スモークツリー

何やら薄緑のもくもくと煙のように立ち上がっている植物の正体は煙の木、スモークツリーです。見れば丸い葉もその元にたくさんついています。暗めの赤や少しピンクのものもあります。木としては背はあまり高くはなりません。
(煙)の部分は花が終わった後の花柄で、いくつもの細い糸のようになっているということですが、じつは、その花はじっくり見た記憶がありません。(煙)の姿があまりにも印象的だからです。どこかで見かけたこの形、そう、まるでお祭りの綿あめです。ごく小さなソラマメをつぶしたようなグリーンの形のものを煙の中に見つけたら、それは種です。
いけるときは、すぐにしおれてしまう、もちのよくない葉はさっさととってしまいます。うるし科なので 葉をとったあとから液がでてきて青臭い香りがたちのぼります。手や衣服につかないよう気を付け、もしついたら洗い落としてください。
和名は「はぐまの木」といいます。
お寺にいくと、住職などが読経がおわったあとに先に白い毛のついたものを、サッ!サッと!何かを払っておいでのように使っておられるのを目にするでしょう。その払子(ほっす)とよばれる仏具の先についている白い毛が、実は(はぐまの毛)なのです。
(はぐま(白熊))というのは動物のヤクの尾の白い毛のことで、それを集めて払子はつくられるのだそうです。スモークツリーの和名として「煙の木」のほかに「はぐまの木」と名前をつけた日本人は、仏教やお寺に近いかただったのでしょうか。
いかにも涼しげな「はぐまの木」の(煙)の部分を触ってみた時の(モフモフ感)が私にはたまりません。動物好きなかたは、猫や犬を静かにさわっていると気持ちが落ち着くといいます。お身内を介護なさっている方が時間をぬって久しぶりにお稽古にみえて花をいけ、「あー、すっとしました!」と一言を残してあわただしく帰っていきました。私の場合、スモークツリーをいけていると、かすみのような部分にふれている間に、すっと心が晴れていくのがわかります。スモークツリーはまさに癒しの植物の代表と言えるのではないのでしょうか。(光加)
