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朝日カルチャー「カフェきごさい句会」三月

caffe kigosai 投稿日:2022年4月28日 作成者: mitsue2022年4月28日

新宿の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。三月の兼題はサイトより、今月の季語「万朶の桜」、花「スイートピー」、浪速の味「雛あられ」です。

【特選】
転んでも離さぬ袋雛あられ  裕子

たぶんこの子は泣きべそをかいていることでしょう。でも手の雛あられはしっかりと握って。「雛あられ」の明るさで悲惨(!)な状況も明るい一句となりました。大人になった時には毎年ひな祭りの笑い話になることでしょう。原句は「転びても離さぬ袋雛あられ」。

交差する光と影やつばくらめ  勇美

燕の直線的な飛翔の様子を光と影で言い留めました。交差する光の句はよくありますが「影」とまで踏み込んで鋭い一句となりました。原句は「交差する光と影のつばくらめ」。

【入選】
飛び込まん遥かな空へ春スキー  和子

春スキーの明るさ、解放感が感じられます。「飛び込まん」を上五に置くことで句全体に勢いと動きがでました。

息吹けばスイートピーの蝶ゆれる  裕子

スイートピーを蝶に例えた句はたくさんありますが、「スイートピーの蝶」と言い切ったところがいい。原句は「ふとふけばスイートピーの蝶ゆれる」。

舟一艘浮かぶ湖風光る  和子

舟に焦点を当てるこどで、しんとした早春の湖の様子が思い浮かびますが、季語「風光る」のいきいきしたものが感じられないのが残念です。

千代紙の器を折つて雛あられ  勇美

小さな器に入れた小さな雛あられ。雛祭りを楽しむ心が感じられる一句です。原句は「千代紙の器を折らむ雛あられ」。より生き生きと詠みましょう。

ちり紙に包んでもらふ雛あられ  光枝

カフェきごさい「ネット投句」(四月)飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2022年4月24日 作成者: mitsue2022年4月26日

【入選】
囀りや海鳴りの中溶けてゆく  和子

絶え間ない海鳴りに呼応する春の喜び。原句は「囀りや海鳴りの中に溶けてゆき」。説明の「に」に注意。

鳥の巣や首の据わらぬ赤子抱き  裕子

まだ首の据わらない赤ん坊と羽も生え揃わない雛。同じようなものを並べただけではない、命への独特のアプローチが感じられます。

ユーカリの木漏れ日まぶし歩みゆく  裕子

ユーカリの木漏れ日とは何と楽しいことでしょう。どこまでも歩いていけそうです。原句は「ユーカリや木漏れ日まぶし憂ひ消へ」。「憂ひ消へ」と、自分の思いを全て言ってしまうとそこで止まってしまい、広がりのない句になってしまいます。提句は参考ですので、より大きな句となるよう下五を工夫してみてください。

今月の花(五月)太藺

caffe kigosai 投稿日:2022年4月21日 作成者: koka2022年4月22日

太藺がお稽古に届けられると、花木や新緑に目を奪われた時期からいよいよ初夏に移る頃となります。

カヤツリグサ科の太藺は水の中からまっすぐに勢いよく伸び、深い緑の丸い茎は直径が7ミリから15ミリ、高さは1メートルをはるかに越します。

太藺が群生しているところを探しても葉はありません。長い間に退化したからで、葉の跡は茎の元にある鞘に残っています。水中の地下茎は横にしっかりと伸びていきます。

太藺の先に花がついているものもあります。花というイメージからすると地味で、茶色の穂の様に見えます。茎の先端からいくつかごく短い枝のようなものが出て、それに小さな褐色の花が数個付いています。

太藺を手に取って二本の指で挟みつぶしてみると、中が海綿状になっているのがわかります。濃い緑から来る視覚にだまされしっかりした手触りを思い浮かべると、肩透かしを食った感覚が手の中に残ります。

真横に切ると、水を吸い上げている管が緑の丸いふちの中にぎっしりと詰まっています。ここにワイヤーを通し、太藺を思うような形にするのもいけばなを知っている人の楽しみです。ワイヤーを入れるとサクサクと通っていき、空気をたくさん含んでいることがわかります、深い花器にいける時には、元が浮き上がってくるほど軽い空気感のある植物です。

同じ太藺でも「縞ふとい」は緑と白の斑が美しいものです。高さはあまりありません。斑が縦に入る「縦じまふとい」もあります。

何本かをまとめて元を両手でねじるように広げると、茎の先が大きく広がり、この植物の独特の線で作られた空間の美しさにひかれます。例えば、お互いに平行を保ちつつぐんぐん上昇していく何機かのブルーインパルスのチームが、ある一瞬、大空でそれぞれの方向にパッと散って軌跡を描く、そんな爽快さと思いがけなさが太藺を手にして開いた時、心の中に起こるのです。

季節の花材とともに水面をみせながら太藺をいけていくと、これから梅雨に向かいうっとうしくなる時期が控えていることが、少し忘れられるのです。(光加)

浪速の味 江戸の味 5月「たこ焼」(浪速)

caffe kigosai 投稿日:2022年4月21日 作成者: youko2022年4月24日

初夏にとれる蛸は、皮もやわらかくおいしい。明石の蛸が有名だが大阪湾和泉地域の蛸も人気だ。大阪市旭区や和泉市の遺跡から弥生時代のイイダコ壺が出土している。蛸は昔から身近な食べものだったようだ。

大阪の和泉、河内や関西圏の農村地域では、田植えをした時、稲の根が蛸の足のように大地に張りつくよう祈念するのと、梅雨明けの草取りが終わった時期(半夏生 7月2日ごろ)に蛸を食べて疲れを癒していたという。タウリンが大量に含まれているので疲労回復にぴったりである。刺身でも、煮つけでも、酢の物でも美味しく食べられる。

昭和30年頃から屋台店が街々に増えたのと、一家に一台と言われるたこ焼機の普及もあって、大阪と言えばたこ焼というくらいに蛸をつかった食べ物の代表となった。

大正から昭和にかけて「ちょぼ焼」「ラジオ焼」というものが流行していた。ちょぼ焼はハガキ大の鉄板に12個の穴が開いた道具にメリケン粉の溶いたものを流し、こんにゃくや干しえび、醤油を入れて焼くものだった。子どものおやつ的なものだったらしい。「ラジオ焼」は、すじ肉などを入れて焼いたものだった。その後、会津屋の遠藤氏が昭和10年頃、蛸を入れた「たこ焼」を発案したと言われている。現在のようにソースにマヨネーズ、青海苔などをかけて食べるようになったのは戦後のことである。(『大阪食文化大全』参照)

大阪の粉もの食文化の代表的な食べ物であるが、蛸の旨味があってこそだと思う。輸入された蛸が増えている中、大きめに切った明石や和泉地域の蛸を使って、家で焼くたこ焼きはちょっと贅沢な「なにわの味」である。

たこ焼に大きな蛸の浪速かな   洋子

今月の季語(五月)初夏

caffe kigosai 投稿日:2022年4月17日 作成者: masako2022年4月21日

春が待たれる季節であるのは、〈待春〉という季語があることからも明らかです。初春が新年と一致していた昔はなおのこと。ですが私はそれ以上に夏が待たれます。なぜなら花粉が飛ばなくなるから。どのみちマスクはとれない昨今ですが、賛成の人は多いと思っています。

〈夏隣〉〈夏近し〉とはいいますが、夏を待つという季語はありません。近づいて来る夏への期待はありながらも、〈ゆく春〉を惜しむ気持ちが強いからかもしれません。冬が去るのは惜しみませんが、春の終わりには〈惜春〉というムードたっぷりの季語があります。

夏近し幹は幹色葉は葉色      宇多喜代子

春惜むおんすがたこそとこしなへ  水原秋櫻子

待たれ、そして惜しまれた春も移ろい、暦の上の区切り〈立夏〉(今年は五月五日)を過ぎると一気に夏めいていきます。立夏はまさに夏への扉といえるでしょう。

プラタナス夜もみどりなる夏は来ぬ 石田波郷

子に母にましろき花の夏来る    三橋鷹女

おそるべき君等の乳房夏来る    西東三鬼

夏のはじめが〈初夏(しよか/はつなつ)〉です。〈はつなつ〉とひらがな表記されることもあります。「初」のつく語には「待ってました!」の心がこもっています。初花しかり、初鰹しかり。恋々と春を惜しんでいた人々も〈初夏〉と口にした瞬間、待ち人来たるの気持ちに切りかわるのではないでしょうか。

初夏の一日一日と庭のさま     星野立子

銀の粒ほどに船見え夏はじめ    友岡子郷

「待って」いたのは、じくじくと蒸したり、灼けるほど熱かったりの夏ではなく、すっきりとして充実した気分になる夏の始まりのみ。待春はあっても待夏が無いのはそのせい(?)かもしれません。

初夏は現代のカレンダーでは五月のころです。〈五月(ごぐわつ)〉はそのまま季語として使えます。

目つむりていても吾を統ぶ五月の鷹  寺山修司

地下街の列柱五月来たりけり     奥坂まや

五月を「さつき」と読むと陰暦五月の異称となり、仲夏の季語となります(皐月とも書きます)。現代の五月はおおよそ陰暦四月〈卯月〉です。

酒のあと蕎麦の冷たき卯月かな    野村喜舟

そのころのすこし汗ばむ暑さを指して〈薄暑〉といいます。これもまた初夏限定の季語です。

街の上にマスト見えゐる薄暑かな     中村汀女

フランスの水買つて飲む薄暑かな     井越芳子

沖縄ではおなじころを〈若夏〉と呼びます。稲の穂が出るころあいといいますから、体感は異なりそうですが、語感には今から育ってゆく夏の喜びが詰まっています。

若夏の魔除獅子いかる屋根の上      角川源義

五月も下旬となると麦が黄熟し、刈り入れ時を迎えます。〈麦〉は植物の季語ですが、〈麦秋〉〈麦の秋〉は時候の季語、初夏の季語です。

クレヨンの黄を麦秋のために折る    林 桂

さてこのすがすがしい夏を、どの季語で表しましょうか?(正子)

 

カフェきごさい「ネット句会(4月)」互選+飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2022年4月9日 作成者: mitsue2022年4月9日

(連中)弘道 良子 都 桂 すみえ 裕子 雅子 涼子 酔眼 隆子 光尾 利通 光枝

≪互選≫

前﨑 都選
束ねゆく茎みづみづし黄水仙  涼子
春筍目も覚めぬうち食はれけり  雅子
鯖街道春が近江を指して行く  弘道

山中すみえ選
北岳にけふは雲ある桃の花  光枝
土筆和あくのつよきも混じりけり  隆子
あるだけの花を散らして目黒川  雅子

池田良子選
茶杓にも艶といふもの宗易忌  都
職退いて田打つ真紅のトラクター  隆子
山茱萸の花の盛りを農具市  隆子

若土裕子選
啼く烏今朝も余震の社日かな  酔眼
山茱萸の花の盛りを農具市  隆子
工員の昼のいつぷく花の下  すみえ

藤倉 桂選
茶杓にも艶といふもの宗易忌  都
山茱萸の花の盛りを農具市  隆子
鯖街道春が近江を指して行く  弘道

早川光尾選
豆スープ皿にたつぷり花疲れ  すみえ
職退いて田打つ真紅のトラクター  隆子
ハーメルンの笛のひゃらりこ花ゑんど  利通

上田雅子選
霾るやハリコフの鳩飛び立てよ  都
山茱萸の花の盛りを農具市  隆子
花冷えの雷門や大提灯  すみえ

篠原隆子選
病室の窓に人かげ春の月  裕子
下萌えや猫の歩みのやはらかく  光尾
あはあはと森の精霊山ざくら  涼子

須賀利通選
霾るやハリコフの鳩飛び立てよ  都
鯖街道春が近江を指して行く  弘道
たんぽぽや一瞬にして非日常  都

伊藤涼子選
銭湯は今日は桜湯行つてみるか  弘道
桜海老干すくれなゐの命かな  光枝
あるだけの花を散らして目黒川  雅子

松多酔眼選
職退いて田打つ真紅のトラクター  隆子
鯖街道春が近江を指して行く  弘道
近道は昔のままに春の泥  裕子

≪飛岡光枝選≫
【特選】
春筍目も覚めぬうち食はれけり  雅子

筍掘り名人は、ほんの少しの土の盛り上がりで見つけるという春の筍。「目も覚めぬうち」が気の毒ながら愉快。目が覚めないうちに掘って、茹で上げて、「食はれけり」まで言ったことで春らしい勢いが生まれました。

土筆和あくのつよきも混じりけり  隆子

春の山菜の魅力はそのあく。句はそのあくに焦点を当てました。土筆の風貌(?)から、人間の集団のようでもあります。

【入選】
比良八嵐京津線は峠越え  酔眼

原句は「比良八講京津線の峠超え」。「比良八講」は古くは近江の比良明神の春の法会で、現在は琵琶湖上で法要が行われています。「比良八講」はその行事をさす季語、「比良八荒」はそのころ比良山地から吹き下ろす強風により琵琶湖が荒れる天文の季語です。句は、京都市内から琵琶湖方面へ向かう京津線の逢坂山越えでしょうか。春先の強い風に向かい峠を越えて行く列車の姿が見えるようです。

束ねゆく茎みづみづし黄水仙  涼子

白い小さな花を付ける水仙は冬の季語ですが、黄水仙は春三月ころから花壇を華やかに彩る水仙です。句は大振りな黄水仙の存在感を際立たせる一句です。より手触りを感じさせる「茎きしきしと」なども一考ください。

銭湯は今日は桜湯行つてみるか  弘道

歳時記の「桜湯」は、桜漬に湯を注いでいただく飲み物ですが、句は桜の入浴剤のお湯が楽しめる銭湯。湯を注ぐと桜漬がゆっくりとほどけるように、作者の身心もお湯にほどけてゆくことでしょう。「行つてみるか」の口語体も活きています。

親不知子不知波寄す桜貝  利通

難所として知られる親不知子不知ですが、春には少し波が穏やかになり桜貝が打ち寄せるのでしょうか。原句は「親不知子不知あたり桜貝」。「あたり」は句を弱くすることが多いのでご注意を。

職退いて田打つ真赤なトラクター  隆子

念願の農業だったのでしょう、田を打つ春の喜びが感じられます。原句は「職退いて田打つ真紅のトラクター」。

春日傘いつしよに畳む日の匂  良子

暑さごと日傘を畳むという句はよく詠まれますが、「日の匂」を畳むと言って春日傘らしい句となりました。

風のなか蓬摘む母丸くなり  光尾

丸くなって蓬を摘むのではなく、丸くなった母上が蓬を摘んでいる句です。原句は「春光や蓬摘む母丸くなり」ですが、しっかりした春の季語がある句に安易に「春」を入れないようにしましょう。「風のなか」でなくても、中七下五がより活きる上五を探してみてください。

鯖街道春が近江を指して行く  弘道

春らしい勢いのある句です。鯖はじめ若狭の魚介類が通った鯖街道であるだけに、句の春も海の恵を思わせます。芭蕉の句「行く春を近江の人と惜しみける」を面影に。

近道は昔のままに春の泥  裕子

「昔のままに」で切って読みます。「昔のままに春の泥」では奥行に欠けてしまいます。

花冷えの雷門や大提灯  すみえ

「花冷え」は、雰囲気先行になりがちな季語ですが、具体的に描いて実のある句になりました。「花冷えの大提灯」とするとより焦点が定まるかと思います。

ハーメルンの笛のひやらりこ花ゑんど  利通

笛の音に囃されて豌豆の蔓がぐんぐん伸びていくよう。文字を眺めていると「ゑ」が豆の蔓のようにも見えてきました。
正しくは「花ゑんどう」ですが、作品ですので作者の意図であれば「花ゑんど」でも。

「ネット句会」投句一覧(4月)

caffe kigosai 投稿日:2022年4月3日 作成者: mitsue2022年4月3日

4月の「ネット句会」の投句一覧です。
参加者は(投句一覧)から3句を選び、このサイトの横にある「ネット句会」欄(「カフェネット投句」欄ではなく、その下にある「ネット句会」欄へお願いします)に番号と俳句を記入して送信してください。
(「ネット句会」欄にも同じ投句一覧があります。それをコピーして欄に張り付けると確実です)

選句締め切りは4月5日(火)です。後日、互選と店長(飛岡光枝)の選をサイトにアップします。(店長)

(投句一覧)
1 鶯や鯉の産卵囃すかに
2 霾るやハリコフの鳩飛び立てよ
3 跪く尼僧にミモザ降らせけり
4 啼く烏今朝も余震の社日かな
5 北岳にけふは雲ある桃の花
6 病室の窓に人かげ春の月
7 比良八講京津線の峠越え
8 板戸一枚日がな音たて春炉かな
9 豆スープ皿にたつぷり花疲れ
10 土筆和あくのつよきも混じりけり
11 茶杓にも艶といふもの宗易忌
12 誰もゐぬ部屋に一輪落椿
13 束ねゆく茎みづみづし黄水仙
14 銭湯は今日は桜湯行つてみるか
15 川沿ひの駅までの道さくら時
16 親不知子不知あたり桜貝
17 職退いて田打つ真紅のトラクター
18 春筍目も覚めぬうち食はれけり
19 春日傘いつしよに畳む日の匂
20 春光や蓬摘む母丸くなり
21 春寒や活断層の蠢くか
22 山茱萸の花の盛りを農具市
23 三叉路の馬頭観音初桜
24 鯖街道春が近江を指して行く
25 桜海老干すくれなゐの命かな
26 菜の花を天ぷらにする手際かな
27 工員の昼のいつぷく花の下
28 茎立を手折りて帰る夕餉かな
29 近道は昔のままに春の泥
30 花冷えの雷門や大提灯
31 下萌えや猫の歩みのやはらかく
32 またひとつ捨てることあり桜咲く
33 ブランチのモカの馨しスイートピー
34 ハーメルンの笛のひゃらりこ花ゑんど
35 たんぽぽや一瞬にして非日常
36 スメタナのモルダウの中朝寝かな
37 シャンソンの流れる家やミモザ咲く
38 あるだけの花を散らして目黒川
39 あはあはと森の精霊山ざくら

カフェきごさい「ネット句会」4月のお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2022年3月30日 作成者: mitsue2022年3月30日

各地で桜が満開を迎えています。「カフェきごさい」ネット句会4月の締切は4月2日(土)です。どなたでも参加可能です。サイトの「ネット句会」欄から3句ご投句ください。

・このサイトの右側に出ている「ネット句会」欄より、3句を投句ください。

・4月3日中にサイトへ投句一覧をアップしますので、4月5日までに参加者は3句を選び、投句と同じ方法で選句をお送りください。

・後日、参加者の互選と店長・飛岡光枝の選をこのサイトへアップいたします。

春爛漫の「ネット句会」、みなさまの力作をお待ちしています。(店長)

カフェきごさい「ネット投句」(三月)飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2022年3月23日 作成者: mitsue2022年3月23日

【入選】
虫這つてスイートピーのひげ細し  裕子

スイートピーが豆の花だと思い出させてくれる一句です。原句は「青虫かスイートピーのひげ細し」。「青虫」は秋の季語。

登校も喧嘩も無くて卒業す  弘道

原句は「登校も式典もなく卒業す」。「式典」は無くてもいいかと思いますが、仲間とのなんでもない時間が持てないのはなんとも気の毒。「コロナ禍」と前書きが必要か。

母の使ひし春耕の鍬一本  弘道

働き者だった母上の様子が目に浮かびます。原句は「土間の隅母の使いし鍬ひとつ」。「鍬」が「ひとつ」は違和感あり。

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」二月

caffe kigosai 投稿日:2022年3月22日 作成者: mitsue2022年3月22日

新宿の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。二月の兼題はサイトより、今月の季語「梅の花」、花「連翹」、江戸の味「白魚」です。

【特選】
白魚の睨みも虚し椀の中  和子

白魚や白子などの小魚の目を詠んだ句はたくさんありますが、睨みと捉えて新鮮な句になりました。「椀の中」としっかり描いた存在感のある一句です。

白魚のひかり味はふ余生かな  勇美

「余生」を中途半端に使うといいかげんな印象の句になりがちですが、この句は「ひかり味はふ」に実があり、こんな余生なら過ごしてみたいと思わせてくれる句になりました。

【入選】
梅の花色を選びて母の紅  勇美

ご母堂がご自分では選ばないような鮮やかな口紅を付けてほしい。いつまでも美しくという娘心を梅の花に託しました。原句は「紅梅に揃へて選ぶ母の紅」。

願はくば来世はクジラ白魚よ  裕子

白魚に代わっての願いですが、白魚は鯨にはなりたくないのでは?春らしい大らかな句です。

雪解水命湛へてどうどうと  和子

季語「雪解水」の範疇ではありますが、まさに堂々としっかりした句です。

新調の眼鏡明るし梅の花  勇美

原句は「新調の眼鏡明るし梅日和」。この句の場合「梅日和」では理屈が見えてしまい句としてあまり広がりません。原句をよく眺めて、そこからもう一歩飛んでください。

退職やふらここ高く蹴りあげて  勇美

出来ていますが、わかりすぎてしまうのが少々物足りない。

連翹の垣根にちよこん猫の顔  和子

連翹らしい明るい一句です。

シラウオもシロウオも来よ春の月  光枝

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カフェ_ネット投句とネット句会

・ネット投句は、朝日カルチャーセンター新宿教室(講師_飛岡光枝)の受講者が対象になります。
・毎月20日の夜12時が締め切りです。
・選者はカフェ店長の飛岡光枝、入選作品・選評は月末までに発表します。
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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。朝日カルチャーセンター「句会入門」講師。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。句集に『玩具』『花実』。著書に『子どもの一句』。和光大・成蹊大講師。俳句結社「藍生」所属。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょうよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。

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