a la carte_風船かずら(ムクロジ科)

夏の暑さを和らげるグリーンカーテンになにを選ぶといわれると、私ならふうせんかずらを選ぶことでしょう。
ゴーヤのように食べる楽しみはありませんし、朝顔のように花をめでる、といったものでもないですが、薄緑の(風船)が成り、微風にも軽やかに揺れるところはなんとも愛らしく涼やかな光景です。蔓がのびるときは、葉の付け根にある巻きひげが巻きつく相手に向ってよじ登っていき、人の背丈の倍くらいにも成長することもあります。
花はごく小さく白く、夏の終りに咲き、花がおわると実をつけます。その実は、細い花柄の先になるからこそ風にも軽やかに反応します。直径2~3センチの実は、ふっくらとしたところに3つの稜があります。思わず実をつぶしたくなるのをぐっとこらえて、そのままあめ色になっていくまで待ってみます。ふってみて微かにカラカラという音がすれば今度こそ開けてみましょう。中の種は丸く、その真っ黒な表面にハートの形の白い部分があります。「風船かずら」が英語では(ふうせんのつる)baloon vine、それから、(ハート豆)heart peaと呼ばれるのもなるほどと思います。
風船かずらのをいける時は、葉をほとんどとった蔓を丸めたり、丈のある花器や花入れからそのままたっぷりと垂れ下がるようにいけると豊かな気分になります。おしゃれでありながらどこか野生的。他のどんな花材とでも相性はいいのですが、さらに他の植物に絡ませたり、実を空間に遊ばせてみたりすると、そのわずかな重さがとまりどころをつかみ、宙にういて、いままでの空間が違った意味をもってきます。どういけても全体の印象はどこか軽やかなのは,風船かずらならではのものです。(光加)
