朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(8月)
8月2日の新宿、朝日カルチャーセンター「季節を楽しむ俳句入門」(カフェきごさい句会)の兼題は、サイトより【季語】夏の鳥【料理】冷し汁【花】夾竹桃。
【特選句】
玉虫や子の虫かごのまぶしかり 稲
玉虫がまぶしいでは句にならないが、子どもの虫籠に入っている玉虫で思いも籠もった一句になった。
冷汁や使ひまはして渋団扇 隆子
暑い日の昼食だろうか。「使ひまはして」に実感がある。
直情のみどりひとすぢ太藺かな 稲
太藺をずばりと描いた。
【入選句】
ほととぎす鄙にゆかしき峠の名 隆子
具体的な峠の名を出さないと弱い。
絵日記をはみ出している西瓜かな 光加
美味しそうな元気な西瓜。
郭公の森へ朝もや流れゆく 澄江
夏の朝の一景。
蓴菜やまたも逃げ行く椀の中 光加
蓴菜をいきいきと描いた。「またも」に実感がある。
たたかれてなでられ出荷の西瓜かな 稲
出荷する時の検査も、こう詠まれると西瓜への愛情を感じる。
心得よ長居は無用冷し汁 周作
冷し汁も茶漬けと同様、ささっといただくのが粋。「心得よ」などと大仰に言ったおもしろさ。
うすき雲天に貼りつく大暑かな 隆子
「天に貼りつく」がいかにも暑い。
夾竹桃天下無敵の乙女たち 隆子
季語が動くか。
漁了へてまづは朝餉や冷し汁 隆子
舟の上での冷し汁。全部説明してしまったので焦点が定まらない。
次回9月の兼題は【季語】蝉、【料理】ガレット(新蕎麦)、【花】ブーゲンビリアです。
荒々と氷を入れて冷し汁 光枝