第一回 カフェきごさいズーム句会
飛岡光枝選
第一句座
【特選】
がうがうと落花吸ひ込むマンホール 藤倉桂
水の音クレソン白き花つけて 斉藤真知子
花あられ貰うて帰る彼岸寺 矢野京子
鶯や鳴き損なひも晴れ晴れと 藤倉桂
【入選】
青き踏むここも地球の真ん中ぞ 伊藤涼子
八ヶ嶺に押し寄せるごと梨の花 早川光尾
山独活のほろ苦きそを天麩羅に 前﨑都
桜餅よく喋る孫娘かな 赤塚さゆり
朧夜の入江に眠る真珠かな 鈴木勇美
寅さんも歩きし土手や春の雲 上田雅子
転がりし石にも春の深みゆく 斉藤真知子
オオタニの放物線や春来る 早川光尾
句座ひとつここに立ちたる桜かな 矢野京子
折らぬやう手の力抜き独活を掘る 前﨑都
いかなごを炊くや大鍋揺らしつつ 斉藤真知子
田起こしやゐもり慌てて腹を見せ 早川光尾
パンジーや思ひ思ひの昼休 赤塚さゆり
第二句座(席題、春ショール、囀り)
【特選】
退院の母へかけやる春ショール 前﨑都
春ショールたたむや花をこぼしつつ 斉藤真知子
【入選】
草叢より軒端にうつり囀れる 伊藤涼子
朝まだき恋の囀り始まりぬ 上田雅子
ベランダに何鳥か来て囀れり 上田雅子
湘南の風にあそばせ春ショール 鈴木勇美
囀りのあふれて障子開けにけり 伊藤涼子
さへずりを聞いてをるらし赤ん坊 矢野京子
白髪にピンク鮮やか春ショール 上田雅子