朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」一月
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより一月の季語「一月」、花「結び柳」、江戸の味「雑煮」です。
【特選】
ちよろぎちよろぎ幼き子らの囃しけり 勇美
その形を俵に見立て、縁起物として御節料理の黒豆などに添えられるちょろぎ。くるくるとした紅色は子供たちの恰好の標的。お正月らしい明るさに満ちた句です。原句は「ちよろぎちよろぎ幼き子らを囃しけり」。
【入選】
ひそやかに我を呼ぶ声竜の玉 勇美
竜の玉の冷たさを感じられる一句。
住み慣れし都電沿線去年今年 さゆり
上五中七で過不足なく描かれた作者の生活。季語「去年今年」ではその生活の単純な説明になってしまうのが惜しい。「住み慣れし都電沿線雑煮椀」など一考を。
雑煮餅気づかはれつつ寿 勇美
餅が喉につまらないように気づかわれているのでしょうか。「気づかはれつつ」がわかりそうでわかりにくい。何が一番言いたいのかに焦点をあててみましょう。
丸餅のとろり坐りし雑煮椀 和子
丸餅に雑煮椀の句はたくさんありますが、「とろり坐りし」が、焼かない関西風雑煮らしい風情です。「丸餅のとろり坐りて雑煮椀」と中七で軽く切りたい。
黒豆のひかり華やぐ祝箸 勇美
つやつやの黒豆がズームアップされた一句。言葉が過不足なく使われました。原句は「黒豆にひかり華やぐ祝箸」。
棺行く道を縁取り霜の花 和子
鎮魂の思いが季語「霜の花」に込められています。ただ「縁取る」まで言うと細かすぎ。「棺行く道はるかなり霜の花」など広がるように工夫してみましょう。原句は「棺行く道を縁取る霜の花」。
水の辺のしだれ柳を結びけり 光枝