浪速の味 江戸の味 二月【すべらんうどん】浪速
梅の花が咲き始めると受験シーズンが始まります。寒い中、可憐な花を咲かせる梅の健気さに励まされます。
コロナ禍で緊急事態宣言が出されるという不安な状況の中、マスクをつけて受験する姿がニュースで報道されています。受験は人生の試練の一つと言ってもいいくらい緊張するものですが、今年はさらに感染対策も必要となり、受験生のストレスはいかばかりかと心配になります。志望校への合格を祈るばかりです。
学問の神様として菅原道真をまつる大阪天満宮にも、多くの受験生が合格祈願に訪れます。天満宮の境内の北側に星合池があり、そのほとりに茶寮があります。お参りをしたあと、茶寮でうどんを食べ暖をとります。そこで出されているのが「すべらんうどん」です。
合格祈願に来ているのに、食べたうどんが箸からすべり落ちてはいけないというので考案されました。こしのあるうどんに箸を差し込む切れ目が入っているので、決してうどんがすべり落ちることはありません。ゲン担ぎと言われればそうかもしれませんが、大阪弁の「すべらん」には受験生への応援が込められています。合格めざしてがんばってください。
梅の花すべらんうどんに願ひ込め 洋子