a la carte 蓮池
1970年、大阪の千里丘陵で開催された日本万国博覧会の跡地が記念公園になっています。当時植えられた樹木が、半世紀近く経過した現在、大緑陰をつくっており、訪れる人々の憩いの場となっています。公園を歩きながら、当時何度か万博に通い、各パビリオンの描く「未来」にわくわくしたのを思い出しました。
蓮池は日本庭園内にあり、1200株の蓮の花がちょうど見ごろでした。水面からすっくと茎が伸び、蓮の葉が風に翻っています。明日咲きそうな莟には、エネルギーが充満している感じです。蓮池を見渡せるベンチに休憩しながら「天上界ってこんなところかも」と思いました。
蓮の花が咲くこの時期に、早朝観蓮会が開催されます。そして、大きな蓮の葉の中心に穴を開け、酒を注ぎ、切断した茎をストローにして飲む「象鼻杯」を楽しみます。飲んだ方に伺ったところ、蓮の茎の苦味が少し加わった味わい深いお酒だそうです。(洋子)
ぽんと咲く音を聞きたや蓮の花 洋子