朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(十一月)
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより今月の季語「小春、」花「枯蓮」、江戸の味「おでん」です。
【特選】
降る霜のわけても白し清瀬村 隆子
東京都多摩地域にある清瀬村、現在の清瀬市はかつて本格的な結核療養のはじまつたことで知られている。武蔵野の面影が今なお濃い土地。「わけても」に清瀬村への思いが表現された、
日輪を射抜く一本蓮の骨 隆子
枯れてもなおの蓮の存在感。「射抜く一本」が力強い。
【入選】
山の端に一人陽を抱き冬菫 和子
一人陽を抱くのは冬菫でもあり、作者でもあろう。原句は「山の端に一人陽を抱く冬菫」。
芋水車しぶきを上げて回り初む 弘道
過不足ない言葉運びの一句。「初む」がいい。
男らに竹馬の友やおでん鍋 隆子
慣用句を上手く生かした一句。「おでん鍋」の力。
伝へ聞く友の訃報にしぐれけり 涼子
「しぐれけり」が付きすぎ。季語を一考したい。
小春日や長寿の手相受け継ぎて 勇美
上五と中七下五がリンクしないのが残念。「受け継ぎて長寿の手相小六月」など。
モカの香の湯気ゆたかなり冬初め 涼子
特別な新しさはないが「湯気ゆたか」により句が生き生きとした。
いきいきと枯れてこの世の蓮かな 光枝