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浪速の味 江戸の味(六月) 穴子【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2020年5月22日 作成者: mitsue2020年7月28日

数年前のこと、初夏の富津海岸(千葉県)で名物の穴子丼を頂きました。そのあと港を散策していると、停めてある軽トラックの荷台に雨どいより太めの塩ビ管がたくさん積んでありました。訊くと、穴子漁に使う「穴子筒」とのこと。昼に筒を沈めて翌日の早朝に引き上げると夜行性の穴子が、多いときで十数匹も入っているそうでこれこそが本家本元の江戸前穴子。昼間穴子丼を食べた時は意識しなかった江戸前が、急に身近に感じられました。
 
江戸前の魚とは東京湾で獲れた魚介のことで、穴子はその代表格です。穴子は全国各地で水揚げされ、明石、宮島などでも名物にもなっていますが、穏やかな内湾で育つ江戸前の真穴子は、身が柔らかく香りがあることが特長。そのため、天ぷらや煮穴子には江戸前の穴子が欠かせないそうです。
 
房総半島の富津と並んで穴子漁のさかんな地域が横浜市金沢区の小柴です。ここの芝漁港を訪ねると、富津で見たのと同じ「穴子筒」がたくさん積んでありました。数十年前までははえ縄が主流でしたが、針に長時間かかったままでストレスが多いはえ縄に変えて、筒漁を考案したのがこの地域の漁師さんたち。ストレスがかかると身が固くなるそうで、「旨い穴子は穏やかでいい顔をしている」という穴子漁師のことばを伝え聞きました。川崎展宏さんの句に「床屋から出て来た貌の穴子かな」がありますが、この句の穴子は美味しいに違いありません。

小柴では欲張って天ぷらに白焼き、煮穴子をいただきました。どれも身がふっくらとして大きく食べごたえがありました。江戸前の穴子の旬は六月から九月、海がより近かったころに想いをはせながら再び訪ねてみたいと思います。

夕波をまくらに穴子一本揚  光枝

今月の花(六月)金宝樹

caffe kigosai 投稿日:2020年5月22日 作成者: koka2020年5月22日

坂道を上り、信号をこえて右折したその路地に入ったのは外出自粛になる前でした。

角を曲がった途端、目に入ってきたのはたわわに枝垂れる枝に鮮やかな赤い花をたくさんつけた3メートルほどの木でした。その木は隣家の塀とその家の階段の間で少し窮屈そうでした。金宝樹、別名ブラシの木はユーカリと同じフトモモ科に属し、英語でもそのままbottlebrushと呼ばれます。細長いブラシのような花の形ですが、美しい色は雄蕊の集まりで数日で色あせます。花の軸は伸びていきまた花をつけます。いけ花の稽古にこの花材が来るときは花は終わっていて、枝の周りに何個も茶色の実がついた尖った細い葉はかたいのです。初めてこの花を見たのは、パキスタンのイスラマバードの知人の家の庭にあった4メートルくらいの木でした。その後ピンクの花も見ました。

その見事な咲きっぷりを見上げているうちに私は、3日後にインスタグラムを通じてのデモンストレーションを草月の本部の教室から発信する依頼をされていたことを思い出しました。午前中、花材の予約のため連絡して訪れた馴染みの花屋さんは店を閉めていて使いたい花材はすこしだけでした。午後は近くの花屋さんも見てみようと、この街にあるチーズ屋さんに買い物がてら登ってきたのでした。

その時、2階の窓から顔を出した女性がいました。「このおうちのかた?」思わず大きな声をかけた私に怪訝そうにうなずいたその人に、間髪を入れず私は自身もびっくりするような行動にでました。
「この枝 一本いただけないかしら」
「いいですよ。今降りていくから」
その方は何と鋏をもっておりてきてくださり、花がいくつもついている長い枝を2本えらび、大きな高い枝切までもちだし惜しげもなく見ず知らずの私に切ってくださったのです。

はじめてのインスタグラムを通じてのデモンストレーションは日本ばかりでなく、チュニジア インド アメリカ フィンランド ドイツ イギリス 南アフリカ など予想をはるかに超える国の方達からも反応がありました。こんな時期に花をみて癒されたというツイートが画面上にハート印と共にたくさんわきあがりました。金宝樹をいけながら語りかけた入手のいきさつは面白かったといってくださる方もあり、坂の上の金宝樹は世界の花になりました。

私にとって今年一番印象に残るのはこの花ではないでしょうか。(光加)

今月の季語(6月)青梅雨

caffe kigosai 投稿日:2020年5月21日 作成者: masako2020年5月21日

ちょうど一年前のこのコーナーには〈蛍〉をとりあげました。桜前線のように蛍前線もあると記しながら、来年は蛍狩にすこし遠出してみよう、などと考えていたのでした。

それどころではなくなっちゃいましたね!

明滅の螢の沢を屋敷内       黒田杏子

のような暮らしぶりであれば、居ながらにして蛍を楽しめますが、そうではないほとんどの皆さん! 桜のみならず蛍まで、と口惜しいですが、ここはひとつ別の楽しみを見出そうではありませんか。

自粛が叫ばれた四、五月の間に、ジョギングや散歩を日課に取り入れた方が多いようですが、ついでの季語さがしはいかがでしょう。俳句を作る人と連れ立って歩かないと、「作句」に到るのなかなか難しいです。吟行のときも結構歩きますが、立ち止まったり、うずくまったり、沈思黙考したり……します。運動のために歩く、走るというのとはペースが異なりますから。

そろそろ梅雨に入りますが「季語さがし」だけなら、雨が上がっているのを見計らって、ささっと出れば十分できます。春と真夏のはざまにあって、華々しい花の少ない時期ですが、あたりが暗くなるほど草木が茂りあうのに驚いたり、

万緑の山高らかに告(の)りたまへ   奥坂まや

だんだんに一目散に茂りけり   綾部仁喜

目の敵にしていた蕺菜(どくだみ)が清楚な莟をつけていたり。蕺菜は十薬とも呼んで、花のあるこの時期だけ季語になります。

どくだみのいま花どきの位もつ  山上樹実雄

また、しっとりが好きな動物を見つけたり、

青蛙ぱつちり金の瞼かな       川端茅舎

でで虫の繰り出す肉に後れとる    飯島晴子

三四日ぐづつく雨に百足虫出づ    上村占魚

結構いろいろな出会いがあります。俳句でいう「動物」とは「植物」でないもの、「動く生き物」でしたね。

歩いていると、どこからともなく佳き香が漂ってくることがあります。忍冬(すいかずら/金銀花とも)でしょうか。柚子(ゆず)をはじめ柑橘系も花盛りです。梅雨入りのころには梔子(くちなし)も。

月光の昨夜のしづくの金銀花      橋本榮治

柚の花はいづれの世の香ともわかず   飯田龍太

山窪は蜜柑の花の匂ひ壺        山口誓子

今朝咲きしくちなしの又白きこと    星野立子

高い位置に咲くので見づらいですが、泰山木(たいさんぼく)や朴(ほお)の花も香ります。

泰山木花の玉杯かたむけず       上田五千石

寝不足は気で補えと朴咲きぬ      金子兜太

もちろん紫陽花(あじさい)は梅雨の到来を今か今かと待っています。

今回のタイトルの〈青梅雨〉は〈梅雨〉と同義ですが、青々と満ちゆく生気を喜び、讃える季語かと思います。この世への挨拶と言っては大袈裟でしょうか。挨拶をすれば、挨拶が返ってくるのがこの世のならい。さて、どんな声を聞きとめることができるでしょうか。

青梅雨の深みにはまる思ひかな     石川桂郎

青梅雨を歩きへんろとして発ちぬ    黒田杏子

(正子)

6月ネット句会のお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2020年5月15日 作成者: mitsue2020年5月15日

「ネット句会」は、どなたでも参加自由です。このサイトの「ネット投句」より、5月31日までに3句を投句ください。6月1日中に投句一覧をアップしますので、6月3日までに参加者は3句を選び、投句と同じ方法でお送りください。サイトへ参加者の選もアップいたします。

(朝日カルチャーセンター「ネット投句」について)
今月の朝日カルチャーセンターは休講です。受講予定いただいていた方は20日締め切りの「ネット投句」へ例月通り投句ください。(店長・飛岡光枝)

カフェきごさい「ネット句会」(2020年5月)飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2020年5月5日 作成者: mitsue2020年5月5日


【特選】

18なにごともなかつたやうに花は葉に  良子

花が終わり葉桜の季節がやってくる、この自然のサイクルが今年はことのほか心に響きます。普遍性を持つ立派な一句です。

20ふらここに座り涙を拭く子かな  良子

過不足ないことばの運びで胸に響く句となりました。

24疫病の渦巻く地球わさび摺る  隆子

「山葵」ならではの一句。「摺る」として思いの強さが増しました。

25何処までも行ける切符を夏の雲  勇美

夏の雲の代表が積乱雲、季語では「雲の峰」としてよく登場します。この句も「雲の峰」としてもより決まった句になりますが、少々決まりすぎるかもしれません。「夏の雲」は上々のとりあわせ。「どこまでも行ける切符や夏の雲」。

28結婚記念日夫の菜の花スパゲッテイ  桂

一読、緑と黄色が鮮やかなスパゲッテイが目に浮かびます。美味しかったに違いありません。「夫の」が決め手。

47筍を湯がく大釜湯の拳  桂

筍を美味しく湯がくには家で一番大きな鍋が必要です。「大釜」で湯がいてもらったら筍も冥利につきるというもの。この句の見どころは言うまでもなく「湯の拳」。

【入選】
1卯の花をつまみに越の冷酒かな  祖笠
談林風?冷酒らしくすっきりした一句。

2永き日を手を洗ひまた手を洗ひ  すみえ 
この春を描いた俳句の力を感じさせる一句。「を」が説明。「永き日や手を洗ひまた手を洗ひ」。
 
5散歩道葉も囀りぬカナメモチ  光尾
「カナメモチ」の赤い新葉の鮮やかさを描きました。葉が囀るという感性が新鮮です。

6地球中の換気をせよと春嵐  光尾
「春嵐」に願いを込めて。「の」は不要。「地球中換気をせんと春嵐」。

7天麩羅によき頃合ひや柿若葉  桂
柿若葉のみずみずしさ。

9悲しみを背負ひしままに五月くる  都
「五月」ならではの思い。

14かぎろひて岩肌やさし武甲山  都
雄々しい山の春の姿。

16スクールバス桜吹雪を行きにけり  勇美
「路線バス」「夜行バス」「スクールバス」それぞれ違うのは言うまでもありませんが、この句はスクールバスで成り立ちました。「行きにけり」という力強い言葉は、この春の思いに沿うもの。

23ほんたうは少し年上さくら餅  良子
恋の歌でしょうか。長年の付き合いの女友達同士かもしれません。

26花韮の風の形に咲き乱る  今日子
より情景(姿)がはっきりわかるように言葉遣いご一考を。「花韮は風の形に咲き乱れ」。

29光満つ緑の中の遅桜  和子
「遅桜」の説明の範疇なのが惜しい。「光満ち緑の中の遅桜」など。

31山の湯やどつぷり浸かる花疲れ  守彦
「どつぷり」に作者の様子も心持もよく表現されています。

34春惜しむ我を忘れし姉と居て  弘道
季語がいい。「我を忘れて」という、句とは別の意味の慣用句があるので工夫が必要かもしれません。「吾を忘れし」など。

43未だ寒し子のもぐり込む春炬燵  守彦
上五が説明的にならないようにとの工夫がみられますが、かえって協調されてしまいました。素直に「まだ寒く子のもぐり込む春炬燵」など。

46葉桜やたつた二月まへのこと  雅子
「葉桜」の季節ならではの思いですが、今年はことのほか感じます。

【投句より】
「桜餅食へばいずこの葉かと思ふ」
食へば、思ふなど言葉(特に動詞)が多すぎると句がすっきりしません。「どの山のさくらの匂ひ桜餅 飴山實」ご参考に。「いずこ」→「いづこ」。

「松ひとつたおれてさみし木挽町」
木挽町の松といえば辨松でしょうか。季語を探してみてください。「松ひとつたふれ春行く木挽町」・・・。

「逆さまな虫を返して春惜しむ」
虫をひっくり返しなどしている様子はいかにも春らしいのですが、「逆さまな虫を返している」という構造が句を複雑にしてしまいました。よりシンプルに。

切腹のはやらぬ世なり冷し酒  光枝

【6月のネット句会のお知らせ】
5月31日までに3句を投句ください。6月1日中に投句一覧をアップします。来月はみなさんの選もアップしたいと思います。詳細は6月の投句一覧開示の折にお知らせします。みなさま、どうぞお元気でご健吟を!(店長・飛岡光枝)

「カフェきごさい」ネット句会(2020年5月)

caffe kigosai 投稿日:2020年5月1日 作成者: mitsue2020年5月5日

第1回「カフェきごさい ネット句会」。以下の投句一覧から3句を選んでみてください。(残念ながら(!)ご自分の句以外を選びましょう)。5月5日に店長の選をアップしますので、ご自分の選と照らし合わせてみてください。(店長・飛岡光枝)
(連中:守彦、今日子、弘道、都、すみえ、光尾、隆子、桂、勇美、良子、涼子、雅子、和子、粗笠、光枝)
(投句一覧)
1 卯の花をつまみに越の冷酒かな
2 永き日を手を洗ひまた手を洗ひ
3 桜餅似ているものに八重桜
4 雑草を抜く手躊躇ふ春静か
5 散歩道葉も囀りぬカナメモチ
6 地球中の換気をせよと春嵐
7 天麩羅によき頃合ひや柿若葉
8 拍手して春の灯にすごもりぬ
9 悲しみを背負ひしままに五月くる
10 立ち昇る烏賊焼の香も夏めきぬ
11 「初鰹」  質草になるや今年の古女房
12 あの人の郷は茶所別れ霜
13 烏賊焼のけむりに春を惜しみけり
14 かぎろひて岩肌やさし武甲山
15 さくらんぼう心の距離はちぢめやう
16 スクールバス桜吹雪を行きにけり
17 チューリップ夜盗に踏み荒らされし
18 なにごともなかつたやうに花は葉に
19 ビール飲むその手に花の舞ひ落ちぬ
20 ふらここに座り涙を拭く子かな
21 ふらここも結わへしままでくれの春
22 ブランコを漕ぎて頭を空つぽに
23 ほんたうは少し年上さくら餅
24 疫病の渦巻く地球わさび摺る
25 何処までも行ける切符を夏の雲
26 花韮の風の形に咲き乱る
27 逆さまな虫を返して春惜しむ
28 結婚記念日夫の菜の花スパゲッティ
29 光満つ緑の中の遅桜
30 桜餅食へばいずこの葉かと思ふ
31 山の湯やどつぷり浸かる花疲れ
32 寺町の連子格子や鉄線花
33 手に取れば春蚕ちからを示しける
34 春惜しむ我を忘れし姉と居て
35 松ひとつたおれてさみし木挽町
36 上げ潮や花の枝先すれすれに
37 新緑のヒマラヤ杉は透くと立つ
38 新緑やおのれの中に染みとほる
39 水のべのいちりんの余花浮御堂
40 切腹のはやらぬ世なり冷し酒
41 宙の果て照らす若葉の命かな
42 鉄線にまとひつかれし古屋かな
43 未だ寒し子のもぐり込む春炬燵
44 夕焼や鉄橋真つ赤か小名木川
45 揺れはじめほぐれはじめし牡丹かな
46 葉桜やたつた二月まへのこと
47 筍を湯がく大釜湯の拳

「カフェきごさい」ネット句会 スタートします

caffe kigosai 投稿日:2020年4月30日 作成者: mitsue2020年4月30日

「カフェきごさい」サイト上で、ネット句会をはじめます。どなたでも参加できます。第1回の投句締め切りは4月30日。参加者は4月30日中にサイトの「ネット投句」から3句投句ください。全句を5月1日中にサイトに掲示しますので、個々に選句を試みてください。5月5日までに私の選をアップします。(店長・飛岡光枝)

杜今日子さん 「晴れるや」動画配信のおしらせ

caffe kigosai 投稿日:2020年4月27日 作成者: mitsue2020年4月27日

日本画家・絵本作家の杜今日子さんの作品が動画配信でご覧になれます。カフェきごさいイベント「花仙の会」でいつも鮮やかな墨書を披露してくださる杜さんのパステル・ドローイング作品が、本人セレクトの豊かな音楽に合わせて紹介されます。4月20日から25日まで開催の銀座「うしお画廊」での個展会場が舞台です。原画とはまた違う魅力に引き込まれる動画サイト、ぜひご一覧ください。(店長)【You Tube「杜今日子」で検索ください】

カテゴリー: à la carte (アラカルト), 店長より

カフェネット投句(四月) 飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2020年4月27日 作成者: mitsue2020年4月27日

【特選】
ふらここを思い切り蹴り転校す  弘道

幼いころの体験かもしれません。春の愁いを思い起こさせる一句です。地面を蹴ったので「蹴り」としたのかと思いますが、文字だけで句を解釈するとブランコを蹴飛ばしたことになります。旧かな遣いご注意を。「ふらここを思ひ切り漕ぎ転校す」。

さらばえてあいつも花をみてゐるか  弘道

「あいつも」に作者と「あいつ」の関係を凝縮しました。「花」の一字が印象的。

人の世のはかなき夢を桜漬  隆子

一房の桜漬が白湯にほどける一瞬に見る夢。

【入選】
天を突く欅新芽の晴れ晴れと  和子

まさに晴れ晴れとした一句。どの言葉もいきいきと働いています。

あふれ出すカリヨンの音や花水木  勇美

「あふれ出す」に春の喜びを表現しました。

茎わさび刻みてけふの浄らかに  勇美

厨ごとは生きていく基本です。日々の真摯な願いを山葵に託して。

花ふぶき花のいのちを辻々に  涼子

命を感じさせるのはまさに花ふぶく時かもしれません。「辻々に」が的確、かつ思いが伝わります。

蝶のまふ碗にひとひら桜漬  隆子

少しきれい過ぎますが、春の夢のような世界を描きました。

花筏幼く母と別れし日  弘道

取り合わせの一句、季語の「花筏」がいい。「花筏母と別れし幼き日」。

*投句より
「頭垂れ切腹最中さし出しぬ」
江戸の味に掲載の「切腹最中」にかかんに挑戦されましたが、残念ながら季語がありません。「花ふぶき切腹最中さし出しぬ」では付きすぎでしょうか。ぜひ、いい季語を探して再度挑戦してください。
「天高く子等守れかし鯉幟」
初夏らしく勢いがあり「天高く」という入り方もよいのですが、子供を守るというのでは鯉幟の説明の域を出ていません。もう一歩大きい捉え方をしてみましょう。
「南朝の春はとこしへさくら漬」
「とこしへ」と「さくら漬」に理屈でのつながりを感じさせてしまうのが残念。

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」三月

caffe kigosai 投稿日:2020年4月25日 作成者: mitsue2020年4月25日

朝日カルチャーセンター新宿「カフェきごさい句会」。兼題はサイトより、三月の季語「水温む」、花「花蘇芳」、浪速の味「草餅」です。

【特選】

藤浪に溺れゆきたる羽音かな  勇美

ゆれる藤房、そこから溢れる甘い香りに誘われて虫たちが集まる。よく詠まれる情景ではあるが、「溺れゆきたる」に春のゆったりとした時間の経過が表現され、虫の存在を「羽音」とした言葉の用い方が巧み。

静けさに小舟漂ふ花の雨  勇美

永遠の静けさに包まれた春の一句。

砂浜でありしあの頃春日傘  涼子

砂の感触、波音の面影を追う春日傘。「春日傘」にあるなつかしさが活きている。

伊勢は名も神代餅や草の餅  隆子

草餅らしく勢いのある一句。

【入選】

蘇芳咲いてのどかに古りし宇陀郡  隆子

調べがいい。「蘇芳」が動くか。

花の雨回転木馬けぶらせて  勇美

春の雨に濡れる回転木馬が目に浮かぶ。

コロナ禍の覆ふ国土水温む  和子

様々な季語が考えられるが「水温む」は上々。

蒼き空花の溶けゆく夕べかな  和子

春の夕の空気感が伝わる一句。

草餅やとよはた雲を仰ぎつつ  隆子

草餅を、春を寿ぐ心持。

よそゆきのリボン古びぬ花蘇芳  勇美

華やかだがなつかしさを感じる蘇芳色。「よそゆき」という言葉もなつかしい。

咲きそろふ水仙の里黄金郷  涼子

一斉に開く水仙を黄金郷と讃える。「咲きそろふ水仙ゆるる黄金郷」など。

ほつほつと雨粒開く花蘇芳  光枝

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十五回 2026年2月14日(土)13時30分
    (3月は第一土曜日・7日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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