白いのが特徴です。春の筍は、茹でてお造りで食べることができます。瑞々しくやわらかな舌触りです。掘ったばかりの春筍を丸焼きにすると香ばしさが加わり野趣に富んだ味になります。朝掘りの筍は、直売所で売られています。
年間を通して絶えず竹林の整備をしているからこそ、このおいしい筍がとれるのです。約300年前から「京都式軟化栽培法」を行っています。掘り上げた穴に肥料を入れたり、親竹の先を落としたり、秋には「敷き藁」と「土入れ」の作業をして柔らかな土作りをしています。白くてやわらかい京たけのこはこの良質の柔らかな土が育てます。
阪急「長岡天神駅」で下車して暫く歩くと、長岡天満宮境内の東に八条ケ池が見えてきます。寛永15年に造られた灌漑用の溜池です。池を二分する中堤は参道になっています。長岡天神駅やこの長岡天満宮の周辺には、たけのこ料理の店が料亭から気軽に入れる食事処までいろいろあります。
筍は、春の筍より歯ごたえがよくなりますが、筍飯にするとその歯ごたえがちょうどいいのです。写真は昼食に作った、筍飯と若竹煮です。
筍のシーズンが終わると本格的な夏がやってきます。
丹精の京たけのこを飯に炊き 洋子