〈カフェネット投句〉6月20日 飛岡光枝選
【特選句】
たっぷりの御手洗水や夏祓 肴
本格的な暑さに向かう頃、息災を願っての名越の祓。茅の輪を潜る前だろうか、御手洗の水で身体も心も清める。「たっぷり」に祈りの深さが感じられ、夏祓ならではの涼やかな一句となった。「たっぷり」の表記は「たつぷり」。「たつぷりと」とするとより心が前にでる。
【入選句】
夏野菜パリポリパリポ朝の風 旅眠
「パリポリパリポ」がまさに夏野菜。
片陰を選び選びつ3000歩 旅眠
三千歩はウオーキングにはちょっと中途半端な気がするが、真夏であればりっぱなもの。くれぐれも熱中症にご用心を。
水羊羹ふち守りたる葉がありて 光加
水羊羹は日本刀で切ったような切り口が命。ここが崩れていたりするともう水羊羹ではない気さえする。「ふち」というより「角」か。説明のことばを整理して、水羊羹のように涼しく。「水羊羹角を守りてさくらの葉」。
菖蒲園空までつづく水の色 隆子
菖蒲のころの湿った空気が感じられる。
画仙紙に淡墨滲む代田かな 周作
代田の表情を捉えた。「画仙紙」までいうと少々うるさい。
一村の田植え終わるや停留所 周作
田植えの後の束の間ほっとしたような村の風景。「停留所」で村の人々の生活が感じられる。表記は「田植(ゑ)終はるや」。
白扇や小さき顔の老婆かな 今日子
真白の扇と、それを使う老婆の顔だけに焦点を当てた。切れ字が複数入るのは全ていけない訳ではないが、この句の場合は力が分散してしまう。「白扇小さき顔の老婆かな」。
