朝日カルチャーセンター〈カフェきごさい句会〉11月
11月1日のカフェきごさい句会の兼題は、10月のカフェきごさいより、季語「虫」、料理「茸」、花「オリーブの実」。
【特選】
朝露を蹴つて精霊ばつた飛ぶ 隆子
朝の草原をスローモーションで写し取ったような一句。ばったの脚の力強さ。
【入選】
その昔我が家総出の蝗取り 守彦
大きな袋にいっぱいになる蝗。「総出」が豊かな秋を思わせる。「その昔」は、「晴天や」などとする方法もある。
猪垣を猪蹴倒して逃げたると 隆子
伝聞は句が弱くなる。「猪垣を蹴倒して猪逃げにけり」。
茸狩や天城にのこる獣みち 隆子
自分だけが知っている茸の場所へ。
新走元気出せよと届きけり 守彦
新酒のようなすがすがしい関係。「新走り」。
茸狩り夕日背負ひて戻り来る 澄江
「茸狩り」が動くか。
オリーブ摘む島しろがねの風の中 隆子
オリーブが葉裏をみせて吹かれている。
11月の兼題は季語「冬の日」、料理「零余子」、花「りんごの実」。
人入れてくすぐつたいぞ茸山 光枝