2024年(令和六年)六月八日のカフェズーム句会、句会報告(飛岡光枝選)です。( )は添削例。
カフェきごさいズーム句会はどなたでも参加いただけます。右の欄よりお申込みください。飛岡光枝
第一句座
【特選】
父の日やカードで開ける父の墓 上田雅子
黒南風や苔を舐めとる鯉の口 葛西美津子
黴にほふ母のバッグの捨てられず 伊藤涼子
【入選】
酒盗ひと口冷酒ひと口八丁堀 花井淳
(酒盗ひと箸冷酒ひと口)
梅雨晴れ間キャベツ千切りシャキシャキシャキ 藤倉桂
(梅雨晴間キャベツ千切りシャキシャキと)
紫陽花の路地の奥なる書道塾 鈴木勇美
洗鯉あかね色の空惜しみつつ 矢野京子
ライラックこの街に住み二十五年 高橋真樹子
幾万の中の五百句夏ふかむ 斉藤真知子
火を恋ふる翅美しや虫篝 上田雅子
(焼き尽くす翅美しや虫篝)
下手な句をまだ捨てられぬ暑さかな 斉藤真知子
めまとひを払ひながらの案内かな 矢野京子
老鶯や筧を走る山の水 葛西美津子
鱚三十天ぷらにまた風干しに 葛西美津子
あぢさゐの道の果なき夫逝きて 花井淳
(あぢさゐの道の果てなし夫逝きて)
柚子の花旅のひと日の芳しく 伊藤涼子
五月雨の神社に赤き芝居小屋
鈴木勇美
田水張り煙草喫ふ父眩しげに 早川光尾
(眩しげに煙草喫ふ父田水張り)
あぢさゐや傘とほり過ぐ塀の上 矢野京子
麦秋や砲声未だ鳴り止まづ 早川光尾
飛岡光枝出句
舌出すに似て薄羽の天道虫
第二句座(席題、青梅、アマリリス)
【特選】
家中に籠の実梅の匂ひけり 斉藤真知子
そこいらの竿もて落とす実梅かな 前﨑都
【入選】
青々と瓶に沈めて梅酒かな 上田雅子
(青々と瓶に沈みて実梅かな)
アマリリスけふ開くかと思ひしが 斉藤真知子
つば広の帽子深めにアマリリス 前﨑都
青梅のぷかりぷかりと瓶の中 斉藤真知子
Tシャツの魔女の行方にアマリリス 高橋真樹子
(猫つれて魔女の行方やアマリリス)
アマリリス遠く聞こえて来るロンド たきのみね
女冥利真夜の厨の梅仕事 藤倉桂
青梅を一つ拾ひていかにせむ 伊藤涼子
ご隠居の自慢の実梅届きけり 赤塚さゆり
飛岡光枝出句
飛梅やいよいよ青き実をつけて