三月がやってきます。春とはいえ、まだ寒く、記録的な積雪のニュースに「残る寒さ」「春寒し」などが実感としてあります。そのような暮しの中で、春を感じることがあります。
梅は満開になり、柳には光の粒のような芽吹きが見られます。空も、風も、日ざしにも春の気配があります。水草は生え初め、鳥たちの囀りも聞こえてきます。
待ちわびた春は、確かに兆し、動きはじめています。「春めく」ものを見つけると、幸せな気分になります。俳句を読み、詠んでいるおかげで、その幸せは、大きくなっていると思います。(洋子)
春めきてものの果てなる空の色 飯田蛇笏