第十六回 カフェズーム句会 句会報(飛岡光枝選)
七月十三日のカフェズーム句会句会報告(飛岡光枝選)です。( )は添削例。
カフェきごさいズーム句会はどなたでも参加いただけます。右の欄よりお申込みください。
第一句座
【特選】
初めての糸瓜咲きけり黃鮮やか たきのみね
(金色に初めての糸瓜咲きにけり)
首のべて亀の噛みつく大暑かな 葛西美津子
鰭ゆらし夏のよどみへ金の鯉 葛西美津子
三伏のま白き鳩の歩み来る 葛西美津子
【入選】
雲の峰マンタと泳ぐ太平洋 藤倉桂
夏を告ぐほほづき市や空青し 前﨑都
おさがりの今年ぴつたり夏帽子 矢野京子
(今年ぴつたりおさがりの夏帽子)
ベランダのトマトを添えて夏料理 早川光尾
(ベランダのトマトを捥ぎて夏料理)
サングラス親指ぐいと踏み出しぬ 村井好子
犬用の合羽も干され梅雨晴間 赤塚さゆり
早苗田の影悠然と浅間山 藤井和子
(早苗田に影悠然と浅間山)
老い二人ほどよき間合ひ冷し酒 前﨑都
(老い二人ほどよき間合冷し酒)
茄子漬の白き切り口雨あがる たきのみね
取取のマカロン並ぶ梅雨晴間 赤塚さゆり
(取り取りのマカロン並ぶ梅雨晴間)
心太割箸の香もすすりけり 高橋真樹子
(割箸の香をすすりけり心太)
金魚鉢ちがふ景色に移さるる 斉藤真知子
梅雨しとどグロリオーサは赤増しぬ 上田雅子
トンネルを抜け青田波青田波 村井好子
(トンネルを抜けて押し寄す青田波)
異国語は音楽めきて夏の夜 鈴木勇美
おのづと手を合はせてをりぬ滝の前 前﨑都
(おのづから手を合はせけり滝の前)
海の日や新日本丸の風受けて 花井淳
(海の日や新日本丸風受けて)
母のゐし夏の夕暮れ琥珀羹 葛西美津子
この星を焼き尽くさんと酷暑かな 藤井和子
(この星を焼き尽くさんと油蝉)
神鳴や我が夜我が街撃ちぬきて 鈴木勇美
青い目の少女うるはし浴衣かな 伊藤涼子
月明に似たる糸瓜の花一輪 たきのみね
飛岡光枝出句
どぢやう鍋ポンポン船の遠ざかる
第二句座(席題・登山、鰻)
【特選】
鰻やのメニュー松竹梅とかいろはとか 上田雅子
(うな重や松竹梅とかいろはとか)
うな重やちょつと寄り道鰻塚 藤倉桂
(うな重やちよつと手を合はせ鰻塚)
【入選】
女郎蜘蛛住んでをるらし登山小屋 伊藤涼子
山登りケルンに積みし石ひとつ 斉藤真知子
不忍の池見下ろして鰻食ふ 上田雅子
(鰻食ふ不忍の池見下ろして)
登山口熊に注意の六ヶ条 高橋真樹子
近江町はうなぎ鰻の熱気かな 花井淳
(近江町うなぎ鰻の熱気かな)
一献や鰻白焼きあればよし 矢野京子
リハビリの後の一鉢うなぎかな 前﨑都
百寿まで生きると決めて鰻喰ふ 高橋真樹子
飛岡光枝出句
富士登山父母かくも若かりき