朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(六月)
新宿朝日カルチャーセンターの「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより、6月の季語「梅雨の月」、花「山法師」、浪速の味「泉州たまねぎ」です。
【特選】
竜宮城出入りしてゐる金魚かな 涼子
金魚鉢のなかで遊ぶ金魚の様子を描いた。「竜宮城」と大きく出てゆかい。ただし、「ゐる」は金魚の動きを止めてしまうため、消す工夫を。「金魚ひとつ竜宮城を出つ入りつ」など。
夏の月波がさらひぬ忘れ貝 涼子
夏の月で切れる取り合わせの句。寄せては返す波のようなリズムが心地よい。「忘れ貝」とは、万葉集にも詠まれている二枚貝の片方のこと。拾うと恋を忘れるという。「夏の月波がさらひし忘れ貝」。
【入選】
ふり返る遥かな空や山法師 和子
空に浮かぶかのように咲く山法師の白い花。原句は「下り来て遥かな空の山法師」。
湖に暈のゆるるや梅雨の月 涼子
湖面にゆれる月の句はあるが、暈を描いて新鮮。原句は「みづうみに暈を揺るがせ梅雨の月」。
雲ながれ山法師の花飛び立てり 光枝