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カフェネット投句(11月)飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2020年11月25日 作成者: mitsue2020年11月25日

【特選】
後の月煌々として妻と在り  守彦

十三夜の冷やかな光のもと、妻と己の存在の確かさ。名月では句にはなりません。作者の新境地を予感させる一句。

待つといふ嬉しさもあり冬林檎  涼子

中七で切れる一句。「冬林檎」がとても効いています。

【入選】
陽の暮るる時際やかに富士の雪  和子

残照の中の冬の富士。原句は「陽も暮るる富士の白雪際やかに」。

山茶花や自転車置き場ピンク色  涼子

驚くほどの山茶花の花びら。原句は「山茶花や自転車置き場はピンク色」。この「は」を取れるように。

髭を剃る刃に忍び寄る寒さかな  弘道

髭剃りの刃はいろいろに詠まれますが、この句は髭を剃っている最中の刃というところが新鮮です。

八十路なんぞ序の口冬迎へ  弘道

音としては「八十歳」としたいところですが、それではなぜかつまらなくなります。「冬迎へ」では状況の説明に終わってしまうので具体的な季語(冬の植物など)を。

トラ猫に遊んでもらふ秋の夜  守彦

原句は「猫の子に」ですが、春の大きな季語なので工夫を。

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(十月)

caffe kigosai 投稿日:2020年11月25日 作成者: mitsue2020年11月25日

新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより、十月の季語「鳥渡る」花「桐の実」江戸の味「鯊の佃煮」です。

【特選】
名を変えて川流れゆく帰燕かな  涼子

いくつもの町や村を流れ過ぎていく川を眼下に、帰っていく燕。人に近しい鳥ならではの句。原句は「いくたびか名を変へる川燕去ぬ」。

あの婆は今年も息災柿簾  弘道

みごとな柿簾を遠くから眺めながら。

【入選】
満月やウイグルの闇耿耿と  和子

大草原の深い闇に上る満月。原句は「満月やウイグルの闇黒々と」。

大やんま行つたり来たり山の駅  守彦

みごとな鬼やんまが我が物顔に。列車がめったに来ない山の駅ならでは。原句は「山の駅行つたり来たり大やんま」。

草紅葉燧ケ岳をあふぎ行く  涼子

燧ケ岳の地名の力で燃え立つ紅葉が目に浮かぶ。足元の草紅葉と山の紅葉、どちらかに焦点を当てたい。

鳥渡るコンビナートの薄煙  勇美

よくある光景だが、薄煙によって句にゆらぎが加わった。

新酒汲む約束待たず友の逝く  弘道

友のいない新酒。しっかり詠めているが、全部説明してしまわないで、奥行きある句を目指したい。

藪枯らし縺れし時間そのままに  勇美

「そのまま」がよくわからない。この句の要になるところなので我慢して何を言いたいか探ること。

紺深きなすびの新香先ず一献  守彦

「紺深き」がいい。

歯一本抜けて見上ぐや後の月  勇美

「十三夜」のうすら寒い心持を表現。

どぜう鍋母を囲んで伊勢喜かな  守彦

いい名前の泥鰌屋。原句は「どぜう鍋母を囲みし伊勢喜かな」。過去形にしないでよりいきいきと詠む。

鷹柱くづれて己が風に乗る  涼子

「己が風」がいい。

ゆびきりの代はりにひとつ木の実かな  勇美

小さな、だけど大切な約束。「ひとつ」が上手い。

日闌けて一人はごろ寝鯊の舟  光枝

浪速の味 江戸の味(十二月) 【牛鍋(江戸)】

caffe kigosai 投稿日:2020年11月23日 作成者: mitsue2020年11月24日

「八月の夜は今米久にもうもうと煮え立つ」
この言葉で始まる現代詩「米久の晩餐」。実在する浅草の牛鍋屋を詠った高村光太郎の作品です。

肉食を禁止していた江戸時代も、幕末になると牛鍋屋がちらほら開業していたようです。特に外国人居留地で需要の高い牛肉が国内で調達できるようになると、横浜を中心に牛鍋屋が増えていきました。

当初は肉の保存方法の未熟さや薄くスライスできないことから、肉が獣臭く、葱などの香味野菜と味噌の味付けで匂いを消していました。明治元年に創業し現在も続く横浜の牛鍋屋では、いまもサイコロ状の肉を味噌仕立てにして食べさせてくれます。

牛鍋は文明開化の象徴と言われ、散切り頭の客が牛鍋をつつく画が残っています。かの福沢諭吉も『肉食之説』という“学問のすゝめ”ならぬ“肉食のすゝめ”を発表。それもあってか、明治十年頃には東京の牛鍋屋は500店を超していたそうです。

牛鍋は、歳時記では冬の季語「鋤焼」の傍題となっています。鋤焼は、割下を使う関東風と砂糖と醤油で肉を焼く関西風が知られていますが、割下で煮る関東風は、牛鍋からきた調理法と言われています。

光太郎の詩に登場する「米久」は明治19年創業、現在も浅草寺の近くに店を構えています。「米久の晩餐」は、客や店員の会話がいきいきと描かれた七十行にも及ぶ長い詩。やや気取った鋤焼とはひと味違う庶民的な牛鍋の温かみと、そこに群がる人々の哀歓が溢れています。(光枝)

 牛鍋や昨日のくもる硝子窓  光枝

今月の季語〈十二月〉 極月

caffe kigosai 投稿日:2020年11月21日 作成者: masako2020年11月22日

再びみたび閉ざされて歳末を迎えようとしている二〇二〇年の私たちです。ウィズコロナと聞いたとき「友だちじゃないし!」と思ったはずなのに、いつのまにか慣れあってしまったのでしょうか。まさに油断大敵です。

〈極月〉とは一年が極まる月、すなわち〈十二月〉のことですが、今日では日常的にこう呼ぶ人は少ないでしょう。私が初めてこの語を知ったのはどこかの句会の席上でした。詳細は忘却の彼方ですが、何か逃れようのない場所へ追い込まれた気分になったことだけは覚えています。今年ほどこの語がしっくりくる年はないかもしれません。いい句(?)ができるかも。挑戦してみましょう。

極月のたましひ抱いて病み昏れむ        石原八束

一人(いちにん)の欠けし極月遍路かな  黒田杏子

どちらも生死にかかわる内容と取り合わせた句です。重く厳しい状況とそれに対する覚悟のほどが伝わってきます。

極月の人の温味のある紙幣         片山桃史

極月の火の色あつめ火を焚きぬ    岩淵喜代子

極月やほうと立ちたる芥の火        岸田稚魚

対してこちらは、一年の突き当りなればこそ感じ得る温かさといえましょうか。札入れを取り出して支払いをするという行為は、小説や映画の一場面のように思える昨今ですが、ぎりぎり分かるのが昭和世代。もっとも「温味」は実際の温度に限りません。寄付や募金の景(〈社会鍋〉のような)を想像してもよさそうです。

極月の路地深く来る箒売            菖蒲あや

〈煤払〉用の箒でしょう。いつもは物売が「深く」までは入ってこない「路地」なのかもしれません。

極月の人々人々道にあり               山口青邨

こちらの「道」は天下の大道でしょう。さまざまな用を抱え、とりどりの装いで行き交う人又人。

極月や犬にもひらく自動ドア       三田きえ子

「なぜ犬が!」と大騒ぎになった店内を想像しましたが、「あれまあ、便利な世の中になったものだねえ」と感心してもよいかもしれません。極月なのだからと許容するような心持ちが醸し出す微かな滑稽味を感じます。

極月やかなしむために母を訪ふ      細川加賀

亡き母を知る人来たり十二月       長谷川かな女

同じ時期を示す〈極月〉と〈十二月〉ですが、入れ替えはきかないことを実感する例ではないでしょうか。

武蔵野は青空がよし十二月       細見綾子

大空のあくなく晴れし師走かな          久保田万太郎

〈師走〉は旧暦十二月の異称。旧暦と新暦はひと月ほどずれますが、師走だけは違和感なく新暦十二月の意に使われます。年の瀬の忙しさに、まさに「師」も「走」るといったところでしょう。前句は「武蔵野」の「野」にひかれて青空の下に広がる欅の林などを思います。後句は「師」のつく職業の人が駆け回る街中でしょうか。作者は万太郎ですから、市井の人々の暮らしが匂い立ってきそうです。

なかなかに心をかしき臘月(しはす)かな    芭蕉

(正子)

 

今月の花(十二月)冬桜

caffe kigosai 投稿日:2020年11月20日 作成者: mitsue2020年11月24日

花を届けてくれた花屋さんが、先生には冬桜をいれときました、といって包みを置いて帰っていきました。お稽古に冬桜が来るのははじめてではなかったでしょうか。

東京の赤坂見附の交差点。五差路になっている一角にある交番の裏に、すっかり葉の落ちた四~五メートルの高さの木の枝にちらほらと薄ピンクの小さな花が見かけられます。風が吹き車の行きかう中、花たちが枝にしっかりつかまって咲いている姿が健気です。この桜は近くの木々が寒々と立っている中、毎年、緩いピンクの花の塊が上を向いている枝の中ほどから先に見られ、狂い咲きではないことがわかります。この時期には、何かしらと人々が見上げている光景がよくみられます。

「冬桜」と呼ばれるものは、今ではこの時期に見かけられる桜の総称で使われることがありますが、本来は山桜、または大島桜と豆桜の交配から生まれた雑種をさします。

また「十月桜」と呼ばれる桜は小彼岸桜の園芸種。十月くらいから花をつけることから名づけられたのでしょう。四月上旬にも花をつけます。花弁は白からピンクのもの、また花弁の数が多いものもあり、冬の花は春咲く花に比べ小型です。

「四季桜」は薄い紅の一重で、十月ころから咲くためこちらも十月桜と呼ばれることもあります。

二月から咲き山桜と寒緋桜などからできた交配種は「寒桜」と呼ばれています。葉が出ると同時か少し前に咲きます。花弁は五弁で淡紅色、開花してみれば花弁の縁が少し濃いのが特徴です。年に一度咲きます。

「寒緋桜」は一月末に、濃い紅色の二センチほどの花が半開きで下を向いて咲きます。花の姿が特徴的でほかの桜と見分けられます。緋寒桜、台湾桜とも呼ばれ春を呼び込むこの木は五メートルから八メートルにもなり、景色が灰色の中でその華やかさは人目をひきます。

この他にも 年の終りに近いころから新年にかけて咲く桜があります。花屋さんからの桜はリビングに暖かな光がはいるせいか細い枝も心なしか伸び、ちらほらとまた五弁の花を咲かせています。

満開の桜を楽しめる春を目指して一緒にがんばりましょう、と応援されているようです。(光加)

「江戸の味」に学ぶ俳句入門 オンライン講座のお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2020年11月8日 作成者: mitsue2020年11月12日

秋の夜長、家にいながら江戸文化を学ぼうという企画の一環として、『「江戸の味」に学ぶ 俳句入門』オンライン講座が開かれます。「カフェきごさい」に連載中の「浪速の味 江戸の味」から「江戸の味」を取り上げ、関連した季語と古今の俳句の話をします。俳句作りの参考になる講座をと思っています。どうぞご参加ください。(店長)

【小学館神保町アカデミー】オンライン講座

『「江戸の味」に学ぶ 俳句入門』

日時*11月21日(土曜日)19:00~20:30

講師*飛岡光枝
           ↓こちらをクリック
☆お申込みは「小学館神保町アカデミー」のサイトからどうぞ。

カフェきごさい「ネット句会」(11月) 互選+飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2020年11月7日 作成者: mitsue2020年11月7日

(連中)
ひろ女 隆子 桂 雅子 すみえ 涼子 南行 光尾 都 勇美 裕子 和子 良子 弘道 光枝

【互選】
弘道選
蛇穴へこの世の憂さはすべて絶ち  桂
後の月欠けたるものの懐かしき  隆子
歌舞伎座の裏は下町十三夜  ひろ女

良子選
父追うて三冠征す菊日和  都
九条葱ざつくり刻み二人鍋  弘道
歌舞伎座の裏は下町十三夜  ひろ女

和子選
鳩の出ぬ柱時計や後の月  ひろ女
東京のしづかな朝鳥渡る  光枝
仕舞ひ置くヘルスメーター馬肥ゆる  涼子

裕子選
独り碁を終へて余寒の饂飩かな  弘道
九条葱ざつくり刻み二人鍋  弘道
この年の縺れし時間藪枯らし  勇美

勇美選
東京のしづかな朝鳥渡る  光枝
後の月欠けたるものの懐かしき  隆子
口を出た言葉戻らぬそぞろ寒  すみえ

都選
葡萄酒を醸すがごとく謀  隆子
東京のしづかな朝鳥渡る  光枝
十三夜一茶が来ている双樹庵  裕子

光尾選
足柄の月やあばたの大いなる  隆子
後の月欠けたるものの懐かしき  隆子
歌舞伎座の裏は下町十三夜  ひろ女

南行選
摘んできし露の黄菊を膾かな  光枝
遺されし日記ひもとく十三夜  裕子
この年の縺れし時間藪枯らし  勇美

涼子選
舞茸の花の一株切り分けん  雅子
東京のしづかな朝鳥渡る  光枝
後の月欠けたるものの懐かしき  隆子

すみえ選
舞茸の花の一株切り分けん  雅子
摘んできし露の黄菊を膾かな  光枝
星ひとつ連れてまどかや後の月  涼子

雅子選
足柄の月やあばたの大いなる  隆子
後の月欠けたるものの懐かしき  隆子
妹を橋まで送る十三夜  良子

桂選
妹を橋まで送る十三夜  良子
舞茸の花の一株切り分けん  雅子
海鳴りを辿りし果ての月の道  和子

隆子選
舞茸の花の一株切り分けん  雅子
東京のしづかな朝鳥渡る  光枝
ひんがしに羽衣のごと後の月  すみえ

ひろ女選
父追うて三冠征す菊日和  都
後の月欠けたるものの懐かしき  隆子
遺されし日記ひもとく十三夜  裕子

【飛岡光枝選】
(特選)
舞茸の花の一株切り分けん  雅子

天然舞茸を讃えた一句。「舞」と「花」の字が呼応します。「切り分けん」と実感ある句にして上々。

この年の縺れし時間藪枯らし  勇美

コロナだけではない様々な出来事が思われる一句です。「藪枯らし」が静かに繁茂していく恐ろしさ。

(入選)
落花生ぼつちの幾つ十三夜  裕子

少し肌寒い十三夜の感じが出ています。原句は「落花生のぼつち幾つも十三夜」。

待ち遠し夜食は父の味噌握り  ひろ女

味噌握りのなんと美味しそうなこと。原句は「夜食待つ父の得意の味噌握り」。ことばを整理して、伝えたいことがより伝わるように。

鳩の出ぬ柱時計や後の月  ひろ女

上五中七の微妙な寂寥感と十三夜の月が呼応します。

猪垣の内に老婆や日向ぼこ  桂

猪からすれば、老婆は垣の内に捕らえられているよに見えるのでは?「日向ぼこ」がいい。

星ひとつ連れてまどかや後の月  涼子

この「まどか」は真ん丸の意味ではなく、穏やかの「まどか」です。「連れて」が句の内容にやさしく呼応します。

十三夜友の少しく欠けてゆき  和子

十五夜にはない思い。

十三夜一茶来てゐる双樹庵  裕子

一茶が懇意の双樹庵。「十三夜一茶寝転ぶ双樹庵」など「来てゐる」をもう一工夫しても。原句は「十三夜一茶が来てゐる双樹庵」。

口を出た言葉戻らぬそぞろ寒  すみえ

よく言われる内容ですが、「戻らぬ」が直接的でよく伝わります。

後の月欠けたるものの懐かしき  隆子

調べがよく出来ている一句ですが、後の月は満月に少し欠けた月なので付きすぎの感は否めません。他の季語を探してみてください。

九条葱ざつくり刻み二人鍋  弘道

一人鍋でなくてほっとしました。「ざつくり」で美味しい鍋になりました。

夏の光包んで仕舞ふTシャツも  光尾

夏の終わりの感じがよく出ました。原句は「夏の光包んで仕舞うTシャツと」。

カフェきごさい「ネット句会」(11月)投句一覧

caffe kigosai 投稿日:2020年11月1日 作成者: mitsue2020年11月1日

11月「ネット句会」の投句一覧です。以下から3句を選び、このサイトのネット投句欄に番号と俳句を記入して送信してください。選句締め切りは11月3日(火)です。みなさんの選と店長(飛岡光枝)の選はこのサイトにアップします。(飛岡光枝)

(投句一覧)
1 老いぼれにおいでおいでと枯れ薄
2 路線バス乗継ぎ宿へ十三夜
3 落花生のぼつち幾つも十三夜
4 夜食待つ父の得意の味噌握り
5 妹を橋まで送る十三夜
6 葡萄酒を醸すがごとく謀
7 舞茸の花の一株切り分けん
8 父追うて三冠征す菊日和
9 鳩の出ぬ柱時計や後の月
10 能面の般若いとほし草の花
11 独り碁を終へて余寒の饂飩かな
12 灯油売り声流れくる秋の暮
13 灯台の明滅はるか後の月
14 東京のしづかな朝鳥渡る
15 天高し泣いてばかりの赤ん坊
16 哲人の顔で風聴く秋の犬
17 摘んできし露の黄菊を膾かな
18 猪垣の内に老婆や日向ぼこ
19 足柄の月やあばたの大いなる
20 赤き実のたわわ盆栽棚の秋
21 青空に宿木やどる鳥の声
22 星ひとつ連れてまどかや後の月
23 十三夜友の少しく欠けてゆき
24 十三夜一茶が来てゐる双樹庵
25 十三夜たれが歌ふかILOVEYOU
26 秋の暮鐘撞く学僧腕白し
27 秋の水縄文人も汲みたるか
28 蛇穴へこの世の憂さはすべて絶ち
29 仕舞ひ置くヘルスメーター馬肥ゆる
30 口を出た言葉戻らぬそぞろ寒
31 後の月欠けたるものの懐かしき
32 君も干せ我の温めし酒二合
33 九条葱ざっくり刻み二人鍋
34 海鳴りを辿りし果ての月の道
35 改札にスマホかざして行く秋ぞ
36 歌舞伎座の裏は下町十三夜
37 夏の光包んで仕舞うTシャツと
38 黄落や終着駅はすぐそこに
39 鰯雲人魚の歌を載せてゆき
40 遺されし日記ひもとく十三夜
41 ラ・フランス女神高々三色旗
42 ふるさとの駅に降り立つ夜露かな
43 ひんがしに羽衣のごと後の月
44 この年の縺れし時間藪枯らし
45 おでん鍋交はす言葉は普段着で

カフェきごさい「ネット句会」11月のお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2020年10月28日 作成者: mitsue2020年10月28日

「ネット句会」は、どなたでも参加自由です。このサイトの「ネット投句欄」より、10月31日までに3句を投句ください。11月1日中にサイトへ投句一覧をアップしますので、11月3日までに参加者は3句を選び、投句と同じ方法で選句をお送りください。サイトへ、参加者の互選と店長・飛岡光枝の選をアップいたします。

明日29日は後の月、十三夜です。東京は天気予報によると無事(!?)少し欠けた月が見られそうです。日本ならではと言われる後の月のお月見、中秋の名月との違いを感じながら今年の一句にトライしてみてください。(光枝)

カフェネット投句(10月)飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2020年10月22日 作成者: mitsue2020年10月22日

【特選】
青年の吾の口笛秋高し  弘道

原句は「秋晴れや青年のごと口笛を」。青年のように口笛を吹いた、という報告からより広い世界へ。

女郎花傍にゆるるや男郎花  和子

原句は「女郎花傍にかしず(づ)く男郎花」。傅かれたいかどうかの違いもあるかもしれませんが(!)、こちらもより広い世界へ。

【入選】
いわし雲履き古したるスニーカー  勇美

しっかりと出来た一句ですが、「履きなれしものにも果や鳥雲に 飴山實」の存在が大きい。

薪割りの腰を伸ばすや渡り鳥  勇美

この句も過不足なくできていますが、「渡り鳥」を動かしてより広々と。「薪割りの腰を伸ばすや鳥渡る」。

稲の香やまだ生きてゐるこの星の 和子

稲の香りは、まさに健康な地球の香り。原句は「稲の香やまだ生きているこの星は」。

若き日の浜つ子ことば鯊日和  涼子

回想でなくても句になりそうですが、鯊日和にはこの形もしっくりきます。

鳥渡る富士山頂にポストあり  涼子

まるで渡り鳥からの手紙が届くよう。原句は「鳥渡る富士に山頂郵便局」。

廃校の今日の賑はひ村芝居  弘道

秋晴れの一日を楽しむ様子が伺われます。原句は「久々に廃校賑ふ村芝居」。

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カフェ_ネット投句

・このネット投句は、朝日カルチャーセンター新宿教室(講師_飛岡光枝)の受講者が対象になります。
・毎月20日の夜12時が締め切りです。
・選者はカフェ店長の飛岡光枝、入選作品・選評は月末までに発表します。
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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。朝日カルチャーセンター「句会入門」講師。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。句集に『玩具』『花実』。著書に『子どもの一句』。和光大・成蹊大講師。俳句結社「藍生」所属。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょうよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。

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