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今月の季語〈二月〉 雛(2)

caffe kigosai 投稿日:2023年1月17日 作成者: masako2023年1月18日

雛祭は五節句(人日/七種、上巳、端午、七夕、重陽)の一つである上巳に、主に女の子の健やかな成長を願って行われる催しです。本来は旧暦の三月三日ですが、新暦で行うことのほうが断然多い昨今です。正月の松がとれると、百貨店等の雛人形売場は熱気を帯び始めます。祖父母世代がはりきりすぎると、

初雛の大き過ぎるを贈りけり   草間時彦

という次第となりますから要注意です。

テーマに〈雛〉を取りあげるのは二回目です。前回は〈雛〉の俯瞰を試みましたが、今回は恣意的主観的に季語が熟してゆく例を辿ってみましょう。昨年刊行した『黒田杏子の俳句』では一年を月ごとに追った第Ⅰ章の「三月」の項にまとめています。

雛祭は一年に一度巡ってきますが、ゆえに毎年詠み続けるのが難しくもなります。世につれデザインの変遷はあってもおおむねは昔のままに、また顔ぶれの入れ替わりはあっても近い関係で祝いますから、「去年も詠んだ句」になりかねないのです。

『黒田杏子の俳句』で句の分類のために設定した項目は「雛店」「寂庵」「母」でした。「雛店」とは東京・浅草橋に本店を置く吉德です。昭和六十(1985)年から「吉德ひな祭俳句賞」を開催しています。今年で三十九回。黒田杏子が一人で選者を務め、選者吟として3×39句を献じてきました。「寂庵」は先ごろ亡くなった瀬戸内寂聴師が嵯峨野に開いた庵。奇しくも同じ年の十一月から寂聴命名の「あんず句会」が本堂で始まり、全国各地から人が集まりました(2013年閉会)。

こうした巡りあわせは普通は無いでしょう。ですがさながら「行」を修めるがごとくに、選句と作句の両輪を弛まず回し続けることも常人にはしかねることです。

吉德ひな祭俳句賞選者吟に沿って何句か読んでみましょう。

第一回   雛かざるひとりひとりの影を曳き

第二回   寂庵に雛の間あり泊りけり

第四回   月山の雪舞ひきたり雛の膳

第六回   雛かざるいつかふたりとなりてゐし

第九回   なにもかもむかしのままに雛の夜

第十回   吹き晴れし富士の高さに雛飾る

第十一回  ととのへてありし一間の雛づくし

第十二回  雛の句えらみ了へたる余寒かな

第十六回  立雛やまとの月ののぼりきし

第十七回  母の一生(ひとよ)ひひなの一生かなしまず

第十八回  裏千家ローマ道場雛葛籠

第二十一回 雛の間に母のごとくに手を合はす

第二十三回 曾祖母の雛祖母の雛みどりごと(句集には「みどりごに」の形で掲載)

第二十四回 句座果てて月の嵯峨野の雛祭

第二十六回 父も母も大往生の雛の家(同「ちちははの大往生の雛の家」)

第二十九回 雛の句を選みて二十九年目

第三十回  雛店の三百年の十二代

第三十一回 ワシントンより届きたる雛の句

第三十二回 桃の日の母に供ふるかすていら

第三十六回 雛の間に座してしばらく兄と父

第三十七回 東京三月炎ゆる人炎ゆる雛

血縁を確かな軸としながら出会いを詠い、詠うことによって出会いを新たな血脈とする。季語と「一生」もまた両輪のように回り続けて豊かになってゆくものなのでしょう。(正子)

謹賀新年

caffe kigosai 投稿日:2023年1月7日 作成者: mitsue2023年1月8日

明けましておめでとうございます

みなさま、よい年をお迎えのことと思います。
本年も「カフェきごさい」をどうぞよろしくお願い致します。

今日は早七種、七種がゆを楽しんだ方も多いのではないでしょうか。来週12日に文京区立肥後細川庭園にてトークイベントを予定しています。雪吊りが美しい庭園には早、梅が開いています。寒中の春を探りにどうぞお越しください。みなさまのご参加をお待ちしています。(店長)

庭Cafeトーク「季語を楽しむ暮らし~初春をよむ~」

【日時】 2023年1月12日(木)
14:00~15:30
【会場】 文京区立肥後細川庭園 松聲閣
【参加費】3,000円(抹茶+和菓子付)
【定員】 20名(先着順)

申込方法/詳細は以下HPへ
http://www.higo-hosokawa.jp/

新春*店長トークイベントのお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2022年12月22日 作成者: mitsue2022年12月31日

東京都文京区立「肥後細川庭園」にて、「カフェきごさい」店長飛岡光枝のトークイベントが開かれます。新年から早春の俳句を味わいながら季語の面白さを紹介します。芭蕉が住んだ「関口芭蕉庵」に隣接する細川庭園は、自然景観を活かした池泉回遊式庭園で知られ、この季節は松の雪吊りなどが楽しめる風情あるお庭です。当日は参加者からの俳句の鑑賞も予定しています。詳細、お申し込みは「肥後細川庭園」のサイトをご覧ください。(店長)

庭Cafeトーク「季語を楽しむ暮らし~初春をよむ~」

【日時】 2023年1月12日(木)
14:00~15:30
【会場】 文京区立肥後細川庭園 松聲閣
【参加費】3,000円(抹茶+和菓子付)
【定員】 20名(先着順)

申込方法/詳細は以下HPへ
http://www.higo-hosokawa.jp/

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」十一月

caffe kigosai 投稿日:2022年12月22日 作成者: mitsue2022年12月22日

新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい」句会。今月の兼題はサイトより十一月の季語「凩」、花「まゆみの実」、浪速の味「柚子」です。

【特選】
煮豆の火細く細くと虎落笛  勇美

上五中七と「虎落笛」の取り合わせの句。北風が立てるヒューヒューという鋭い音と、豆が焦げ付かないようにと守る細い火の呼応。深まりゆく冬の感覚をよくとらえています。原句は「煮豆の火細く保たむ虎落笛」。

【入選】
柚子三粒あの世のあるじに断りて  勇美

大事にしていた主がいなくなった柚子の木から柚子をいただく景と読みましたが、少々わかりにくい。また、柚子を数えるのに「粒」は、どんなに小さくても合わない。「柚子三つ彼の世の主に断りて」、よりわかるように「今はなき主に断り柚子をもぐ」など。

顔見世や掲げしまねき文字踊る  和子

「文字踊る」に贔屓の役者への期待と高揚感が表れ、顔見世の華やかさがよく出ています。一句のリズムが少々窮屈なので一工夫を。「顔見世や掲げしまねきの文字踊る」など。

神童のおでこつややか次郎柿  勇美

理屈ではよくはわからない句ですが、つやつやした次郎柿がよく見えてきます。確かに神童のおでこはつやつやしているだろうと納得させられる一句。「神童」という少し古めかしい言葉が「柿」と合っているのかもしれません。

柚子しぼる一滴に覚め夜の卓  光枝

浪速の味 江戸の味(一月) 関東風雑煮【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2022年12月21日 作成者: mitsue2022年12月21日

新年を祝う正月料理は地域性が濃く、なかでも「雑煮」はその土地の食材を入れた様々なものが伝わっています。また、移り住んだ地方の雑煮と混合して、各家庭独特の味が生まれるのも特徴ではないでしょうか。

雑煮の起源については諸説ありますが、一日が夕方からはじまるという考えのもと、元日がはじまる大晦日の夕方に神仏に供えて福を宿した餅を、次の日に煮て福とともに食したという説が有力です。

おおまかには、東日本は焼いた角餅(切り餅)の澄まし汁仕立て、西日本は丸餅を茹で味噌仕立てと言われ、北海道は各地からの移住者が多いため両者が混在しており、沖縄県は雑煮の習慣はないそうです。

具材はまさに千差万別。鮭文化圏の越後雑煮は鮭の頭や身やいくらが入り、鰤文化圏の九州地方は鰤が欠かせない地域が多いようです。仙台雑煮は豪華さで知られ、山海の具材がふんだんに使われるとか。

かたや東京の雑煮はシンプルです。焼いた角餅に澄まし汁、具材は鶏肉、椎茸、人参、鳴門巻きなど。青菜には東京江戸川区小松川の名産、小松菜が使われます。

私は生まれも育ちも東京ですが、両親が兵庫県出身の我が家では、父の故郷から届く丸餅を茹でた醤油ベースの雑煮でした。焼いた餅の雑煮は正直馴染めず、少しとろっとした餅の雑煮でないと正月が来た気がしませんでした。

今回、写真の関東風雑煮をはじめて作りましたが、焼いた餅が香ばしく、その美味しさに目覚めました。このお正月は欲張って両方の雑煮を楽しみたいと思っています。

みなさま、お雑煮と共に、どうぞよい年をお迎えください。

丸餅も角餅も笑ふ雑煮椀 光枝

今月の花(一月)結び柳

caffe kigosai 投稿日:2022年12月17日 作成者: mitsue2022年12月19日

生徒たちはお正月花の稽古に松や千両などの花材のほかに、しだれ柳をいけることがあります。柳は緑のほかに金や銀に色を吹き付けられたものもあります。紅白の餅を枝につけた餅花に仕立てられた垂柳は東京でも近頃手に入れることができるようになりました。

あまり柳が長すぎてお稽古でてこずっていると、結び柳にしてみたら?とその長さを利用してくるりと円を作って結ぶことも提案します。中央の枝から出ているたくさんの小枝で小さな円を作ってもいいし、一からげに枝を束ねて結ぶこともあります。

昔ある料亭で、大広間の床柱にしだれ柳が白玉椿といけてありました。大きく結ばれた輪がダイナミックで、床の間に引きずるように先がたれ下がった柳の姿は、しだれ柳の中でも特に長い、六角柳だったでしょうか。

ふすまが開けられると、日本髪で黒紋付お引きずりの芸者さんが数人現れ、舞がはじまり、終わると「おめでとうございます」と主卓に寄ってきました。青竹で作られたお猪口に青竹のひしゃくで床の間を背にした主客からそそがれたお酒を水白粉が塗られた肌が薄いピンクに透き通る手で受けると、くい、と飲みほしました。かんざしは稲穂と白い鳩。その年初めての席の主客に鳩の目を墨で黒黒と入れてもらうのがしきたり、とききました。

「それは松の内だけね。芸者衆のそういうかんざしは」と、昔は粋筋だったと思われる方が教えてくださいました。

硯と筆が持ってこられ、主客が鳩の目を丸く入れていました。主客はひげ紬という、糸をわざと出して織り出した珍しいものでした。そのあとお姐さんたちは挨拶して裾を引きずりながらそそくさと引き上げていきました。次のお座敷があるのでしょう、新年だからかけ持ちかしら、と思ったことが記憶に残っています。数十人いたその晩のお客の中で最年少のひとりだった私は、見られない世界を見たと思いました。

格式の高い料亭の床の間の大ぶりな結び柳から、いけばなの生徒たちが輪に結ぶささやかな柳まで、新しい年がよい年であるよう、結ばれた線をたどれば終わりのない円のように平穏無事な日々が末永く続きますように、丸く収まりますようにという願いをこめ、結び柳として結ばれます。

どうか、皆様新しい年がよい年でありますように。(光加)

今月の季語〈一月〉 一月

caffe kigosai 投稿日:2022年12月17日 作成者: masako2022年12月17日

二〇二二年二冊目の単著となる『黒田杏子の俳句』を刊行しました。所属誌「藍生(あおい)」に一九年一月号から三年間連載したものを元にしていますが、最初から単行本化を想定していたわけではないので、改めて構成を考えた結果、前後の脈絡を整えることが編集作業の第一関門となりました。資料も整え直すつもりでしたが、「黒田杏子」の誕生日=八月十日までに、ということになり大慌て。手順を飛ばした感もありますが、のんびりしていたらまだ世に出ていなかったかもしれません。

書き足したかった項目もあります。その一つが「一月」です。句をピックアップしたら膨大な量となり、連載一回分には収まり切らなかったのでした。

皆さまの「一月」の作句量は多いですか? 私はたいへん少ないのです。ゆえに「出るわ出るわ」の状況に目眩く思いでしたが、理由もすぐにわかりました。かつて「藍生」には結社をあげてのロングラン企画「観音霊場吟行」があり、〈初観音〉のある一月には必ず吟行計画が組まれていたからです。

そういうわけで連載では(つまり本にも)「初」を分類の柱としました。本文に反映させることが叶わなかったのは次の季語です。

【元日】

ほろほろと酔うて机にお元日『日光月光』

【二日】

檜葉垣の内に句座ある二日かな『木の椅子』

二日はや千人針を刺す童女『日光月光』

【二日灸】

はじめての二日灸といふものを『日光月光』

【三日】

よく晴れて三日の坐り机かな『一木一草』

【四日】

毛衣の四日のをんな鬼子母神『木の椅子』

真間の井に四日の午後のわれのかほ『一木一草』

日の沈むまで鴨を聴く四日かな『同』

【五日】

死者のこゑとてなつかしき五日かな『花下草上』

【六日】

髪剪つて六日の風のあたらしく『一木一草』

六日はも鰥夫六輔六丁目『花下草上』

【七種】

七種や母の火桶は蔵の中『木の椅子』

あをあをと薺の粥を吹きにけり『同』

帯高く七種籠を提げてきし『一木一草』

吹きさます七種の粥天台寺『同』

寂けさの七種爪を剪りてのち『花下草上』

七種の粥いただきぬ百花園『日光月光』

薺摘む疎開者の母摘みしごと『銀河山河』

すずなすずしろはこべらもととのひぬ『同』

※〈七日〉〈人日〉の例はありません。

※〈二日灸〉〈七種〉は「生活」の季語ですが、並列させています。

月齢を季語として使う〈月〉(moon)の例もありますが、その月(month)が始まって何日目かを示す語が季語になることが面白いです。それを詠みこんで欠ける日が無いということに圧倒されたのでした。

〈小正月〉(女正月)(=十五日)や、地域性があるようですが〈二十日正月〉〈晦日正月〉を加えると、一月のひと月を通して日付で詠めます。

いかがでしょう。挑戦してみませんか? (正子)

カフェきごさい「ネット句会」12月 ≪互選+飛岡光枝選≫

caffe kigosai 投稿日:2022年12月10日 作成者: mitsue2022年12月10日

【連中】すみえ 都 桂 良子 裕子 光尾 涼子 酔眼 雅子 みやこ 隆子 利通 光枝

≪互選≫

都選
大根干す海はるかなる峠道 光枝
静けさの身に沁みとほる小夜しぐれ 裕子
ひとひらの花閉じ込めて滝氷る 光枝

桂選
大根干す海はるかなる峠道 光枝
飛騨からの大工を待つも冬構 隆子
耳鳴りの寂しき音に耳袋 雅子

良子選
よぢ上りぐるり螺髪の煤払ふ 涼子
百年の柱磨きて年用意 みやこ
冬ぬくし刺子ふきんの花模様 みやこ

裕子選
耳鳴りの寂しき音に耳袋 雅子
湯ざめして再び試すパスワード みやこ
秋暮れて古書よりゲルベゾルテの香 利通

光尾選
冬ぬくし刺し子ふきんの花模様 みやこ
身に叶ふ椅子を月見の座となせり 利通
湯ざめして再び試すパスワード みやこ

涼子選
どこでもドアぎいと開くや雪の夜 光枝
森深閑遠く熊鈴熊の架(たな) 酔眼
今日もマスク行こ行こ仮面舞踏会 桂

みやこ選
手に顎をのせて火鉢の太宰かな 隆子
狼の遠吠へ抱き山眠る 桂
耳鳴りの寂しき音に耳袋 雅子

すみえ選
百年の柱磨きて年用意 みやこ
開戦日油焼けした花骨牌 利通
耳鳴りの寂しき音に耳袋 雅子

雅子選
飛騨からの大工を待つも冬構 隆子
百年の柱磨きて年用意 みやこ
身に叶ふ椅子を月見の座となせり 利通

隆子選
野良猫の庭に住みつく石蕗の花 裕子
冬ぬくし刺し子ふきんの花模様 みやこ
橋裏に水面の揺らぎ小六月 良子

利通選
森深閑遠く熊鈴熊の架 (たな) 酔眼
橋裏に水面の揺らぎ小六月 良子
冬ぬくし刺し子ふきんの花模様 みやこ

酔眼選
小春日や缶からドロップ何の色 すみえ
大根干す海はるかなる峠道 光枝
よぢ上りぐるり螺髪の煤払ふ 涼子

≪飛岡光枝 選≫
【特選】
よぢ上りぐるり螺髪の煤払ふ 涼子

仏様を清める季語としては「御身拭い」(春の季語)があります。その荘厳な様子に比べ、句は家の煤を払うように仏像にぱたぱたとはたきをかけるような気安さが愉快。「よぢ上る」、「ぐるり」という語でその様子をしっかり描きました。

狼の遠吠へ抱き山眠る 桂

「遠吠へ抱き」が秀逸。絶滅した狼の俤を抱いて眠る山々。

開戦日油焼けした花骨牌 利通

日本軍が真珠湾を攻撃した太平洋戦争開戦の日。「開戦日」との取り合わせの中七下五は、具体的には様々にとれますが、退廃した雰囲気がこの後の暗い時代を感じさせます。アジアへの侵略を続けていた軍隊、そして日本の退廃とも映りました。

耳鳴りの寂しき耳に耳袋 雅子

寒い冬に使う耳袋の心もとなさがよく出ている一句です。原句は「耳鳴りの寂しき音に耳袋」ですが、「音に」とすると理屈がかってしまうのではないでしょうか。

【入選】
冬支度大したことは何もせず 雅子

冬がたいへんな雪国などでも時代が便利になったこともあり、このような思いで冬を迎える方が多くなっているのではないでしょうか。楽といえば楽ですが、一抹の寂しさを感じるのも確かです。

野良猫の庭に住みつく石蕗の花 裕子

時々餌をやっても野良は野良、懐かないのがまたいい(猫派)。冬ざれた庭にひときわ明るく咲く石蕗の花のもと、少しだけくつろいでいる猫の様子が見えるようです。

百年の柱磨きて年用意 みやこ

大黒柱に一年の礼をつくして、年用意の始まりです。

冬ぬくし刺し子ふきんの花模様 みやこ

刺し子の布巾を使っているのか、刺し子を刺しているのでしょうか。花模様がいい。

直会が済んでほろ酔い秋収め 酔眼

「ほろ酔い」に秋の収穫への喜びが感じられます。「酔い」は「酔ひ」。

タイマーのごときゆばりの夜寒かな 光尾

タイマーは「タイムスイッチ」のことですね。(「セルフタイマー」や「ストップウオッチ」だと大変(!))。原句は「タイマーのごときゆばりや夜寒かな」。「や」「かな」なので提句も一案ですが「タイマーのごときゆばりや夜を寒み」なども。夜寒のしみじみとした心細さがよく出ています。

橋裏に水面の揺らぎ小六月 良子

繊細な景を捉え、しっかりと描いた一句。「揺らぎ」と切ったところは立派。

秋暮れて古書よりゲルべゾルテの香 利通

この秋、ある詩集をネット古書店で買いました。新品同様で大満足なのですが、開くたびに煙草の香りが。あまり読まなかったものの書棚に並べていた愛煙家の姿も想像しながら楽しんでいます。句の「ゲルべゾルテ」は虜になる香りとか。作者の青春の香りでしょうか。季語「秋暮れて」も上々。

今年も、カフェきごさい「ネット句会」へのご参加ありがとうございました。来年もみなさんと俳句を楽しんでいきたいと思います。初句会は2月です。どうぞお元気でよい年をお迎えください。(光枝)

ネット句会 投句一覧(12月)

caffe kigosai 投稿日:2022年12月3日 作成者: mitsue2022年12月3日

12月の「ネット句会」の投句一覧です。
参加者は(投句一覧)から3句を選び、このサイトの横にある「ネット句会」欄(「カフェネット投句」欄ではなく、その下にある「ネット句会」欄へお願いします)に番号と俳句を記入して送信してください。
(「ネット句会」欄にも同じ投句一覧があります。それをコピーして欄に張り付けると確実です)

選句締め切りは12月5日(月)です。後日、互選と店長(飛岡光枝)の選をサイトにアップします。(店長)

(投句一覧)
1 小春日や缶からドロップ何の色
2 冬支度大したことは何もせず
3 大根干す海はるかなる峠道
4 野良猫の庭に住みつく石蕗の花
5 鰯ではなく鯛なるぞ鯛焼食ぶ
6 飛騨からの大工を待つも冬構
7 宝くじ売場に並ぶ冬帽子
8 閑かなり猟犬はまだ夢の中
9 どこでもドアぎいと開くや雪の夜
10 狐火やあまたの人にみとられて
11 埋火へ深く埋めん夢ひとつ
12 ミサイル来寝てはをれぬぞ山目覚む
13 よぢ上りぐるり螺髪の煤払ふ
14 秋風や笑う橋場のばんばいて (檜枝岐村)
15 百年の柱磨きて年用意
16 冬ぬくし刺し子ふきんの花模様
17 秋澄むや黙礼かはすウオーキング
18 手に顎をのせて火鉢の太宰かな
19 直会が済んでほろ酔い秋収め
20 実千両決然として庭の隅
21 タイマーのごときゆばりや寒夜かな
22 静けさの身に沁みとほる小夜時雨
23 ひとしきり窓を濡らして初しぐれ
24 橋裏に水面の揺らぎ小六月
25 身に叶ふ椅子を月見の座となせり
26 開戦日油焼けした花骨牌
27 塊りとなりて塒へ冬の鳥
28 ひとひらの花閉ぢ込めて滝氷る
29 狼の遠吠へ抱き山眠る
30 耳鳴りの寂しき音に耳袋
31 バス停の前は海原石蕗の花
32 夕焼けの飛行機雲や神の旅
33 電車待つ下りホームや枇杷の花
34 湯ざめして再び試すパスワード
35 それぞれがいびつ誇るや花梨の実
36 森深閑遠く熊鈴熊の架 (たな)
37 今日もマスク行こ行こ仮面舞踏会
38 氷面鏡辷らせてゆく鳥の影
39 秋暮れて古書よりゲルベゾルテの香

カテゴリー: à la carte (アラカルト), 店長より

カフェきごさい「ネット句会」≪12月≫のお知らせ

caffe kigosai 投稿日:2022年11月26日 作成者: mitsue2022年11月26日

全国的にお天気に恵まれた11月8日の皆既月食。多くの方が楽しまれたのではないでしょうか。道端で見上げているうちに近所の知らない方との会話が弾み、コロナを忘れて思いがけず楽しいひとときを味わうことができました。

「カフェきごさい」ネット句会≪12月≫の締切は12月1日(木)です。どなたでも参加可能です。サイトの「ネット句会」欄から3句ご投句ください。

・このサイトの右側に出ている「ネット句会」欄より、3句を投句ください。

・12月2日中にサイトへ投句一覧をアップしますので、12月5日までに参加者は3句を選び、投句と同じ方法で選句をお送りください。

・後日、参加者の互選と店長・飛岡光枝の選をこのサイトへアップいたします。

今年最後の「ネット句会」、みなさまの力作をお待ちしています。(店長)

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十五回 2026年2月14日(土)13時30分
    (3月は第一土曜日・7日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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