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「カフェきごさいズーム句会」スタートします

caffe kigosai 投稿日:2023年3月25日 作成者: mitsue2023年4月11日

4月8日(土)より、ズームを使用した「カフェきごさいズーム句会」がスタートします(サイト右のご案内参照)。パソコン機能を使った句会は、日本(世界)各地から参加可能です。入会後、希望者にはズーム及びズーム句会(投句、選句方法など)のレクチャーを行いますので、お気軽にご参加ください。不明点などは、メニューの「お問い合せ」欄からどうぞ。

【「カフェきごさい句会」のみなさまへ】
偶数月に開催していました「カフェきごさい句会」は、「カフェきごさいズーム句会」へ移行させていただきます。投句数も増え、毎月選評を直接お伝えできるより力の入った句会となりますので、ぜひ引き続きご参加ください。システムは若干変わりますが、投句、選句方法はほぼ変わりません。ズーム当日ご欠席の場合は、欠席投句が可能です。みなさまのご参加をお待ちしております。(店長・飛岡光枝)

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」二月

caffe kigosai 投稿日:2023年3月23日 作成者: mitsue2023年3月23日

新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより二月の季語「雛」、花「紅梅」、浪速の味「丁稚羊羹」です。

【入選】
手を繋ぎ春満月の家路かな  さゆり

朧の大きな満月に見守られながらの帰り道。原句は「手を繋ぐ春満月の家路かな」。

梅林や思ひのままを探しつつ  勇美

‘「思ひのまま」は梅の名なり‘などの前書きが必要か。思いのままの散策が梅の季節の心持とよく合います。

ふるまひは荒汁河津桜かな  勇美

鮮やかなピンク色の河津桜は近年各地で人気ですが、もともとは伊豆の温暖な地域で2月末から長く咲いている桜です。句は伊豆半島の河津桜でしょうか。新鮮な魚の荒汁はなによりの御馳走。下五は動きを入れてよりいきいきと。「ふるまひは荒汁河津桜咲き」など。

紅梅の光あふるるちさき庭  和子

「ちさき庭」がいい。紅梅は数輪でも存在感があり、早春の空気を運んできてくれます。慎ましい暮らしが思われる清々しい一句です。

亡き人の面影浮かぶ雛かな  和子

雛人形には様々な事柄や人を思い出させる力があるようです。原句は「亡き人の面影浮かぶ古雛」。この句の場合「古」が説明的になり、かえって思いが伝わりにくくなります。出来た後に句を眺めて言い過ぎていないかなど推敲を。

校庭に名残りの雪の兎かな  勇美

春の雪で作った雪兎。小さくて頼りなさげでかわいらしい。名残りの雪であり、春を運んできた名残りの雪兎でもあります。

飛梅の発止発止と開きけり  光枝

今月の花(四月)桜

caffe kigosai 投稿日:2023年3月21日 作成者: mitsue2023年3月21日

数あるバラ科の植物の中で、日本人にとってこれほど特別な意味を持つ花はないでしょう。東京では、靖国神社のソメイヨシノの標本木が五輪以上開花すると開花宣言がだされます。他の国、他の花では聞いたことがありません。

満開の花を見上げて楽しむ人々、散りはじめると東京のあちらこちらで見られる見事な桜吹雪、やがて桜前線は北に上っていきます。そんな報道に接すると、殺伐とした世の中をしばし忘れてしまいます。桜を眺めている人たちの解き放たれたような表情は自分にも移ってくるようで、この時期には近くの桜の名所、千鳥ヶ淵を歩くのが楽しみです。

六年前の桜の頃、詩人の大岡信先生が亡くなりました。何人かの親しかった方たちとご自宅に向かったのは次の日でした。

お体の調子を崩されてまもなく、先生は故郷に引越されました。それまで親しくしていただいた方たちが折に触れては訪れ、桜の季節になるとお花見と称して先生の周りを取り囲み、今の文学の話題や仲間の懐かしいエピソードなどを話して和やかに過ごしました。

その日、周りの杉林の向こうに陽は落ち始め、あたりはだんだんと暗くなっていきました。黒紋付に着替えられ、永遠の眠りについた先生の周りで時々静かに言葉を交わしていた古くからの編集者の一人が、窓の向こうを見ながらつぶやきました。

「西行だね、先生は。ほら、桜が」

どんな光の屈折なのか、小さなサンルームのガラス窓に写りこんだ花の影がもう片方のガラス窓に反射していました。目を凝らすとそれは実際の花ではなく、八分咲きになった桜のピンクの花が何輪も重なってぼおっと映っていたのです。

お住まいの近くには大きな桜が何本かあり年々枝も張りだしてきて、サンルームのガラス窓にも届く桜の枝が何本か花を咲かせていました。集まった方たちは「本当だ」といってその窓ガラスに映った桜に見入っていました。

願わくば花の下にて春死なむ
        その如月の望月の頃

西行のこの歌は、たくさん書かれた先生のご本の中に幾度となく取り上げられています。この夜は満月ではありませんでしたが一週間もしないうちに満月。まさに望月の頃、でありました。

間もなく周りが闇となると、その花の影は消えていきました。先生の宇宙からのメッセージに桜の精も寄ってきたのでしょうか。

さまざまの事思ひ出すさくらかな 芭蕉

永遠の一瞬に立ち会った気がして、芭蕉のこの句に共感する思い出が私の中にまた一つ加えられたのです。(光加)

今月の季語(4月) 辛夷・片栗の花

caffe kigosai 投稿日:2023年3月18日 作成者: masako2023年3月20日

辛夷の花も片栗の花も、四月の季語として掲げるにはいささか遅いのですが、今回は、俳句においては掟破りとされる季節を戻すことをさせてください。

三月十四日、訃報をひとつ受けました。私は東京・国分寺市の殿ヶ谷戸公園にいました。実は公園に入る前に、きごさい理事長の長谷川櫂さんから「本当か」という問い合わせを着信していました。ガセであってほしいと祈りながら、公園内をぐるぐる巡っているところへ届いた、確かな筋からの知らせでした。

師・黒田杏子急逝の報に、綺麗だなあと仰いでいた空の色が違って見えました。黒い画用紙の上に青い絵の具を塗ったような色。青くはあるのですが、冥いのです。こころ次第で見え方が変わることを、こころならずも実感しました。

殿ヶ谷戸公園には二月にも来ていて、そのときには節分草が咲いていました。

ふたり棲む節分草をふやしつゝ               黒田杏子『一木一草』

節分草白光(びやつくわう)金とむらさきと 同   『日光月光』

母のこゑ節分草の咲くころね              同

節分の名のとおり、冬と春のあわいに咲き出し、ほんの一週間ほどで再び地上から消えます。多年草なので地下で命をつなぎ、一年後にまた現れるのです。「節分」は冬の季語ですが「節分草」は早春の花、歳時記にも春の部に収められています。

近付いてよくよく見ると、まさに二句目のさまであることがわかります。知る人ぞ知るタイプの植物ですから、第一句や第三句のように、人と取り合わせて詠むのもよさそうです。

庭園の方から、同じ斜面に三月には片栗が咲き出すと聞いていましたので、何はともあれ、片栗の斜面を目指そうと、その日は入口から直行したのでした。

かたかごの雨に跼めば男老ゆ               黒田杏子『木の椅子』

かたかごの斜面を満たす山の音    同   『水の扉』

私には何の音も聴き留められませんでしたが、ほつほつと咲き出した紫の花に向き合いながら、お目にかかる前の若い先生の姿を想像していました(『木の椅子』『水の扉』は第一、第二句集です)。

殿ヶ谷戸公園は武蔵野崖線の高低差を利用して作庭されています。片栗の斜面をあとにして、竹林を抜け、暖かな日差しの丘を登りにかかりますと、それはそれは見事な辛夷の大木が。

こぶし咲き満ちたるのちを発たれしと 黒田杏子『日光月光』

飯田龍太夫人への悼句です。そのまま今の私のこころだと思いました。

辛夷との出会いを描いた先生のエッセイがあります。

「ある朝学校に向かっていつもの道を行きますと、雪をかぶったようにまっ白い木が目の前に立っているのです。きのうはなかった、不思議な気持ちで木の下を通り抜けました。帰り道で一緒に歩いていた子供たちが「コブシ、コブシ」とさけんで今朝の高い白い樹に向かってかけ出しました。」(「辛夷の咲く日」『黒田杏子歳時記』)

心ひかれる花の名を知ることは、幼子がことばを獲得するときに似ています。「日本列島櫻花巡礼」で知られる先生ですが、発たれたときのまなうらには、辛夷の白い花があったのではないかと思われてなりません。(正子)

 

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」一月

caffe kigosai 投稿日:2023年2月23日 作成者: mitsue2023年2月23日

新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。今月の兼題はサイトより一月の季語「一月」、花「結び柳」、江戸の味「雑煮」です。

【特選】
ちよろぎちよろぎ幼き子らの囃しけり 勇美

その形を俵に見立て、縁起物として御節料理の黒豆などに添えられるちょろぎ。くるくるとした紅色は子供たちの恰好の標的。お正月らしい明るさに満ちた句です。原句は「ちよろぎちよろぎ幼き子らを囃しけり」。

【入選】
ひそやかに我を呼ぶ声竜の玉 勇美

竜の玉の冷たさを感じられる一句。

住み慣れし都電沿線去年今年 さゆり

上五中七で過不足なく描かれた作者の生活。季語「去年今年」ではその生活の単純な説明になってしまうのが惜しい。「住み慣れし都電沿線雑煮椀」など一考を。

雑煮餅気づかはれつつ寿 勇美

餅が喉につまらないように気づかわれているのでしょうか。「気づかはれつつ」がわかりそうでわかりにくい。何が一番言いたいのかに焦点をあててみましょう。

丸餅のとろり坐りし雑煮椀 和子

丸餅に雑煮椀の句はたくさんありますが、「とろり坐りし」が、焼かない関西風雑煮らしい風情です。「丸餅のとろり坐りて雑煮椀」と中七で軽く切りたい。

黒豆のひかり華やぐ祝箸 勇美

つやつやの黒豆がズームアップされた一句。言葉が過不足なく使われました。原句は「黒豆にひかり華やぐ祝箸」。

棺行く道を縁取り霜の花 和子

鎮魂の思いが季語「霜の花」に込められています。ただ「縁取る」まで言うと細かすぎ。「棺行く道はるかなり霜の花」など広がるように工夫してみましょう。原句は「棺行く道を縁取る霜の花」。

水の辺のしだれ柳を結びけり 光枝

浪速の味 江戸の味(三月) 蛤汁【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2023年2月22日 作成者: mitsue2023年2月22日

東京東部の下町で育った私の子供時代の春の楽しみの一つは、隣接する千葉県での潮干狩りでした。見つけるのはほとんど浅利でしたが、時々蛤が採れると「でかした」と親が褒めてくれるのが誇らしかったものです。掘り出した蛤の、大振りでつるつるとした殻の手触りをよく覚えています。

蛤の名は「浜の栗」から、また「くり」が石を意味したなど諸説あります。物事がくいちがうことを言う「ぐりはま」「ぐれはま」は向きを揃えないと合わない蛤の殻からきており、「ぐれる」の語源にもなっています。

江戸でも「汐(潮)干狩り」は庶民の身近な娯楽でした。早朝から船で沖合に出て、正午ころ潮が引きはじめると船から下りて貝を掘りはじめたとか。「汐干小袖」と呼ばれた袖の短い着物姿の女性が楽しそうに貝を掘る様子を男性が楽しみにしていたのも想像に難くありません。歌舞伎『与話情浮名横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし)のお富と与三郎が出合うのも木更津の汐干狩りでのことでした。

平安時代から始まった蛤の殻を使った遊戯「貝合わせ」は、同じ貝の殻でないと合わないことから夫婦和合の象徴とされ、嫁入り道具のひとつにもなりました。雛飾りにも小さな「貝桶」がみられます。雛祭りの料理として「蛤汁」が出されるのもよく知られています。

江戸の汐干狩りの中心地は芝浦、高輪、品川、佃、深川洲崎などでした。その海はとうに埋め立てられましたが、近年東京湾もだいぶ綺麗になり千葉、神奈川など東京近郊では浅利を放流して潮干狩りを楽しんでもらう浜もあります。

夕陽が傾きかけ、脛にあたる潮が冷たく感じられるまで夢中で貝を掘る潮干狩りは、獲物を得る喜びと共に、自然を肌で感じられる貴重な体験です。海に触れる機会を多くの人が持つことで海に関心を持ち、海洋ごみなどの問題も少しずつでも改善することを願っています。

蛤汁大口開けてめでたけれ 光枝

今月の季語(3月)三月(2)

caffe kigosai 投稿日:2023年2月17日 作成者: masako2023年2月18日

〈三月〉はカレンダー通りに三月のこと。暖かな日も増え、春の気配がぐんと濃くなってきます。南北に長い日本列島ですから一律ではありませんが、頬に当たる風がゆるみ、雲は白く柔らかく、木々の芽吹きが始まって視界がほんわりと緑を帯びてきます。

いきいきと三月生る雲の奥                                    飯田龍太

三月や生毛生えたる甲斐の山                       森 澄雄

三月の甘納豆のうふふふふ                                    坪内稔典

 

龍太はこの句の自解に、春の甲斐を訪うならば三月がよいと記しています。その三月に甲斐を訪れたのでしょう。澄雄は笑い始めた山を「生毛」で表現しています。むずむずとくすぐったい感じが伝わってきます。稔典の句は口誦性が高く夙に有名ですが、まだ大笑いには到らないけれど含み笑いが止まらない、といった春の進み具合を読み取ってみたいと思います。

月のはじめには東大寺の〈お水取〉があります。耳にするだけでぶるっと厳しい寒さを連想します。が、月後半には「暑さ寒さも彼岸まで」を実感する気候となります。

水取りや氷の僧の沓の音                                        芭蕉〈行事〉

巨き闇降りて修二会にわれ沈む                            藤田湘子〈行事〉

毎年よ彼岸の入に寒いのは                                    正岡子規〈時候〉

春分や手を吸ひにくる鯉の口                                宇佐美魚目〈時候〉

彼岸会の若草色の紙包                                            岡本 眸〈生活〉

 

〈如月〉は旧暦二月の異称ですから、ほぼ新暦三月にあたりますが、衣更着(きさらぎ)の意を汲むと新暦の二月として使いたくもなる季語です。新暦と旧暦のずれについては一旦おくとして、新暦三月のはじめは〈如月〉の語感のままに鋭く、末には〈弥生〉の語感に近くなる、そういう感じ方もできそうです。

 

如月の水にひとひら金閣寺                                    川崎展宏

家建ちて星新しき弥生かな                                    原 石鼎

 

三月にはまた、昔は無かった制度が季語となったものも数多くあります。

 

一人づつきて千人の受験生                                    今瀬剛一

合格を決めて主審の笛を吹く                                中田尚子

一を知つて二を知らぬなり卒業す                        高浜虚子

卒業生言なくをりて息ゆたか                                能村登四郎

卒業の別れを惜しむ母と母                                    小野あらた

 

百人百様の卒業がありそうです。

悲しい記憶がそのまま季語となったものもあります。

 

青空でなくてはならぬ空襲忌                                 大牧 広

三・一一神はゐないかとても小さい                      照井 翠

三月十日も十一日も鳥帰る                                     金子兜太

 

空襲忌は〈東京大空襲忌〉、三・一一は〈東日本大震災忌〉です。〈三月十日〉〈三月十一日〉のみで季語として使えますが、兜太はあえて別の季語を立てています。三月十日は毎年巡り来る三月十日である以上に昭和二十年の三月十日であり、同様に平成二十三年の三月十一日なのでしょう。時間軸上には六十六年を隔てる二日がカレンダー上に隣り合って並ぶ、三月はそんな月となりました。さて、あなたの三月はどんな月ですか?(正子)

今月の花(三月) ミモザ

caffe kigosai 投稿日:2023年2月13日 作成者: mitsue2023年2月13日

ロンドンより(Kさんの作品)

ドイツより(Uさんの作品)

1月末のお稽古で花屋さんからの花材の中に、一枝のミモザアカシアがありました。40センチ程の枝の丸い小さな黄色い花が集まった房はそこだけ太陽の光を浴びたような鮮やかさで、やっと春が来ると心が解き放たれたような気がしました。

コロナのため海外に行けなくなった私は現在、世界の国々の門下たちと画面を共有しながら作品を講評するクラスをしています。メンバーは、長年日本のいけばなを勉強し先生の資格を持っている人ばかりです。

コロナ前はたびたび来日してクラスに参加したり、こちらから外国へ出向いてワークショップをしていたメンバーは、日本に一時帰国でお稽古に復帰したという方もいます。まさかこんなに長くこの方法でのレッスンが続くとは思いませんでした。

メンバーの作品に「少し枝を前にもってきて」とか、「花を思い切って短くしましょう」などのアドバイスをしながらレッスンを進めます。英語で話しながら、しかも画面を通した講評がベストではないことは承知しています。でもマイナスな面だけではありません。

1月末、このオンラインのクラスのテーマの一つは(花を主に使っていける)でした。開始数時間前に送られてきた写真には、2人の生徒が色鮮やかなミモザをいけていました。ロンドン在住の生徒と、ドイツのアーヘンの生徒の作品です。

ロンドンのKさんはミモザの葉をすっかり取って、黄色の塊を作っていました。画面上に集まったメンバーが早速、「ずっと寒かったと聞いているけれど、ロンドンでは今ミモザは外に咲いているの?」との質問に「花屋のスタンドにありました」という答え。ドイツのアーヘンに住むUさんは「私も花屋さんで見て、ついほしくなって」とのことでした。

「ミモザはオーストラリアの国花なのよ」と入ってきたのは、南半球のオーストラリアはシドニーのSさん。「でも、今はないけど」と、画面の向こうで彼女は「だって外は暑くて暑くて」と白いタンクトップの肩をすくめました。オーストラリアは夏なのです。

Sさんはたくさんの門下にいけばなを教えていることもあり、いつも斬新な作品を作ります。「ミモザをいけたあなたの作品も見てみたい、写真ある?」と私は聞きました。すると、ミモザは何種類もあり、いつも周りにあるので当たり前すぎて作品はないかもしれない、という返事に他の参加者一同は驚きました。

マメ科のミモザアカシアには1350近くの種類があり、そのうち1000種類近くがオーストラリアにあります。冬に花が咲くものが960種類もあり、残りは他の季節に咲いている、と言われれば確かにこの国の方には珍しくないかもしれません。

この国花は、2000年のシドニーオリンピックの勝者に送るブーケには採用されませんでした。アレルギーを起こす人がいるそうで、実は私もその一人。春が来てミモザがきれいと細かい葉を取りだしたとたん、目がかゆくなってくるのです。

ミモザアカシア、英語名ワットルについてはいろいろと興味深い話があるとのSさんの言葉に、北半球の私たちがますます興味をひかれたのも、オンラインならではの楽しい展開なのでした。(光加)

カフェきごさい「ネット句会」2月 ≪互選+飛岡光枝選≫

caffe kigosai 投稿日:2023年2月10日 作成者: mitsue2023年2月10日

【連中】すみえ 都 桂 良子 裕子 光尾 涼子 酔眼 雅子 みやこ 隆子 光枝

≪互選≫
都選
東京に生きて冬芽に励まされ 隆子
追羽根やはつしと返し恋仇 雅子
汐待の一人来ている雛の市 隆子

すみえ選
追羽根やはつしと返し恋仇 雅子
ふんはりと春泥に墜つ紙ひかうき 都
丁稚やうかん売つて軒端の梅三分 隆子

桂選
リビングのひとりに広き余寒かな みやこ
東京に生きて冬芽に励まされ 隆子
願かけのかはらけ投げて春を待つ みやこ

裕子選
空まさを真つ逆さまに寒の底 すみえ 
着ぶくれて乗換駅に迷ひけり 良子
ふんはりと春泥に墜つ紙ひかうき 都

みやこ選
富士の背は火焔のごとき寒夕焼 裕子
山眠る長逗留の湯治宿 酔眼 
追羽根やはつしと返し恋仇 雅子

涼子選
ほんたうの鬼のゐる世や豆を打つ 光枝
ふんはりと春泥に墜つ紙ひかうき 都
丁稚やうかん売つて軒端の梅三分 隆子

光尾選
空まさを真つ逆さまに寒の底 すみえ
リビングのひとりに広き余寒かな みやこ
着ぶくれて乗換駅に迷ひけり 良子

良子
ほんたうの鬼のゐる世や豆を打つ 光枝
初参り礼深くなり長くなり 光尾
次々に春泥踏んで帰還兵 都

雅子選
ほんたうの鬼のゐる世や豆を打つ 光枝
東京に生きて冬芽に励まされ 隆子
丹頂の舞ふ蓋とりて雑煮餅 良子

隆子選
願掛けのかはらけ投げて春を待つ みやこ
着ぶくれて乗換駅に迷ひけり 良子
小寒や秩父宮は着膨れて 酔眼

酔眼選
リビングのひとりに広き余寒かな みやこ
冬ぬくし島にひとりの郵便夫 良子
息白し既読スルーのスマホ閉じ 光尾

≪飛岡光枝選≫
【特選】
永き日や橋より橋を眺めをり 良子

春になり昼の時間が長くなったある日。単純な情景ですが、眺めている橋がまるで幻のように感じるのは季語の力でしょう。もしかしたら、あちらから眺めるこの橋も、そして自分も幻なのかもしれません。

願掛けのかはらけ投げて春を待つ みやこ

京都の神護寺はじめ、高台にある神社仏閣などで行われる土器投げ。今では考えられませんが、東京北区の飛鳥山でも江戸時代には大人気だったとか。句は冬の終わりの土器投げ。「願掛け」という言葉が春を待つ心に通じます。見晴るかす田園にははや霞がたなびいているよう。

黒々と大地脈うつ野焼あと すみえ

草木の芽吹きを促す野焼き。「大地脈うつ」と、黒々とした焼野原に潜む生命力を力強く描き、存在感ある一句となりました。

汐待ちの一人きてゐる雛の市 隆子

「汐待ち」も「雛市」も、少し前の時代のなつかしい匂いがあります。汐待ちの船乗りでしょうか、雛人形は家で待っている娘さんへのお土産かもしれません。潮の香りのする雛市の浮き立つような気持ちが滲みます。

【入選】
テレビより砲声聞こゆ炬燵かな 光尾

原句は「テレビより砲声聞こゆ我炬燵」ですが、下五は散文のような説明になってしまいました。俳句では掲句のように「かな」が使えますので、ぜひ参考にしてみてください。ここ一年、日本人がみな感じている思いを一句にしました。

夫とゆく初めての宇治風花す 都

原句の下五は「風花に」。こちらも説明的。掲句がベストではありませんので、句の形を含めてぜひ工夫してください。「宇治」という地名が心に響く一句。源氏物語から脈々と続くことばの手触り。

はればれとマスク外して初湯かな 雅子

マスクを外してもいいと言われても恐々の日々。この「はればれ」には、心から安心して初湯を楽しみたいという願いが感じられます。

追羽根やはつしと返し恋仇 雅子

初々しい恋心、新春らしい一句です。

雑煮餅丹頂の舞ふ蓋とりて 涼子

粛々といただく雑煮椀。原句は「丹頂の舞ふ蓋とりて雑煮餅」、入れ替えただけですが句の様子が変わります。

窓越しに猫に挨拶春浅し 桂

初春の明るい日射しが感じられます。原句は「窓越しの猫に挨拶春浅し」。

丁稚やうかん売つて軒端の梅三分 隆子

「丁稚」ということばの働きでしょうか、おきゃんな(古い?)紅梅の様子が目に浮かびます。

左義長や頬の火照りに団子焼く 涼子

よく詠まれる内容ですが、しっかりと描けています。

次々に春泥踏んで帰還兵 都

戦が終わり兵士たちが故郷に帰還し、春泥の「春」の喜びが現実になることを切に願います。「次々に」が、句を生き生きとさせています。

風花の朝比奈越えて父母の墓 涼子

鎌倉の朝比奈でしょうか、地上より少し気温が低い峠道は風花が舞う季節。ご両親への思いを風花に託しました。原句は「風花す朝比奈越ゆれば父母の墓」。

ネット句会 投句一覧(2月)

caffe kigosai 投稿日:2023年2月2日 作成者: mitsue2023年2月3日

2月の「ネット句会」の投句一覧です。
参加者は(投句一覧)から3句を選び、このサイトの横にある「ネット句会」欄(「カフェネット投句」欄ではなく、その下にある「ネット句会」欄へお願いします)に番号と俳句を記入して送信してください。
(「ネット句会」欄にも同じ投句一覧があります。それをコピーして欄に張り付けると確実です)

選句締め切りは2月5日(日)です。後日、互選と店長(飛岡光枝)の選をサイトにアップします。(店長)

(投句一覧)
1 富士の背は火焔のごとき寒夕焼
2 空まさを真つ逆さまに寒の底
3 手袋のままに手握る別れかな
4 ほんたうの鬼のゐる世や豆を打つ
5 テレビより砲声聞こゆ我炬燵
6 夫とゆく初めての宇治風花に
7 リビングのひとりに広き余寒かな
8 金銀に染めて柳の門飾り
9 山眠る長逗留の湯治宿
10 永き日や橋より橋を眺めをり
11 冬ぬくし島にひとりの郵便夫
12 東京に生きて冬芽に励まされ
13 願掛けのかはらけ投げて春を待つ
14 着ぶくれて乗換駅に迷ひけり
15 はればれとマスク外して初湯かな
16 小寒や秩父宮は着膨れて
17 あの角を曲がればミモザ明りかな
18 顔見世がはねて木屋町筋の店
19 黒々と大地脈うつ野焼あと
20 追羽根やはつしと返し恋仇
21 丹頂の舞ふ蓋とりて雑煮餅
22 窓越しの猫に挨拶春浅し
23 立春や燈台の灯のやはらかし
24 羽ばたいて白鳥はげしく争へり
25 汐待ちの一人きてゐる雛の市
26 装ひてアフタヌーンティ春隣
27 ふんはりと春泥に墜つ紙ひかうき
28 コンビニや運動靴に春の泥
29 息白し既読スルーのスマホ閉じ
30 春めくや指美しきピアニスト
31 眼つむれば流氷の押し寄せる
32 丁稚やうかん売つて軒端の梅三分
33 初参り礼深くなり長くなり
34 左義長や頬の火照りに団子焼く
35 次々に春泥踏んで帰還兵
36 風花す朝比奈越ゆれば父母の墓

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十五回 2026年2月14日(土)13時30分
    (3月は第一土曜日・7日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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