朝日カルチャーセンター〈カフェきごさい〉句会4月
4月4日のカフェきごさい句会。兼題は3月のカフェきごさいより、季語「春の海」、料理「野芹」、花「青麦」。
【特選】
麦笛や天にひびきて明日くる 稲
麦笛の音に明日が呼び寄せられるとは、楽しい。「青麦」は春、「麦笛」は夏。「麦笛の」。
踏みこんで行くこの道や落椿 稲
椿が散り敷いているほの暗い道に足を踏み入れる。「踏みこんで」にある決意を感じる。人生のある時のある決意か。
【入選】
眩しさやけさ一輪のゆすらうめ 隆子
一輪のゆすらうめに春のまぶしさを感じた。
青麦や天くすぐりてゆれており 光加
「天くすぐりて」が愉快。
麦青む習ひはじめの逆上り 周作
「麦青む」がよく効いている。
野芹摘み雪解の水で洗ひけり 澄江
芹の白根がより白く。
落花とははるかからくる手紙かな 隆子
「とは」が理屈ぽい。「てふ」など。
青麦やはやパン作る話しなど 稲
青麦を見ながら、小麦色の実りどころか製粉してからのパン作りにまで及ぶ話。
近づけば陽炎のまた遠ざかる 澄江
陽炎の本質をしっかり詠んだ。
雪柳我れも我れもと咲きにけり 守彦
雪柳の盛りのころ。「われも」。
冷たいと手は真赤や芹摘む子 稲
「赤き手をして」。
いつせいに日を指す禾や麦青し 隆子
「日を指す禾や」がごちゃごちゃしている。
春を惜しみつつ、夏の扉を開ける季節。5月の兼題は、季語「春の雨」、料理「山葵のサンドイッチ」、花「チューリップ」。
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満ちてくる汐おそろしき汐干狩り 光枝