第六回 カフェきごさいズーム句会報告
毎月1回ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」、今月の句会報告です。
この句会はどなたでも参加可能です。ご希望の方は右のご案内から、どうぞ。
第六回 2023年9月9日(土)
飛岡光枝選
≪第一句座≫ (当季雑詠)
【特選】
猿の腰かけ木の魂喰うて太りけり 前﨑都
ふるさとの山は大なり栗ごはん 早川光尾
病室の窓から見えるだけの夏 上田雅子
廃屋を飲み尽くさむと凌霄花 藤倉桂
沈黙の半跏思惟像秋暑し 赤塚さゆり
【入選】
台風の置き土産なり虫合奏 早川光尾
Tシャツもくたびれ残る暑さかな 赤塚さゆり
草揺らし草揺らしては飛蝗かな 矢野京子
連山のくつきりと見え蛇笏の忌 斉藤真知子
蟹漁の港真つ赤に染まる秋 前﨑都
虫ごゑに五体傾くや仕舞風呂 藤倉桂
母癒ゆる猿のこしかけ神棚へ 前﨑都
灯篭や涙の川を消えてゆき 藤井和子
どれもこれも細き刀や秋刀魚買ふ 上田雅子
広島忌永久に怒れるゲンであれ 矢野京子
銀輪の向かふ奥能登秋の虹 花井淳
皆元気便り送らむ今年酒 藤井和子
底紅は眼を見開いて雨の中 葛西美津子
鯊ゐるかのぞく佃の舟溜り 葛西美津子
新生姜人肌色のなまめかし 矢野京子
≪二句座≫(席題、蜻蛉、稲妻)
【特選】
稲光あるはずのなき天守閣 伊藤涼子
【入選】
赤とんぼ人を待つにはあらねども 高橋真樹子
かつて居りし追い払ふ程の赤とんぼ 上田雅子
親しげに帰郷の我に蜻蛉くる 斉藤真知子
ひねもすを谷地田に群るる蜻蛉かな 藤倉桂
鬼やんま一世教師で逝かれしか 前﨑都
稲妻や旅寝のシーツひやひやと 葛西美津子