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浪速の味 江戸の味 8月【半助豆腐】(浪速)

caffe kigosai 投稿日:2023年7月21日 作成者: youko2023年7月22日

夏の土用の丑の日には、身体をいたわり精の付く鰻を食べます。鰻の蒲焼の関東風は、背開きにして、白焼き、蒸す、竹串を使い、頭を落としてから焼くのが特徴ですが、関西風は、腹開きにして、蒸さず、金串を使い、頭を付けたまま焼き、最後に頭を落とします。甘辛いタレが鰻の蒲焼によく合い、鰻重、鰻丼にすると食が進みます。そうそう贅沢もできませんが、始末の精神を感じる料理を紹介します。

鰻の蒲焼の落とした頭を使い、焼き豆腐と炊き合わせにしたのが「半助豆腐」です。タレがしみ込んだ香ばしい鰻の頭を最後に加えることで、焼き豆腐の炊いたんの風味がぐんと増します。鰻の頭を「半助」と呼んでいます。その昔、一円を「円助」と呼び、鰻の頭ひと山がその半分の五十銭で売られていたからとか、いくつか説があるようです。

上方落語の「遊山船」にも「半助」が登場します。庶民の代表の喜六、清八(東京では熊さん、八っつぁん)が、行水を済ませて、難波橋の方へ夕涼みにやってまいります。橋の上は行き交う人で賑わっています。橋の下もなにやら賑やかです。見ると、大きな屋形船が大川へ出て行きます。夕涼みの船です。船には客と一緒に芸妓、舞妓、幇間が乗っており、板場、中居もいます。船上で美味しいものを食べつつ、お座敷遊びを楽しもうというなんとも贅沢な夕涼みです。

橋の上から船の様子を見て、出てくる料理をちゃかしていた二人ですが、黒っぽい四角くて長いものが皿にのせられて出てくると、あれは何やと喜六が清八に尋ねます。「鰻」だと聞いた喜六が「うちの鰻と形が違う。」「うちのんは、こんな丸いころっとしたんや。」と言い出します。清八が「お前の言うてんのは、半助言う鰻の頭や。あれは鰻の胴や。」と教えてやります。喜六は「鰻の胴は食べたことない。」てなことで、鰻の頭「半助」は、庶民にとって身近な食材だったようです。

暑気払ひ半助豆腐ありまつせ   洋子

 

今月の花(八月) 松虫草

caffe kigosai 投稿日:2023年7月19日 作成者: mitsue2023年7月19日

高原の滞在もあと少しとなるころ、母と私は地元の知人の案内でお花畑を見に行きました。

子供だった私はお花畑というのは都会の公園の花壇のイメージしかなく、きっとたくさんの花がかたまって一か所ににぎやかに咲いているのだろう、と期待をして歩き始めました。

道はすこし登り坂となり心地よい風が抜けていく頃、草むらの中に、細い茎の頭に薄紫の小さな花びらを中心からぐるりと付けた花がゆれているのを見つけました。直径5センチくらいだったでしょうか。

「あ、松虫草!ここにも!」気が付けば花は草むらのあちこちに咲いていたのです。お花畑のひとつを形作っていました。耳を澄ませばかすかに虫の声も聞こえてきました。

これが松虫草!と私はその名前が不思議でした。愛らしい清楚なたたずまいは昆虫の松虫とにわかに結びつきませんでした。知人は「松虫の鳴き出す頃に咲くからと聞いたことがありますよ」と教えてくれました。

「松虫といえば、あなたの小学校の入学願書をとりに行ったとき、教室から(あれ、松虫が鳴いている、チンチロチンチロチンチロリン)と一年生の女の子たちが先生のピアノ伴奏で一生懸命歌っているのが聞こえてきたの。たしか秋のはじめだったわ。私、何故かはわからないけれど いい学校だなあ、と思ったの」と母が言うのです。季節に合った歌を歌っていることだけが学校を選ぶ理由とは思いませんが、次の年私はその学校の一年生になりました。

日本に自生している松虫草はScabiosa japonicaです。同じ属名scabiosaを持つ植物は西洋松虫草(Scabiosa atropurpurea)やコーカサス松虫草(Scabiosa caucasica)など外国原産のものです。西洋松虫草は中央部が丸く高くなり、コーカサス松虫草は比較すると中央は平たく花は大きめです。園芸種として色も形も多数あり、どの種類もスカビオ―サと呼ばれ花店では一年中見かけます。

花の終わった状態がどこか丸い宇宙船を思わせる形になって売られているものもあります。ステルンクーゲルという名前は、ドイツ語では星の球体という意味だそうで、不思議な形はこれもスカビオサ?と思いますが、花が咲いている時に見ると確かにスカビオサです。

紫や白のほかピンクや赤や黄色、臙脂色、紺に近い青色のもの、細かい花びらの集まった手毬のような丸いもの、灼熱の都会の中で入った花屋さんの涼しいストッカーの中に、華やかなスカビオサを見つけることがあります。色や形は異なりますが、いずれもScabiosaの属名を冠する花たち。見ていると、あの薄紫の可憐な松虫草とチンチロリンという松虫の音がどこか遠いところから聞こえて来そうな気がしてくるのです。(光加)

今月の季語(八月) 秋の雲

caffe kigosai 投稿日:2023年7月17日 作成者: masako2023年7月19日

立秋を過ぎても暑さはおさまりませんが、空の色と雲の形がどことなく変わってきます。秋は風の音からと詠んだ古人もいますが、雲の様相から、といってもよい気がしています。

まず雲のキャンパスである空の句から読んでいきましょう。

秋空や高きは深き水の色             松根東洋城

秋空へ大きな硝子窓一つ                            星野立子

東洋城の空は深みがあって透き通った色です。空と線対象になった深い水まで見えてきそうです。立子の句は、外からの視線であれば、硝子窓に空が映っているでしょう。内からであれば、きれいに磨かれた硝子窓が切り取る空です。どちらの視線も、澄んで明るい空を捉えています。現実の秋の空は、晴れることもあれば雨雲に覆われていることもありますが、季語の「秋の空」はいつも爽やかに晴れ渡っています。

上行くと下くる雲や秋の天                       凡兆

秋空や展覧会のやうに雲                           本井 英

この二句には雲が登場しますが、主役はやはり空です。雲が上と下ですれ違えるほど高い空です。また、展覧会の絵のように、雲をいくつも展示できる広い空なのです。高く広く澄んだ空に浮いたり、漂ったりするのが「秋の雲」です。

ねばりなき空にはしるや秋の雲               丈草

噴煙はゆるく秋雲すみやかに                   橋本鶏二

台風一過の空を寝不足の目で見上げた朝、丈草の句を思い出したことがあります。鶏二の句は、同じような白さで空にあっても、動きが違うといっているのでしょう。

秋の雲立志伝みな家を捨つ                                   上田五千石

前の二句とは質感も情感も異なりますが、志を胸に身一つで、と考えますと、これもまた軽やか。「蟾蜍長子家去る由もなし 中村草田男」と合わせて読むと「家」の重さを実感します。

「秋の雲」は総称ですから、何雲を指してもよいはずですが、鰯の群れのようであれば「鰯雲」、鯖の背の模様のようであれば「鯖雲」、羊の群れのようであれば「羊雲」とその名を呼ぶでしょう。

鰯雲人に告ぐべきことならず                               加藤楸邨

妻がゐて子がゐて孤独いわし雲                           安住 敦

鰯雲甕担がれてうごき出す                                   石田波郷

楸邨も敦も暗い目をして雲に対しているのでしょうか。波郷の「甕」は野辺送りの甕でしょう。それに対して、

鰯雲鰯いよいよ旬に入る                                       鈴木真砂女

ああそうか昼食(ひる)は食べたのだ鰯雲       金原まさ子

こちらのあっけらかんとした生活感はどうでしょう。

鯖雲に入り船を待つ女衆                                       石川桂郎

鯖の背の斑紋を連想させる鯖雲が出現するのは、秋鯖の漁期と重なるのだとか。この句はまさにその景を示しています。

牧神の午後はまどろむ羊雲                                   高澤晶子

羊の群れのようだと空を仰ぎ、きっと良い天気なのでしょう、牧神のいねむりを想像しています。秋の空は広く、雲は軽やか。現実から空想まで、いろいろに詠み分けてみませんか。(正子)

 

第四回 カフェきごさいズーム句会報告

caffe kigosai 投稿日:2023年7月14日 作成者: mitsue2023年7月14日

ズームで行う「カフェきごさいズーム句会」今月の報告です。

第四回 2023年7月8日(土)

飛岡光枝選
≪第一句座≫ 当季雑詠

【特選】
笑はせて笑はせられてさくらんぼ     真樹子
抜けし我が羽根とも知らず踏みゆけり   真知子
誰待つとにあらねど風の竹床几      美津子

【入選】
ほととぎす止むを待つてのティーショット 光尾
夜濯や夜も明るき街に住み        都
艶やかな茄子を主役に夏料理       雅子
病む夫と歩幅合はせて茅の輪かな     桂
田の神が渡つて行くや青葉風       桂
目標の日に八千歩雲の峰         京子
朝一番生死確かむカブト虫        都
茅の輪くぐる少し変身したやうな     都
白蓮の夜明けの空に月残る        美津子
遠雷や眠りの淵をうろうろと       美津子

≪第二句座≫ 席題;甘酒・七夕

【特選】
暗く深き室にふつふつ一夜酒       美津子
七夕竹叶はぬ願ひずつしりと       雅子
  
【入選】
七夕はつれなき雨に流れゆく       和子
短冊に書くは体のことばかり       光尾
甘酒を啜り一息山の小屋         和子
世界中の星に願はん平和の世       雅子
一匙に母の笑顔や一夜酒         桂
我熱く夫は冷たく一夜酒         雅子
軒下に覗く七夕飾りかな         和子

  

浪速の味 江戸の味(七月) かき氷【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2023年6月28日 作成者: mitsue2023年6月28日

蒸し暑い日本の夏を彩る「かき氷」。近年は様々なトッピングのかき氷も登場し、
幼い頃食べていたシンプルなかき氷とは別物の感があります。

平安時代の『枕草子』にかき氷が登場することはよく知られています。清少納言が「あてなるもの(上品なもの)」として「削り氷に甘葛(あまずら)入れて、あたらしき鋺(かなまり)に入れたる」と書いた当時の氷は氷室で保存した天然氷でした。

夏の氷が貴重だった時代は長く続き、江戸時代末には船で北国の氷が大量に運ばれるようになりましたが、それでも庶民の身近になったのは明治時代になってからです。

明治維新でいち早く開港した神奈川県の横浜は、様々な「日本初」が誕生した土地です。日本初のかき氷店も明治2年に横浜で生まれました。その後東京でも明治後半には、夏はかき氷、他の季節は焼芋、汁粉などを出す店が増えていきました。

遠い昔の氷室の時代から明治初期までは天然氷しかありませんでしたが、その後製氷技術の発展により氷は各家庭でも利用できる時代がきました。

何でも簡単に手に入るようになった時代の反動か、ここ十年くらい前から「天然氷」を売り物にしたかき氷店が急速に増えました。東京近郊では日光や秩父の天然氷がよく知られており、写真のかき氷は八ヶ岳の天然氷を使っています。

天然氷のかき氷はふんわりした食感です。冬の間、何週間もかけてゆっくり凍らせた天然氷だと思うと、心なしか上品な風味を感じます。鉋で削り、シンプルな蜜をかけ、銀の器で供す、そんな枕草子風(!)の削り氷を出す店がそろそろ出てくるかもしれません。

水平線に大きな夕日かき氷  光枝

今月の花(七月)ブルーベリーの実

caffe kigosai 投稿日:2023年6月20日 作成者: mitsue2023年6月20日

「やっぱりブルーベリーパイにするわ」という親友に思わず「私も!」とウエイターを振り返りました。久しぶりの東京の老舗ホテルのカフェ。ブルーベリーパイはこの店の名物です。

パイの表面の交差したパイ生地の下に見える濃い紫のブルーベリーのフィリングは約半世紀前の開店時から同じレシピで作られているそうで、すこしシナモンが入り酸味とのバランスもよく、甘すぎないところが私たちのお気に入りです。

子供の頃はそんなパイがあるとは全く知らず、ましてやブルーベリーが何なのかもわかりませんでした。いけばなを初めた当時も花材として登場することはなく、ここ数年いけられるようになりました。

今でも都会ではスーパーに売っている実は別として、花屋さんで鉢植えで売っているものを見かけるくらいでしょう。一方長野県をはじめ、ブルーベリーを作っている農家は各地にあり、いちごやリンゴ、ブドウなどとならびブルーベリー狩りを売り物にしている生産農家もあります。

ブルーベリーはツツジ科です。枝に鋏を入れようとすると思ったより硬く、濃い茶色のつつじの枝も切る時は一瞬抵抗されるような感触が手に残り、まさしくブルーベリーはツツジ科だということが納得できます。先が少しとがった葉は紅葉します。たくさん種類がありますが、食用は主に三種類です。

「これは何ですか?」先日のお稽古での初心者からの質問は、新緑が、花屋さんの言葉では少し(固まってきた)、つまりしっかりしてきた状態の葉のついたブルーベリーの枝を前にした時でした。

5~6ミリほどの艶なしの薄緑の実は、多いところは二十個ほどが先端の葉の下についていました。「目にいいというブルーベリーは知っているけれど、枝についているのを見たのは初めて」だそうで「この枝をこのまま陽に当てておくと食べられるような濃い紫に熟すのかしら」と彼女はしばし見入っていました。それは無理かもしれませんが 挿し木で根付くことは多いようです。

「せっかくだから実を目立たせるために葉をすこし取ってみたら」と私はいけかたをアドバイスしました。

早くもこの季節に小さな実をつける植物は、秋の実とはまた違いこれから先の自然の中の日々を想像させる楽しみがあるような気がします。太陽の光をため込みつつ豊かに成長していきやがて濃い紫の実のなる時を待つことにしましょう。(光加)

今月の季語(七月) 夕立

caffe kigosai 投稿日:2023年6月17日 作成者: masako2023年6月20日

〈七月〉は水の無い月であるはずなのに、昨今は水の印象が強くなっています。梅雨が長引いたり、早々に台風が来てしまったり、頻繁にゲリラ豪雨に襲われたりするからかもしれません。昼間は晴れて暑く、午後雲行きがあやしくなり、一雨のあとはすかっと涼しく、という昔ながらの夏の一日を懐かしみつつ、今月は「夕立」の句をたっぷり読んでみましょう。

祖母山も傾山も夕立(ゆだち)かな                     山口青邨

まずはこの句から。祖母山は大分、熊本、宮崎の三県にまたがる山です。傾山はその前山、大分と宮崎の県境にある祖母山系の山です。青邨はこの句の自註に「そぼさん」「かたむくさん」とルビを振っていますが、一般に傾山は「かたむきやま」「かたむきさん」と呼ぶようです。

昭和八(1933)年、仕事で鉱山を訪ねた帰り、道が悪いので馬のほうが楽だといわれ、「杣人についてもらってぱかぱかと歩いた」のだそうです。

「そのうちに山の方は空模様が変って夕立雲が祖母山をおおいかくした。見るまに傾山も見えなくなった。雲は真黒く、雨脚が見えて夕立が烈しく降っているようであった。この光景は雄壮であった。」

馬上で何度も振り返りながら眺めていた青邨でしたが、あっという間に雨に追いつかれてしまったとのこと。

さつきから夕立の端にゐるらしき                      飯島晴子

夕立は一塊の生き物のようです。このとき晴子の頭上は半分青かったかもしれません。照ったり降ったりする中を歩きながら、「端」にいるのかも、と思ったのでしょう。

法隆寺白雨やみたる雫かな                                      飴山 實

白雨は夕立のこと。視界が白く閉ざされるほどの雨です。法隆寺で激しい降りに見舞われた作者は、堂塔のどこかで過ぎ去るのを待っていたのでしょう。案の定ひとしきり降ったあと、すっきりと雨が上がり、庇から落ち続ける雫には、日が差してきているようにも感じます。

薬師仏白雨はゆめのごと過ぎし                        鍵和田秞子

「平泉 七句」と前書があります。となれば「ゆめ」とは〈夏草や兵どもが夢の跡 芭蕉〉の夢を受けているでしょう。白雨は鬨の声のように激しく、束の間に過ぎたのかもしれません。七句の内にはもう一句〈白雨去り日の一すぢを光堂〉と白雨の句があります。

東京を丸ごとたたく夕立かな                                     渡辺誠一郎

前の句は、東京の人が詠んだみちのくの句ですが、こちらはみちのくの人が詠んだ東京の句です。上京の折に見舞われたのでしょう。高層ビルの間にまっすぐに立つ白い雨脚、舗装され尽くした地を打つ音、――みちのくの夕立とは異なるものであったに違いありません。

夜を叩いてスコールの通りけり                         倉田紘文

すみずみを叩きて湖の驟雨かな                       綾部仁喜

〈スコール〉〈驟雨〉は夕立の傍題です。スコールは熱帯地方の驟雨のことですが、今や降れば必ずスコール状態の日本です。驟雨はすでに元禄(江戸時代)のころには用例の見られる語ですが、どちらの句も極めて現代的な景に思えて来るのは、音の響きによるでしょうか。

夕立は傍題の多い、つまりそれだけ暮らしになじんだ季語です。表記や音の響きを選んでとりどりに詠んでみましょう。(正子)

 

第三回 カフェきごさいズーム句会報告

caffe kigosai 投稿日:2023年6月11日 作成者: mitsue2023年6月11日

2023年(令和5年)6月10日

飛岡光枝選
第一句座              

【特選】

  てのひらの木もれ日を汲む岩清水     伊藤涼子
   蟻一匹抱へきれざるもの抱へ       葛西美津子
   裏路は十薬通りとなりにけり       伊藤涼子

【入選】
  
  急がねば百の桃へと袋かけ         斉藤真知子
  鵜一羽杭にとどまり走り梅雨        上田雅子 
  潮風の恵みたつぷり枇杷熟るる       前﨑都
  雲海の蒼く明けにし月の山         葛西美津子
  大空にはや夏のあるハンモック       高橋真樹子     
  ハンモック夢も浮かんでをりにけり    伊藤涼子 
  釈迦堂へ千の石段梅雨晴れ間       前﨑都
  土もよし水よし新茶香りけり       矢野京子
  みづうみは氷河の雫カヌー出す      高橋真樹子
  麦飯を喰らひ戦後を生き延びて      前﨑都
  二階から二階見てゐる合歓の花      高橋真樹子
  母の帯締めてすがしや初浴衣       高橋真樹子
  地震続く能登や婆さまの鮑とり      花井淳
  風薫る公園ベンチで宿題を        矢野京子
  水の中背伸びしてゐる早苗かな      藤井和子
  
     
第二句座(席題、水遊び 梅雨茸)
【特選】

  人の世の話聞きをる梅雨茸  斉藤真知子
  水遊あの頃はまだ母若く        赤塚さゆり
  太陽にとことん愛され水遊び      藤倉桂

【入選】
  
  梅雨茸のひよつこり顔出す棕櫚の鉢   伊藤涼子
  びしよ濡れの服いかにせん水遊び    斉藤真知子
  不意打ちの水鉄砲を浴びにけり     伊藤涼子
  白々と一夜に生えし梅雨茸       葛西美津子
  鳥の糞ひとすぢかかる梅雨茸      高橋真樹子
  最後には裸になりぬ水遊び       上田雅子
  誰よりも母が本気の水合戦       葛西美津子
  梅雨茸蹴とばしながら球探す      花井淳
  浴室のアトムとウラン水遊び      花井淳

浪速の味 江戸の味 6月【魚そうめん】(浪速)

caffe kigosai 投稿日:2023年6月1日 作成者: youko2023年6月4日

暑くなってくると、さっぱりして、つるっと食べられる冷素麺が食べたくなります。

大阪や京都では、夏になるとかまぼこ店に、その素麺を思い起す「魚そうめん」が並びます。かまぼこ店の魚そうめんは、白身魚のすり身を麺状にしたもので、その名前通り、素麺つゆにつけて食べたり、椀だねにしたりします。食感はかまぼこですが、見た目が涼やかで夏の食卓に上ります。祇園祭や天神祭の時のごちそうの一品にもなります。

もう一つ、かまぼこ店の夏季の名物が「あんぺい」です。見た目が似ている「はんぺん」はつなぎに山芋粉などのつなぎを使いますが、「あんぺい」は魚のすり身だけを柔らかく練り上げて蒸したものです。食べるとふわっと魚の風味が口に広がります。わさび醤油で食べたり、椀だねにもなります。

かまぼこの特徴は、旨さと弾力ですが、大阪かまぼこは、弾力より旨さにこだわってきました。明治から大阪では鱧をよく使っていましたが、現在もそれは受け継がれています。

『大阪食文化大全』によると、かまぼこの名前が文献にあらわれるのは永久三年(1115年)。関白右大臣藤原忠実が催した祝宴のメニューに登場します。今でいう焼き竹輪に似たものであったらしいのです。かまぼこの語源は、ガマの花穂に似ているからとのこと。江戸時代に板付かまぼこが一般化したようです。

「魚そうめん」や「あんぺい」はタンパク質もとれるので、食欲がなくなる夏を元気に乗り切るのに役立っていると思います。

魚そうめん祭支度のはじまりぬ  洋子

第二回 カフェきごさいズーム句会報告

caffe kigosai 投稿日:2023年5月17日 作成者: mitsue2023年6月11日

2023年(令和5年)5月13日

飛岡光枝選
第一句座              
【特選】
  オオイヌノフグリ踏み分け猫の行く     早川光尾
  吹かれきし花ひとひらを葛干菓子      矢野京子

【入選】 
  新緑の海を泳ぎて峠越え          藤井和子 
  真緑に染まる魂菖蒲の湯          藤倉桂
  皺深き手こそ玉なり桜餅          藤倉桂
  この星の割れていく音底雪崩        藤井和子
  孫娘曾孫も娘粽食ぶ            赤塚さゆり
  母の日や飛び切りの肉下げて来し      前﨑都
  紫陽花の毬の中から青蛙          葛西美津子
  囀りや大拙館の一樹より          花井淳
  まつすぐに海へ駆けだす子供の日      伊藤涼子
  亀親子鼻突き出して夏の川         藤倉桂
  うぐひすや町内みんな顔を上げ       早川光尾
   

第二句座(席題、カーネーション 夏帽子)
【特選】
  遙かなる遺影の君よ夏帽子         上田雅子
  一輪のカーネーションの華やぎよ      藤井和子

【入選】
  夏帽子形ととのへこの箱へ         前﨑都
  山荘に夏が忘れし夏帽子          葛西美津子
  リビングに汐の香りや夏帽子        伊藤涼子
  夏帽子一陣の風の奪ひたる         藤井和子
  子のヰない君へ供へるカーネーション    花井淳
  

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十五回 2026年2月14日(土)13時30分
    (3月は第一土曜日・7日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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