朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」七月
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。七月の兼題はサイトより、七月の季語「夏の星」、花「青芭蕉」、江戸の味「江戸前寿司」です。
【特選】
歓声なきオリンピックや旱星 涼子
「無観客開催」などの前書が必要か。淡々と状況だけ描いて、季語の「旱星」が活きた。
しやり光る江戸前寿司は握りたて 涼子
種は何かわからないが、美味そうなのが食べ物の俳句ではなにより。
【入選】
鉾立ちてお囃子のなき京の町 弘道
昨年は山鉾は立たず、今年は半数以上が立った。ただし、お囃子も巡行もなし。徐々に徐々に。原句は「鉾いくつお囃子のなき京の町」。
夕蝉や寄せては返す波と鳴く 和子
秋も近くなった頃の蝉の声を思わせる。原句は「夏蝉や寄せては返す波と鳴く」。
氷河湖や万年の水手に掬ひ 涼子
地球の記憶が溶け込んだ鮮烈な冷たさ。
帰省子や路線バスを一人占め 弘道
過疎化の進んだ故郷なのかもしれませんが、帰省の喜びには変わりなく、「一人占め」に子供に返ったような喜びが感じられる。
海の日や海に生まれし我らかな 涼子
「海の日」が付きすぎ。よりよい季語を探しましょう。「土用波海に生まれし我らかな」、これもまだ付きすぎか。
田植笠上げておうおう友の顔 弘道
田植えの喜びと友の元気な様子への喜びと。原句は「田植笠上げておうと友の顔」。
瑠璃の声朝日ほのかな森の上 和子
美しい夏の朝。「朝日ほのか」がいまひとつ曖昧。「瑠璃の声朝日さし入る森の中」など。
焼き上る豚の丸焼き夏の星 光枝