カフェきごさい句会(1月)
新宿の朝日カルチャーセンターで毎月1回開いている句会を「カフェきごさい句会」と名付けました。その中から気になった句について書いていきます。1月は新年と冬の句の持ち寄りの句会。
一筋の木漏れ日のなか冬の蝶 節子
冬の蝶のはかなさとけなげさ。
初空へにらみ昇るや達磨凧 隆子
新年の心意気。「にらみ」と「昇る」二つの動詞が混乱、「初空を」か。
引っ越しの箱片付きて日脚伸ぶ 公介
何日もかかった片付けも一段落、気が付けば春の気配が。「引っ越し」は「引つ越し」。
割箸で水飴練りし初御空 周作
練って曇った水飴はなるほど空を思わせる。しっかり描けているが、季語を一考。
初写真胸ふくらみし孫娘 重子
孫娘の初々しさ、それを目を細めて見守っている作者。
一箇所の破れ気になる障子かな 圭滋
なるほど一箇所だと確かに気になる。おもしろい障子の句。
寒晴や潮を浴びて禊衆 光枝
「目で合図をされて末子の歌留多とり」末子が札を取れるように、札の場所を目で教えてあげている様子とのこと。なんとなくは解るが、ことばではそれが表現されていない。短い俳句のなかで、しっかり表現するとはどういうことか。的確な言葉を探すこと。それは一句一句で違う。近道はない。よい句をたくさん読むこと。(光枝)