カフェきごさい句会(2月)
新宿の朝日カルチャーセンターで開いている「カフェきごさい句会」。2月は兼題の句会。兼題は「蕗の薹」「節分」「猫の恋」「雪間」。
二つ三つ馳走となりぬ蕗の薹 重子
天ぷらだろうか、蕗の薹そのものかもしれない。「馳走」という言葉に、季節に先駆けていただくありがたさが良く出ている。「二つ三つ」に、ものの手触りが感じられる。
鳴きたけりや鳴くだけお鳴き猫の恋 公介
体当たりの恋猫に体当たりで答えた一句。そうできない自分への激励でもあるかのよう。「恋の猫」ではなく「猫の恋」としたのがお手柄。
蕗の薹見つけし時は何時も晴 圭滋
そんなことは無いのだが、そう思う。いや、そうに違いない。と、思わせる説得力がある。
ふきのたうぽつりぽつりと語りをり 周作
「ぽつりぽつり」が、まるで地面から顔を出しはじめた蕗の薹のよう。
恋猫や獣の匂ひがしてならぬ 節子
恋猫が野生を帯びているという句はたくさんあるが、「獣の匂ひ」ときっちり言ったところが良い。「してならぬ」で、より濃厚な句になった。
梅一枝そへて売らるる鬼の豆 隆子
鬼退治の「鬼の豆」が、「梅一枝」でにわかに春を呼び込む豆になった。一句の形もリズムも良い。
五六羽の雀の遊ぶ雪間かな 光枝
公介さんの句、「恋の猫」としなかったのがお手柄と伝えたところ、兼題が「猫の恋」だったのでそのまま使ったとのこと。この場合は良い結果になったが、兼題に限らず季語は傍題含めていろいろな言い方ができることが多いので、必ずその句に一番会った表現を探ること。俳句は一字一句が命。(光枝)