朝日カルチャーセンター「カフェきごさい」句会(十月)
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい」句会。今月の兼題はサイトより十月の季語「秋めく」、花「ななかまど」、江戸の味「新豆腐」です。
【入選】
ななかまど穂高は白く空青し 和子
ななかまどの赤との対比として描いたと思いますが、白、青と入れ過ぎて散漫になってしまいました。原句は「ななかまど穂高は白し空青し」。
この道は開拓の道ななかまど 勇美
遥かむかしより秋を彩ってきたななかまど。開拓の人々が様々な思いで見た赤い実。
朝寒や熊鈴響く森の中 和子
うすら寒くなってきた時の空気感がよく出ていますが、「森の中」が当たり前なのが惜しい。
山の端にほのかな灯り新豆腐 和子
「ほのかな灯り」の様子をよりしっかりと描きたい。「山の端の灯り初むるや新豆腐」など。
登りきて極楽浄土草紅葉 和子
しっかり描かれていますが、「極楽浄土」が「草紅葉」の様子としては少し大げさかもしれません。
街の端の爪の先より初紅葉 勇美
「街の端」の「爪の先」とは細かすぎました。「爪の先」を生かすと「半島の爪の先より紅葉せり」などでしょうか。一考ください。
日を浴びて山高々と新豆腐 光枝