〈カフェネット投句〉3月20日 飛岡光枝選
【特選句】
竹林の撥ねて弾けてしづり雪 周作
竹林に重たく積もっていた雪がどさりと落ちた。しなっていた竹が勢いよく弾ける。竹林ならではの雪の様子。原句は「竹林に撥ねて弾けてしづり雪」。
ひじき刈安房の一村うち揃ひ 隆子
春を待ちかねて磯に出てひじきを刈る。水と風はまだ冷たいが、光はすでに春。「安房」という地名がよく効いている。「うち揃ひ」に春の喜びがあふれる。
【入選句】
お喋りの日がな一日犬ふぐり 澄江
ひとつひとつがお喋りの種のように、今が盛りと咲く犬ふぐり。いつの間にか犬ふぐりの野も夕日に染まっている。
かしこまる沓もちのゐて古雛 隆子
この句は「古雛」ではおもしろくない。「かしこまる沓もちのゐて初雛」。
春雨やリチャードバートン眠る丘 光加
映画「クレオパトラ」などで知られるリチャード・バートン。生涯5回結婚し、波乱の人生を送った名優も今は春の雨の染みこむ大地に静かに眠っている。「丘」がいい。
馬の背の静かにわけゆく芽吹かな 光加
柳のようなしなやかな枝の芽吹き。原句は「馬上にて静かにわけ行く芽吹かな」。
