キリシタン大名として知られる高山右近は、摂津国三島郡高山庄(現在の大阪府豊能郡豊能町)出身です。北摂山系の山々に囲まれた標高400メートルの高山庄を代表する野菜が「高山まな」です。真菜はアブラナ科の菜花で、地中海原産のものが中国を経由して我が国に伝えられたと言われています。全長20~30センチで、400年前から、自家採種しながら大事に守り育てられてきました。それが認められ「なにわ伝統野菜」の一つに選ばれています。
「高山まな」は、茎まで柔らかく風味があります。カロテン、ビタミンC、カルシウム、鉄などの栄養素を豊かに含んだ野菜です。花の部分のほんの少しの苦味も、辛子和えや、白和えなどにすると風味を増します。お揚げさんと炊いたんなど、出汁との相性もいいです。
また「高山まなの漬物」がよく知られています。分量は、まな1kgに対して塩40gです。まなを一つかみずつ塩で揉み、容器に漬け込みます。残った塩は全体にふりかけます。まなの倍の2kgの重石を置き水が上がれば食べられます。まなを塩漬けにして3~4日目が食べごろです。
隠れキリシタンも食べたであろう、山里で受け継がれてきた早春の味を楽しみたいと思います。
春浅し高山まなを漬けにけり 洋子