【入選】
萎れたるカンナの花を捨てに出る 弘道
存在感のあるカンナだけに、萎れた時の虚しさも大きい。
新走り比良山の水で作つたと 弘道
酒作りに水の取り合わせはよくありますが、「作つたと」が新酒を贈ってくれた人の言葉のようで秋の喜びが感じれらます。原句は「新走り比良の水で作つたと」。
秋深しずらりと並ぶ藁ぼつち 和子
雨風にさらされ日に日に色が深くなっていく藁ぼっちが目に浮かびます。原句は「藁ボツチずらり整列秋深し」。
後の月スープに豆をひとつまみ 涼子
豆名月に豆は付きすぎではありますが、供える豆をスープに仕立ててしまったようで愉快。