a la carte_ 柏餅
柏餅が作られるようになるのは、江戸期に入ってからです。柏の葉は、新葉が出るまで古い葉が落ちないことから、家督が途絶えず、繁栄することにつながります。
折しも、句集『柏餅』(長谷川櫂著、青磁社)が出版されました。生命力にあふれた句集です。淡い茶系の表紙の裏は、柏葉のような瑞瑞しい緑です。これからに「つなげてゆく」、俳句にこめられた思いを感じました。
喜田川守貞による『守貞謾稿(まんこう)』は、江戸時代末期の民俗・風俗について、絵入りでわかりやすく書かれた辞典です。守貞は、浪華(なにわ)の生まれで、大坂と江戸を行き来する中で、見聞したことを分類して、書きしるしています。
柏餅については、「京坂ニテハ男児生レテ初ノ端午ニハ親族及ビ智音ノ方ニ粽ヲ配リ二年目ヨリハ、柏餅ヲ贈ル」「江戸ニテハ初年ヨリ柏餅ヲ贈ル」と書かれています。
また、柏葉の大きいものは、二つ折りで、小さい葉なら二枚を以て餅を包む、とか、江戸にては、砂糖入り味噌をも餡に交る、赤豆餡は、柏葉の表を出し、味噌には裡(うら)を出して標(しるし)とす、などと書かれ、興味深いです。
三十年かけて、三十巻、後編四巻を成しました。分類し、書き続けるのは大変だったと思いますが、楽しみながら、夢を形にしたと感じました。
子どもたちが、健やかに育ち、夢に向かってがんばれますように。(洋子)
てのひらにのせてくださる柏餅 後藤夜半

