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今月の花(六月) 山法師

caffe kigosai 投稿日:2023年5月16日 作成者: mitsue2023年5月16日

「あら。きれい!!!」生徒さんが思わず声をあげました。連休の後のはじめてのお稽古で、花材を包んであった古新聞をとるとそれは山法師でした。

山法師は、五、六月になると長さ3~6センチの十字の白い苞を付けた花が多数咲き、その枝と濃い緑の葉とが重そうに重なり、こんなとこにあったのかとその存在をあらためて知らせてくれます。

初夏には真白な苞の花を楽しみ、秋に実る直径1.5センチほどの赤い実は食べることができ、紅葉も美しいため、並木としてまた庭木としても植えられます。

十字に見える4枚の花びらのようなものは苞で、横は細く先はとがっています。中心についているのが小さな花の集合体で、これがやがて一個の丸い実となります。小さなサッカーボールのようだと書いてある本がありましたが、くわの実に似ていて山法師の別名は山ぐわです。

「初めて見ました!」という生徒さんの「なんだかこの花(苞)、手裏剣みたいですね」という言葉に笑ってしまいました。都会の花屋さんで花材として届けられるのはごく稀です。

少し前に咲く、同じミズキ科でミズキ属の花ミズキは山法師と似ていますが、苞の形が丸く、先端が少しへこみ、花が出てから葉が出ます。山法師は苞が目立つ頃には葉がすでに茂っています。よく目にするのは白い苞ですが、花ミズキと同じくピンクの苞もあります。葉は枝に対生なので枝を手に取ると表と裏がはっきりしていて、いけるときは枝の方向が決めやすいのです。

大好きな山法師を私も家に持って帰りました。十分観賞した後、花器から引き上げようとすると 苞が柄を付けたままいくつかポロリと落ちました。風が吹いていたらどんな飛び方をするのだろうか、手裏剣ほどくるくると鋭くは飛ばないけれど、先がとがった苞の形はそんな命名もありかもしれません。名前の由来のひとつには比叡山の法師がかぶっていた白い頭巾にちなんだ、というものがあります。

その名前からすると黙して動かずといったイメージを与える山法師ですが、季節が到来すると目に涼し気な苞をかざしてにぎやかににおしゃべりを始める木なのです。(光加)

今月の季語(6月)六月

caffe kigosai 投稿日:2023年5月16日 作成者: masako2023年5月16日

今年の三月には、三月と如月、弥生について記しました。今月は六月と皐月、水無月について押さえましょう。

〈六月〉はカレンダー通りに六月のことです。旧暦五月の異称〈皐月(さつき)〉がほぼ六月にあたります。

笠島はいづこさ月のぬかり道         芭蕉

山越えて笛借りにくる早苗月         能村登四郎

芭蕉の句は『おくのほそ道』所収。「このあたりで無念の死を遂げたという実方中将の墓はどこだろう」というもの。道がぬかっていたのは〈さみだれ〉のせいでしょう。二句目の、笛を借りにというのは〈早苗饗(さなぶり)〉の供応に使うためでしょうか。

五月にも「さつき」の読みはありますが、六月を指すときに使用するとかなりややこしいことになります。皐月を当てるか、いっそ早苗月が私には好ましく思われます。

六月の女すわれる荒筵               石田波郷

六月の万年筆のにほひかな           千葉皓史

「焼け跡情景。一戸を構えた人の屋内である。壁も天井もない。片隅に、空缶に活けた沢瀉がわずかに女を飾っていた」と波郷が自解しています。放心状態でへたりこんでいる様子が読み取れます。万年筆のインクの匂いも湿気の多寡で変わりそうです。降り続く雨にインクが匂い立ち、それを好ましく思う作者なのではないでしょうか。

旧暦六月の〈水無月〉は文字通り水の無い月、つまり梅雨明け後を指します。今の暦であれば、七月を思えばよいでしょう。

水無月の逆白波を祓ふなり           綾部仁喜

みなづきの酢の香ながるゝ厨かな     飴山 實

水無月には川開きや海開きがあります。逆白波を祓うのは、この夏の平穏を祈るためでしょうか。口当たりのよい酢の物が欲しくなり始めるのもこのころかもしれません。あるいは食べ物の傷みを防ぐために利用する酢と捉えてもよさそうです。作者は醸造学の研究者でもありました。

六月は二十四節気では〈芒種(ぼうしゅ)〉と〈夏至〉にあたります。芒(のぎ)はイネ科の植物の種の外殻にある針のような突起のこと。今年の芒種は六月六日、夏至は二十一日です。

芒種はや人の肌さす山の草           鷹羽狩行

大灘を前に芒種の雨しとど           宇多喜代子

一句目は、芒(のぎ)→棘→刺すの連想でしょう。若草が青草となり、茂りを成してゆく時期です。灘は流れが速くて航海が困難な海のこと。そこへ太い雨脚が刺さり続けているのでしょうか。なかなか厳しい景です。

夏至の日の手足明るく目覚めけり     岡本 眸

地下鉄にかすかな峠ありて夏至              正木ゆう子

どちらも「違い」に気付いた句ですが、眸の句は健やか、ゆう子の句は少し病んだ匂いがします。

さて、今年の六月をどの角度から楽しむことにしましょうか。(正子)

杜今日子さん新刊『0.1.2えほん はんぶんこ』

caffe kigosai 投稿日:2023年5月8日 作成者: mitsue2023年5月8日

イベント「カフェきごさい・花仙の会」で華麗な書を披露してくださる日本画家、杜今日子さんの新刊絵本『0.1.2えほん はんぶんこ』(福音館書店・900円+税)が刊行されました。

この作品は、2020年に月刊絵本「こどものとも0.1.2」10月号として子供たちの手に渡りました。すると多くの反響が寄せられ、新たに単行本として刊行された絵本です。

美味しそうなドーナッツややきいもが、次のページでは「はんぶんこ」の声とともに・・・。自然な色合いの絵とシンプルなことばで構成された絵本は、読むものをやさしい気持ちにさせてくれる一冊です。お子さんやお孫さんとぜひご一緒にどうぞ。(店長)

第2回「カフェきごさいズーム句会」のお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2023年5月1日 作成者: mitsue2023年5月3日

4月8日にスタートした「カフェきごさいズーム句会」。パソコン機能を使った句会は、日本(世界)各地から参加可能です。第二回句会は5月13日(土)午後1時30分から開かれます。入会後、希望者にはズーム及びズーム句会のレクチャーを行いますので、お気軽にご参加ください。不明点などは、メニューの「お問い合せ」欄からどうぞ。みなさまのご参加をお待ちしています。(店長・飛岡光枝)

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」(三月)

caffe kigosai 投稿日:2023年4月30日 作成者: mitsue2023年4月30日

新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより三月の季語「三月」、花「ミモザ」、江戸の味「蛤汁」です。

【特選】
犬ふぐりガイドひとりに客ひとり  勇美

街歩きのツアーでしょうか、公園などのガイドツアーかもしれません。一対一だとガイドさんもお客さんも最初は少々照れ臭いものですが、慣れてくると和気あいあいと楽しいひと時になったに違いありません。それは「犬ふぐり」が教えてくれます。言葉を信頼したことで省略が効いた一句となりました。

春休み声変りして隣の子  さゆり

私の経験ですと、夏休み明けに声変わりした同級生に驚いたような記憶があります。夏休みではありきたりですが、春の一字が効いています。原句は「春休み声変りせし隣の子」。

花万朶四谷の鐘に揺れにけり  勇美

今にも零れんばかりの花を揺らす鐘の音。四谷が微妙に味を出しています。

象牙の歯覗くほほゑみ雛かな  勇美

精巧にできている立派なお雛様。年代もそうとう経っていることでしょう。「ほほゑみ」に代々の持ち主であった女性の魂が感じられる雛ならではの迫力ある句。原句は「象牙の歯のぞくほほゑみ姫の雛」。「姫の」とまで言わなくても伝わることを推敲で感じとりましょう。

【入選】
春光や脚美しきフラミンゴ  さゆり

中七下五はあたりまえのことですが、季語「春光」で大きな句になりました。

復活祭パリの香りの砂糖菓子  勇美

「パリの香り」とは、実はよくわからないのですが、この句の中にあると納得できるから不思議です。

蛤や沸き立つ鍋に往生す  和子

鍋で蛤を煮ているだけですが、大げさな言い回しで愉快な句になりました(蛤には気の毒ですが)。
言葉に無駄がない、蛤の存在感を捉えたしっかりした一句です。原句は「蛤の沸き立つ鍋に往生す」。このままでもOK。

何となくそつと髪撫で雛納  さゆり

年に一度だけ出して飾りすぐに仕舞う雛人形は、考えてみればかなり独特な人形です。そんな雛人形を慈しむ作者の気持ちが表れた一句ですが、「何となく」は残念。「指先でそつと髪撫で雛納」など一考を。

名も知れぬ草草青み朝日さす  和子

芽生えた草が大地を緑に染めていく春。そこに朝の日が射す束の間の感動を言い留めました。

花満ちて月太りゆく別れかな  光枝

浪速の味 江戸の味(五月) 鯉の洗い【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2023年4月21日 作成者: mitsue2023年4月21日

初夏の風に吹かれる鯉幟は、いつ見ても心躍る情景です。急流を登る鯉の生命力にあやかり出世を祈念してあげる鯉幟。そんな見た目の良さだけでなく、鯉は食べても栄養満点な食材です。

昔は産後の女性が食すと乳の出がよくなると信じられ、眼病や胃腸病にもよく効く薬用魚として知られていました。鯉は鰻と並ぶ人気の食材で、川や堀の多い江戸では鯉釣りに挑む人も少なくなかったそうです。

江戸の下町本所には「本所七不思議」と呼ばれる話が残っています。そのひとつ「置行掘(おいてけぼり)」は、釣人が帰ろうとすると水の中から「置いてけ~」という声がして、逃げ帰るといっぱいだった魚籠が空になっているという怪談で、鯉釣りが題材になっているとのこと。

鯉の夏の料理といえば、なんといっても「洗い」。夏に演じられる落語「青菜」には鯉の洗いが登場します。仕事先のご隠居に鯉の洗いをご馳走になった植木屋が「口の中が涼しくなりやすね」と言うセリフが印象的で、一緒に勧められる冷えた柳蔭(みりんと焼酎のブレンド)と共になんとも涼し気です。

洗いは、新鮮な刺身を冷水につけて洗ったもの。脂肪や川魚特有の癖がとれあっさりした食感になります。氷水で引き締めた鯉の洗いが氷片に盛られた様子は、身の薄紅色と相まって清々しい一品です。

現在の東京では鯉を食べる機会は減りましたが、帝釈天で知られる柴又の傍を流れる江戸川や隅田川沿いには鯉を出す料理屋があります。そんなひとつ、隅田川の両国橋のたもとの川魚料理屋で鯉の洗いを頂きました。店を出たのは、そろそろ日も傾く頃。一合の冷酒に火照った頬を川風が撫でていきました。

川浪に日の落ちゆくや洗鯉  光枝

今月の花(五月) 黒花蝋梅

caffe kigosai 投稿日:2023年4月19日 作成者: mitsue2023年4月19日

蝋梅科の植物はさほど多くはなく、その中で見かけることが多いのは年末から咲き始める黄色いコロンとした蕾を持つ蝋梅でしょう。葉の出る前にぽつぽつと付く蕾が開き始めると、その甘い香りにもうすぐ春が来ると実感するのです。

私にとって楽しみなのは季節もすすみ、そろそろ花木も終わりそうな頃に現れる蝋梅科の黒蝋梅です。

同じ蝋梅科でも属がちがい、黄色の花が咲くのはロウバイ属、チョコレート色の花をつける黒蝋梅はクロロウバイ属です。アメリカ蝋梅ともいい北アメリカが原産地。日本に入ってきたのは明治時代だそうで、庭木などに植えられました。花のまわりに小さな葉をつけ、枝はわずかな曲線を描く黒蝋梅をはじめて見た時、蝋梅と近縁とは思いませんでした。

花の形と色が楽しめるのは新緑から梅雨に向かっていく頃です。花店で見かけることはあまりありません。お稽古の花材としてめずらしいのは、この木は高さもなく、主に庭木として植えられているということでしょうか。 

たまたま手にすることがあると、どんな花にも相性のよい雰囲気を持つこの花にいろいろと違った花材を合わせてみたくなります。何本も使っていけるのもよし、アクセントに登場させるもよし、と時間を忘れてしまいます。

学名はCalycanthus fertilis といい、主に実に毒があります。Calycanthus という言葉から推測されるかもしれませんが、カリカンチンという物質が葉や枝にあり、実は特に気を付けなければなりません。やはりきれいな花を咲かせるものはこうして自分の身を守るのだ、という事実を思い起こさせます。

毒があってもやはり魅かれるこの花、年に一回もいけられないこともあるので、入手した時はいつにもまして心を込めていけあげ、あとは必ず手を洗ってこの季節ならではの花を楽しみます。

都会のマンション暮らしでは鉢に植えても育つかどうか、まして庭に植える楽しみは望めません。「先生用」とマジックで書かれた古新聞に包まれた数本の黒蝋梅は、そのことを知っている花屋さんのうれしいプレゼント。感謝しながらあれこれと棚から花器を引き出しては何にいけるか決めかね、豊かな時が過ぎていくのです。(光加)

今月の季語(5月)牡丹と芍薬

caffe kigosai 投稿日:2023年4月18日 作成者: masako2023年4月18日

牡丹

芍薬

「立てば芍薬、坐れば牡丹、歩く姿は百合の花」は、古来美人の形容に使われるフレーズですが、百合はさておき、芍薬と牡丹を見分けることができますか?

どちらもボタン科の植物で、牡丹は花の王、芍薬は花の宰相と呼ばれます。品種も多く、花だけを見て区別するのはなかなか難しいです。

芍薬を牡丹と思ひ誤りぬ                    寺田寅彦〈夏〉

寺田寅彦は、物理学者にして洒脱なエッセイでも知られ、俳句にも一家言あったお方。その先生がかような句を作っておられました。ちょっと安心? 私は専門家ではないので、アヤシイことも書きそうですが、たぶん見分けられてい(ると思ってい)ます。私なりの見分け方を先人の俳句とともにお届けしましょう。

まず、牡丹は木、芍薬は草です。

かたまりて芍薬の芽のほぐれそむ    五十嵐播水〈春〉

芍薬は草ですから冬には地上から消えて無くなります。が、多年草ですから、季節が巡ってくると土中から芽を出します。芍薬の芽は土から現れ出るのです。

ほむらとも我心とも牡丹の芽            高浜虚子〈春〉

対して、虚子が見つめている牡丹の芽は、枝先に噴き出した真っ赤な芽です。落葉して冬の間は「枯木」ですが、地上には確と存在しますし、年々枝を張って大きくなってもいきます。

音もなくあふれて牡丹焚火かな       黒田杏子〈冬〉

毎年十一月に須賀川の牡丹園で行われる牡丹供養の句です。木であるからこその、炎の供養です。

次に、咲く時期ですが、関東圏に住む者の感覚であるとお断りしたうえで申しますと、牡丹はGWには散ってしまいます。芍薬はもう少し後。五月半ば過ぎに莟を愛でたこともあります。

母の日の更に芍薬ひらきけり         百合山羽公

芍薬のつんと咲けり禅宗寺           一茶

数行前に「莟」と書きましたが、芍薬はつんとした「莟」、対して牡丹はどっしりと丸い「蕾」というのが私の感覚です(品種が非常に多く、当てはまらないことも)。一茶の「つんと」に力を得た思いですが。

左右より芍薬伏しぬ雨の径           松本たかし

先端に花を付けた芍薬の茎は健やかな緑色、牡丹は花を支えている新しい茎は緑色ですが、本体は木ですから、途中までは木質の色をしています。たかしの句の、左右より伏して芍薬が見せているうなじは、美しい翡翠の色をしていることでしょう。

慣れてくると葉の形が明らかに違うことにも気づきます。葉といえば、牡丹にそっくりな葉をした草があります。

鯛釣草たのしき影を吊り下げて   山田みづえ〈春〉

ある年、東京・上野の牡丹園で、隣り合って咲く牡丹と鯛釣草(華鬘草)の、花の形がこれほど違う(鯛釣草はケシ科の多年草)のに葉がそっくりなことに驚いたことがあります。

専門家がご覧になったら噴飯ものの見分け方に違いありませんが、こんな感じに気ままに楽しんでいます。今年は牡丹王、芍薬宰相の花期も早まりそうですが、艶姿を見逃さぬよう。

芍薬の後ろ姿が気に入らぬ                鳴戸奈菜

この世から三尺浮ける牡丹かな            小林貴子

ぼうたんの百のゆるるは湯のやうに        森 澄雄   (正子)

 

第一回 カフェきごさいズーム句会

caffe kigosai 投稿日:2023年4月11日 作成者: mitsue2023年4月12日

2023年(令和五年)4月8日

飛岡光枝選
第一句座              

【特選】
がうがうと落花吸ひ込むマンホール    藤倉桂
水の音クレソン白き花つけて       斉藤真知子
花あられ貰うて帰る彼岸寺        矢野京子
鶯や鳴き損なひも晴れ晴れと       藤倉桂

【入選】 
青き踏むここも地球の真ん中ぞ      伊藤涼子
八ヶ嶺に押し寄せるごと梨の花      早川光尾
山独活のほろ苦きそを天麩羅に      前﨑都
桜餅よく喋る孫娘かな          赤塚さゆり
朧夜の入江に眠る真珠かな        鈴木勇美
寅さんも歩きし土手や春の雲       上田雅子
転がりし石にも春の深みゆく       斉藤真知子
オオタニの放物線や春来る        早川光尾
句座ひとつここに立ちたる桜かな     矢野京子
折らぬやう手の力抜き独活を掘る     前﨑都
いかなごを炊くや大鍋揺らしつつ     斉藤真知子
田起こしやゐもり慌てて腹を見せ     早川光尾
パンジーや思ひ思ひの昼休        赤塚さゆり

第二句座(席題、春ショール、囀り)

【特選】
退院の母へかけやる春ショール       前﨑都
春ショールたたむや花をこぼしつつ     斉藤真知子

【入選】
草叢より軒端にうつり囀れる        伊藤涼子
朝まだき恋の囀り始まりぬ         上田雅子
ベランダに何鳥か来て囀れり        上田雅子
湘南の風にあそばせ春ショール       鈴木勇美
囀りのあふれて障子開けにけり       伊藤涼子
さへずりを聞いてをるらし赤ん坊      矢野京子
白髪にピンク鮮やか春ショール       上田雅子

浪速の味 江戸の味 4月【桜菓子】浪速

caffe kigosai 投稿日:2023年3月26日 作成者: youko2023年3月28日

桜の満開情報が届く季節になりました。コロナ禍のため、集まっての花見を控えていた人々も、今年は久しぶりに家族や友人と花見を楽しまれることでしょう。

毎年、吉野山で花の句会を行っていたのですが、ここ三年は中止になっていました。今年は四年ぶりに吉野山で花の句会を開催します。花時の吉野山は押すな押すなの賑わいです。さらに今年は久しぶりに吉野山へ花見に出かける人が多いので、四月上旬の吉野山の人出はいかばかりかと思います。

吉野山は、奈良県中央部にある標高455メートルの山で、吉野山・高野山から熊野にかけての霊場と参詣道が世界遺産に登録されました。吉野山は、金峯山寺の門前町として開け、花時には多くの観光客が訪れます。

一目千本と呼ばれ、下千本・中千本・上千本・奥千本と咲き上る山桜は見事でまさに全山花盛りになります。昔から歌や俳句に花の吉野は詠まれてきました。現在も貞室と同じ感慨を持つ人々で賑わいます。

これはへとばかり花の吉野山   貞室

みよし野は右往左往の花見かな  貞室

吉野山のみやげとして有名な吉野葛。美しい葛の花は秋の七草の一つでもあります。多年草で、晩秋に枯れますが、根っこは次の春に備え養分を蓄えます。そうして大きくなった葛の根っこが店先に飾ってあるのをみると野趣に富んでいます。

吉野葛作りは、雑菌の繁殖などが無く、品質のよい葛粉作りに適した冬の冷え込みが厳しい時期に行われます。山中から掘り出した葛の根を砕き、地下水を張った桶で攪拌します。褐色の葛が真っ白になるまで何度も水を替えて洗います。

その後、適当な大きさに割り、二か月自然乾燥し、純白の吉野本葛になります。

老舗の和菓子店では桜の花の木型を使って作った桜の葛干菓子が店頭に並んでいます。桜の蕾、葉などの型抜きもあり、菓子箱に吉野の花見の思い出が詰まっています。

久しぶりに一目千本の花を愛で、桜の葛干菓子を食べて吉野の花見を楽しみたいと思います。

み吉野の花や蕾や桜菓子   洋子

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十五回 2026年2月14日(土)13時30分
    (3月は第一土曜日・7日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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