朝日カルチャー「カフェきごさい」(9月)
新宿朝日カルチャーの講座「季節を楽しむ俳句入門(カフェきごさい句会)」。9月の兼題は「カフェきごさい」の8月の季語「八月十五日、原爆忌、終戦日」、料理「滝川豆腐、冷奴」、花「鶏頭」です。
【特選句】
寡黙なる父の八月十五日 良子
この「寡黙」は、何よりも雄弁。
削氷に波うつ滝川豆腐かな 隆子
「カフェきごさい・8月の料理」の滝川豆腐は、黒い塗盆に盛りつけられた白い豆腐が天の川のよう。句は削った氷の上の滝川豆腐。こちらは夏の盛りの清流。
鶏頭や何に御身を赤く染め 温子
怒りか、はたまた恥じらいか。真紅の鶏頭花を眺めていると、たしかにこんな問いかけをしてみたくなる。「御身」という擬人化も鶏頭の花ならでは。
【入選句】
百葉箱囲みて柵の鶏頭花 澄江
「柵の」がうるさい。説明しすぎるとかえって「鶏頭」の印象が薄まる。
岩塩を分けあひしこと敗戦忌 稲
何もかも不足していた時代。「岩塩」に実感がある。
冷奴きりりと木綿布目あと 澄江
木綿豆腐の冷奴。豆腐に付いた木綿の布目のあとがきりりとしているというのは、少し無理がある。
また同じ話題になりぬ冷やつこ 良子
親しい間柄の気安さか、冷奴の気安さか。
鳳仙花千切れる雲は流れけり 周作
「鳳仙花千切れて雲は流れゆく」。
未曾有なる暑さ続いて敗戦日 温子
「未曾有の」。
鶏頭や子規の横顔ゆるがざる 稲
子規と鶏頭といえば「鶏頭の十四五本もありぬべし」があまりにも有名。作者は子規と鶏頭を真っ正面から捉えて一句とした。「ゆるがざる」がまさに子規であり、鶏頭。
ふるさとの駅は日暮れて鶏頭花 良子
薄暗い中に立つ鶏頭の花。
井戸水を使ふわが家の新豆腐 稲
手作りの豆腐。「使ひ」か。「使ふ」ではただの説明になってしまう。
台風の翌日、うっすらと色付いた青柿が道にたくさん落ちていました。中秋の名月も過ぎ、日ごとに秋が深まります。柿が奇麗に色付くのももう間もなくです。朝日カルチャーの教室は10月から新学期が始まります。10月の兼題は「カフェきごさい」の9月の季語(虫)、料理(夕顔の実)、花(萩)です。
活けはじむ大き鶏頭横たへて 光枝
