第十七回 カフェきごさいズーム句会 句会報(飛岡光枝選)
第十七回「カフェきごさいズーム句会」(2024年8月17日)句会報告です。( )は添削例。
「カフェきごさいズーム句会」はどなたでも参加できます。ご希望の方は右の申し込み欄からどうぞ。
第一句座
【特選】
いつの間に椋鳥の樹となりにけり 斉藤真知子
黒揚羽揺れる木漏れ日泳ぎゆく 早川光尾
(真昼間の木漏れ日泳ぐ黒揚羽)
墓洗ふ会つたことなきはらからの 前﨑都
魂もバツタになりしファブールかな 周龍梅
(魂のバッタとなりてファーブルかな)
秋立つや男の家事をひとつづつ 花井淳
【入選】
うなぎ食うて女の一生長々し 葛西美津子
六分の一切れを買ふ初西瓜 上田雅子
けさ秋の一舟川を下りゆく 斉藤真知子
開校と閉校の碑や晩夏光 村井好子
朝顔のゆゑに家居と決めにけり たきのみね
(朝顔の咲きつぎ家居と決めにけり)
首里城の槌音高し沖縄忌 上田雅子
(首里城の槌音高く沖縄忌)
喜雨休み煙管ぷかぷか山守は 前﨑都
(山守は煙管ぷかぷか喜雨休み)
蜩や五輪応援午前五時 村井好子
墓参り藪蚊一匹つれ帰る 矢野京子
夏終わるオンザロックの氷コロン 早川光尾
(夏終はるオンザロックの氷コロン)
終戦忌けふの日記を書き終はる 矢野京子
梨を食ふ父の時代の名の梨を たきのみね
(梨を食ふ父の時代の二十世紀)
黒葡萄夜のしづけさに熟しをり 伊藤涼子
(黒葡萄夜のしづけさに熟しゆく)
若き父ビールの髭で子をあやし 鈴木勇美
納涼会銀座に潮のかをりかな 鈴木勇美
(納涼会銀座は潮のかをりして)
しばらくはとまらせてをく蜻蛉かな 斉藤真知子
真夏日や電柱の陰バスを待つ 早川光尾
炎天や四天王像顔歪め 赤塚さゆり
ぽつぽつと叔母語りくれ広島忌 たきのみね
(広島忌叔母ぽつぽつと語りくれ)
朝顔や母はむらさき父は白 飛岡光枝
第二句座(席題・枝豆、馬肥ゆる)
【特選】
天高く肥ゆるものあり吾と馬 斉藤真知子
朝取りの枝豆掛ける勝手口 赤塚さゆり
【入選】
馬肥へて牧夫に鼻を寄せにけり 伊藤涼子
(馬肥えて牧夫に鼻を寄せにけり)
枝豆の最後のひとつ子に譲り 赤塚さゆり
枝豆や母ほどうまく茹でられぬ たきのみね
(枝豆や母ほどうまく茹でられず)
里山を離れぬ祖母や月見豆 藤倉桂
(山里を離れぬ祖母や月見豆)
接待やたんとゆがきてだだちや豆 矢野京子
枝豆を飛ばすや好きな人の前 飛岡光枝