朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」二月
新宿の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。二月の兼題はサイトより、今月の季語「梅の花」、花「連翹」、江戸の味「白魚」です。
【特選】
白魚の睨みも虚し椀の中 和子
白魚や白子などの小魚の目を詠んだ句はたくさんありますが、睨みと捉えて新鮮な句になりました。「椀の中」としっかり描いた存在感のある一句です。
白魚のひかり味はふ余生かな 勇美
「余生」を中途半端に使うといいかげんな印象の句になりがちですが、この句は「ひかり味はふ」に実があり、こんな余生なら過ごしてみたいと思わせてくれる句になりました。
【入選】
梅の花色を選びて母の紅 勇美
ご母堂がご自分では選ばないような鮮やかな口紅を付けてほしい。いつまでも美しくという娘心を梅の花に託しました。原句は「紅梅に揃へて選ぶ母の紅」。
願はくば来世はクジラ白魚よ 裕子
白魚に代わっての願いですが、白魚は鯨にはなりたくないのでは?春らしい大らかな句です。
雪解水命湛へてどうどうと 和子
季語「雪解水」の範疇ではありますが、まさに堂々としっかりした句です。
新調の眼鏡明るし梅の花 勇美
原句は「新調の眼鏡明るし梅日和」。この句の場合「梅日和」では理屈が見えてしまい句としてあまり広がりません。原句をよく眺めて、そこからもう一歩飛んでください。
退職やふらここ高く蹴りあげて 勇美
出来ていますが、わかりすぎてしまうのが少々物足りない。
連翹の垣根にちよこん猫の顔 和子
連翹らしい明るい一句です。
シラウオもシロウオも来よ春の月 光枝