カフェきごさい句会報告 飛岡光枝選
第三十一回「カフェきごさいズーム句会」(2025年10月11日)の句会報告です
( )は添削例です
第一句座
【特選】
よき音でもの食ふ人よ鰯雲 葛西美津子
手の先をすぐによごして葡萄摘む 高橋真樹子
(両の手のすぐによごれて葡萄摘む)
雲晴れてどかと富士山鯊の秋 葛西美津子
秋日浴び散らばつていく練習艇 上田雅子
【入選】
湯豆腐や庭に実りし柚子もらひ 上田雅子
(湯豆腐や庭に実りし柚子搾り)
ラフランス甘き香りに包丁す 高橋真樹子
(ラフランス甘き香りを包丁す)
駅出でて匂ふ銀杏や上野山 早川光尾
(駅出でて匂ふ銀杏上野山)
ひたすらに木の実拾ひし別れかな 藤倉桂
ひと束の草々の秋供へけり 花井淳
(ひと束のりんどうの秋供へけり)
花蕎麦の先や静もる村ひとつ 伊藤涼子
(蕎麦の花先に静もる村ひとつ)
今年またお裾分けくる唐辛子 高橋真樹子
子を宿す嫁に一献菊の酒 藤倉桂
人波に埋もれし長城国慶節 周龍梅
(人並に埋もれ長城国慶節)
ひとひらの松茸なれど馳走かな 斉藤真知子
キラキラと手首のボルト秋の空 立花武
無謀にもカントに挑む夜長人 赤塚さゆり
濃竜胆葉先の枯れて咲きはじむ 伊藤涼子
けふ土手は祭たけなは曼殊沙華 藤倉桂
悔しくてレモンに噛みつく未成年 赤塚さゆり
菊酒やしみじみと良き母の顔 赤塚さゆり
秋高の日の本大谷大の里 花井淳
青空のはるかへ胡麻の爆ぜる音 藤倉桂
飛岡光枝出句
足腰の強き婆なり曼珠沙華
第二句座(席題・栗、鹿)
【特選】
恵那山の風に毬栗育ちけり 花井淳
さびし山神を起こして栗拾ふ 周龍梅
【入選】
ふりかへり又ふりかへり鹿山へ 斉藤真知子
人住まぬ島守る鹿や神の鹿 藤倉桂
渋皮煮つくれと夫の栗拾ふ 藤倉桂
(渋皮煮つくれと夫の栗拾ひ)
向きあふて言葉少なに栗むけり 斉藤真知子
かたまつていつもの鹿の家族かな 高橋真樹子
み吉野の鹿のこゑ聴く一夜かな 葛西美津子
母子鹿波が波打つ崖に立つ 藤倉桂
栗の毬次々割れて熊怖ろし 葛西美津子
鹿鳴はきこえなくなりよきめおと 立花武
飛岡光枝出句
風強き三日三晩を渋皮煮
