朝日カルチャーセンター〈カフェきごさい句会〉(10月)
10月4日のカフェきごさい句会の兼題は、9月のカフェきごさいより、季語「露」、料理「枝豆」、花「オクラ」。
【特選】
荒あらと露蹴ちらして岬馬 隆子
露けき大地を駆ける岬馬の躍動感。
天竺もこよひ望かや花おくら 隆子
うすい黄色の大輪の花おくらは、耀く月のよう。
小さき手も大き手ものび月見豆 隆子
新しさはないが、「月見豆」としたところが手柄。
陶窯に新涼の火を入れにけり 隆子
冷や冷やとした火を描いた。「陶窯」が少し重たい。
これやこの奥の関越えだだちや豆 隆子
みちのくのだだちゃ豆。
【入選】
をんな三人枝豆つまみ恋ばなし 澄江
枝豆の気軽さ。
今ひとり明日も一人ぞ暮の秋 周作
「暮の秋」ではつきすぎ。
花おくら高層ビルに二日月 稲
高層ビルに突き刺さるような細い月。
オクラの花隠れ家のごとレストラン 良子
ひっそりとオクラの花を咲かせている店。
十三夜ビルの間の路地住まひ
「路地に住み」。しっかりと詠むこと。
枝豆のとりとめもない話かな 良子
「枝豆に」。
芋の秋肩書きとれし者同士 澄江
「とれた」。季語一考を。
月ありてひかりをはじく露の玉 稲
ねじれてしまっている。「露の玉月の光を~」。
11月の兼題は10月の【季語】虫、【料理】茸、【花】オリーブの実。
夕風に大地冷めゆくおくらかな 光枝