浪速の味 江戸の味(5月)いか焼き
お好み焼き、たこ焼きなど小麦粉生地に具材を入れ鉄板で焼いた「粉もん」が浪速の味として人気です。今回は、いか焼きを紹介したいと思います。
たこ焼きは蛸の旨味があのまあるい形に閉じこめられています。いか焼きは、出汁をきかせた小麦粉生地に細切りにした烏賊を入れ、鉄板に丸く広げます。厚めのクレープ生地のようです。上の鉄板を下ろしてプレスするように焼きます。刷毛でお好みソースを塗り、二つ折りにして出来上がりです。
生地に烏賊だけというシンプルさが、烏賊の旨味を引き出しています。軽食ですが、おいしくてついつい食べ過ぎてしまいます。「粉もん」文化は、戦後どっと入ってきた小麦粉のおいしい食べ方を考える中で広まったように思います。
阪神百貨店の地下にあるいか焼き売り場にはいつも長蛇の列ができていましたが、新型コロナウイルスに関わる非常事態宣言を受けて、ただいまは営業していません。一日も早くこの非常事態が終息し、焼き立てのいか焼きを買いに行けるようになることを願っています。
家のフライパンでいか焼きを作ってみました。ヘラで押さえてもプレスするほどの圧力がないので、もっちりした食感はお店ほど出ませんが十分、十分おいしいです。
いか焼きの次つぎに焼け夏はじめ 洋子