〈カフェネット投句〉8月20日 飛岡光枝選
植込みの陰の風鈴留守居かな 周作
「植込みの陰」はいらない。留守の家に風鈴が鳴っていることだけを描くこと。
耳にしてその名すずしや川開 隆子
「その名すずしや」が実態でなく呼び名のことを言っているので、「耳にして」ではますます実態の無い句になってしまう。実を感じさせる上五を。
晩夏光イルカは高く宙返り 澄江
夏の終わりの強い日に映えるイルカと水しぶき。
肩寄せて線香花火のマッチ擦る 澄江
「肩寄せて線香花火の火をつける」。
新しきピアスゆれるや神輿の輪 光加
外から見ているだけの句は弱い。「新しきピアスをつけて神輿の輪」。
今月は、様子や過程などを述べている句が多かった。何を詠みたいのかをしっかり掴んで、シンプルな句作りを。
(光枝)