カフェきごさい「ネット投句 6月」 飛岡光枝選
山道で思いがけなく出会った、咲き残る花への驚きと懐かしさ。「一輪」「白さ」が秀逸。原句は「一輪の余花の白さよ山深し」。
【入選】
飛魚の羽の光るや防波堤 裕子
防波堤から飛魚の飛ぶ遥かな海を臨んでいるのでしょうか。夏の波のきらめきと、飛魚の羽のきらめきと。原句は「飛び魚や羽光るるは防波堤」。
紫陽花の川と流るる電車道 和子
走る電車の中から沿道の紫陽花を眺めているのでしょう。とりどりの色が混ざり合い流れていくという、動きのある紫陽花の句は新鮮。ごちゃごちゃしそうな内容が、思い切った言葉の運びですっきりした一句になりました。
砲声の響く湖霧深し 和子
砲声も湖も霧のなかに溶け込んでいく、現代の不安感をも感じさせる一句。原句は「砲声の響く湖夏の霧」。実景は原句通りなのだと思いますが、作品に仕上げる段階で「夏」が季語として効いているかどうかを考えたいところです。
朝日カルチャーセンター「カフェきごさい吟行句会」五月
新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。五月は数年ぶりに「新宿御苑」での吟行句会を行いました。初夏の爆発するような緑のなか、泰山木、薔薇の花に出会いました。
【特選】
とりどりの薔薇と競つて花帽子 勇美
イギリスの競馬場の一場面のよう。薔薇の花の間を浮き沈みしながら行く花帽子が見えるようです。原句は「とりどりの薔薇と競ひて花帽子」。
蛇の衣のこして父は逝きたまふ 勇美
箪笥に入れておくと服にこまらない、財布に入れておくとお金が貯まると言われる蛇の衣(抜け殻)。遺品整理の折でしょうか、父上が仕舞っておいた蛇の衣が。身近にいる人でも、実はその思いはよくわからないもの。「蛇の衣」という少し不気味な存在感が活きた一句です。原句は「蛇の衣のこして父の逝きたまふ」。吟行の折、高い木にぶらさがる蛇の衣を見つけました。
【入選】
ひとときの風を楽しみ黒揚羽 和子
夏の蝶、黒揚羽ならではの堂々とした存在感。
ご長寿が木陰で昼のビールかな 勇美
美味しそうなビールですが、上から下まで散文のように述べてしまったのが残念。「木の陰で昼のビールや寿」など。
新緑や今が一番いい二人 裕子
若い恋人同士でしょうか。老婆心ながらというところですが、目に染みるような新緑に託す思いが感じられます。原句は「新緑よ今が一番いい二人」。
目を閉じて若葉のうねり海に似て 裕子
初夏の緑に身をまかせる作者。思いが句に収まりきっていないのが残念。「目を閉じて若葉のうねる海のなか」など。
ビー玉の中に逆さの虹かかる 勇美
ビー玉の中の光は句材として新しくはありませんが、情景をしっかり言葉で表現できています。原句は「ビー玉の中に逆さの夏の虹」。この句の場合は、夏の季語にあえて夏はいりません。
風の色仄かに見ゆる蛇の衣 和子
「風の色」で切れるのか、「仄かに見ゆる」で切れるのかが曖昧。仄かに見えるのが風の色なのか、蛇の衣なのかをしっかり描きましょう。
泰山木ここにありとぞ花開く 和子
泰山木の大きな花が空で見得を切っているようです。泰山木ならではの一句。
松の芯ドコモタワーを遠景に 勇美
新宿御苑の森の向こうに、松の芯のように尖るドコモタワー。
蛇いちご遠いむかしの帰り道 光枝
浪速の味 江戸の味 7月【鱧鮓】(浪速)
今年は祇園祭の山鉾巡行、天神祭の陸渡御、船渡御も行われるので、コロナ禍で神事のみとなっていた関西の夏の祭に本来の賑わいがもどってきそうです。あまり密にならぬようにと思いつつもやはり、熱気に包まれた祭は心躍ります。
祭鱧とよばれるくらい、関西の夏祭に鱧は欠かせません。夏が旬の白身の魚で、全長1メートルの円筒状で、口が大きくのこぎり状の歯を持ち、かみつきます。「食む(はむ)」がなまってはもになったとも言われます。小骨が身と皮の間に斜めに入り込んでいるので、鱧切り包丁で、小骨を切っていきます。
成分は鰻に似ていて、白身魚にしては脂肪含有量が多い旬の鱧は、照り焼き、天ぷら、湯びき鱧などどのように料理してもおいしいのですが、お勧めは「鱧鮓」です。照り焼きの鱧をのせた棒鮓を食べやすく切り分けたものです。甘辛いタレをつけて焼いた鱧と鮓飯がよく合います。祭見物の最中に手軽に食べられますし、箱に入った鱧鮓はみやげにも重宝します。
祇園祭や天神祭の思い出に登場するまさに祭鱧の料理だと思います。写真の鱧鮓は創業300年を超える大阪鮓の「すし萬」の鱧鮓です。大阪鮓と言えば箱鮓で、一手間かけた魚が鮓飯と一体となり風味を増します。見た目はそれこそ宝石箱のようです。鱧鮓は棒鮓で、鱧と鮓飯の間に山椒の実が少々。この山椒の実が食欲を増進させます。鱧は鰻より淡泊で、骨切りしてあるので炙ると身が開きます。ごつとした風味が暑気払いにもよさそうです。
鱧鮓や三年ぶりの渡御を見に 洋子
今月の花(七月)ひまわり
受賞者で旧知の大岡信さんと奥様が到着する前、私は授賞式が行われるストル―ガの古い教会の中に花をいけることになっていました。町で1~2軒しかない花屋は品質管理は十分とはいえず、花の種類も限られていました。前もって注文していた赤の小さなアンスリウムだけは10本手に入れることができました。森でも作品の骨格となる木や枝を切らせてもらったのですが、華やかな席での作品としてはそれだけでは色が足りません。
詩祭委員の一人が背の高いお嬢さんを私の助手にと紹介してくれました。オーストラリアに家族で数年住んだことがある18歳は長い金髪にハート型の顔、物憂げな表情はどこかボッティチェリの春の女神に似ていました。周りに英語の通じる人がいなかった私はほっとしました。「お祝いなので鮮やかな色の花を集めたいの」と言うと、彼女は「この季節はどこでも花は咲いているから歩いてみましょう」。この春の女神にいざなわれ、歩き出しました。すると、一軒の家の庭に私の背の高さのひまわりが何本もたくさんの花をつけてゆらりとゆれていたのです。
知っている家ではないけれどと言いながら彼女は簡単な木の柵を入っていき、出てきた家主はすんなりと花を切らせてくれました。そのひまわりはいかにも手入れをされていないまま、澄みきった空気の中でのびのび育ったいずれも15センチもあろうかという大輪で、太い茎は薄緑、葉は柔らかな光を受け、下には次々と開きそうな蕾が続いていました。数本手にしてみればゴッホの描いたひまわりの逞しさに重なるものがありました。新鮮なひまわりたちは個性と生命力にあふれ、教会の作品の中にいけると薄暗い空間が赤のアンスリウムを伴って光が灯されたようでした。
後にマケドニアは国名が北マケドニアになりました。金冠賞は今でも続いています。喜びの花として飾られたひまわりを懐かしく思い出します。
(以上は、2019年7月の「今月の花 ひまわり」を加筆修正したものです)
前述の文を書いたのはわずか3年前。今の私には、この季節に見かけるひまわりの黄色が心にしみます。
ウクライナを思って花をいけるときに使われるのが国旗の色であるブルーと黄色の花たち。ブルーは花器で代用することも、また青いデルフィニウムなどを使うこともあります。この季節は黄色の花は手に入りやすいひまわりであることが多いのです。
このところ1970年封切りの「ひまわり」という映画がにわかに脚光を浴びています。マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンの演じた戦争で引き裂かれた夫婦の話です。若いころ私も見てジーンときたのを思い出します。中でもひまわり畑の中を歩くソフィア・ローレンの姿が目に焼き付いています。
陽を浴びて一面に花を咲かせるひまわり畑の前で土地の人が言います。その下にはたくさんの人たちが眠っている。戦争で犠牲になった兵士たちだけでなく一般の人や子どもたち、捕虜など。ゆれるひまわりがその一人一人の魂の様に見え、反戦映画の代表作の一つとなっています。後にそのロケ地はウクライナと聞きました。
ウクライナの国花は「ひまわり」。ロシアの国花は「かみつれ」、そしてウクライナと同じく「ひまわり」でもあるのです。種の縞が特徴のたくましいこの花に国境はありません。真の平和が訪れ、ひまわりが二つの国に美しく咲き誇る日々が一日でも早いことを願ってやみません。(光加)
今月の季語(七月) 夏の水辺
梅雨が明けると水辺に出ることが増えます。〈水遊〉〈船遊〉、もっと直接的に〈泳ぐ〉など。いずれも人の営為なので生活の季語です。
水遊びまだ出来ぬ子を抱いてをり 日原 傳
だんだんに脱ぎつつ水に遊びをり 岩田由美
〈水遊〉は名詞ですが、動詞に使いたいときには「水に遊ぶ」などとします。また〈行水〉にも使える〈日向水〉も、この時分の季語です。
尾道の袋小路の日向水 鷹羽狩行
作者は山形に生まれ、尾道に育ったそうです。今も袋小路には盥が出ているに違いありませんが、懐かしい心の風景でもありましょう。
木曽川を庭の続きに船遊び 金久美智子
遊船に灯を入れ男坐りかな 横井 遥
立ち上る一人に揺れて船料理 高浜年尾
納涼のために船を仕立てて遊ぶのです。乗り合いの遊船にも使えます。遊船が和のイメージならば、洋のイメージはこちら。
帆を上げしヨット逡巡なかりけり 西村和子
〈泳ぎ〉の周辺にも季語がたくさんあります。
愛されずして沖遠く泳ぐなり 藤田湘子
水踏んでゐるさびしさの立泳ぎ 野村登四郎
平泳ぎやクロールも季語に使えます。水練のみならず、遊びで泳ぐことも季語になります。
海はまだ不承不承や海開き 大牧 広
もう一度わが息足して浮ぶくろ 能村研三
砂日傘抜きたる砂の崩れけり 小野あらた
海や川での泳ぎはむろんのこと、人工的な遊泳場も季語に使えます。
プールより生まれしごとく上がりけり 西宮 舞
飛込みの途中たましひ遅れけり 中原道夫
人工的といえば、ちょっと驚くこんなものも。
釣堀の四隅の水の疲れたる 波多野爽波
箱釣の肘の尖つてきたりけり 野中亮介
プールも釣堀も四季を問わずに存在しますが、夏は殊に人出が多いという理由です。
〈箱釣〉は金魚釣りのことと思ってよいでしょう。スーパーボールなどの玩具を釣ることもありそうですが。後の句は、だんだん必死になってきた様子がありありと伝わってきます。
それでは釣りも季語かと思ってしまいそうですが、こちらは工夫が必要です。
この雨は止むと出掛くる夜釣かな 三村純也
大粒の雨が肘打つ山女釣 飯田龍太
涼みがてら釣る、夏の魚(鮎、岩魚、鱚など)を釣る等、すこし工夫すると季語になります。(正子)
カフェきごさい「ネット句会」6月 互選+飛岡光枝選
【連中】守彦 都 良子 桂 すみえ 裕子 雅子 涼子 光尾 隆子 利通 酔眼 光枝
≪互選≫
良子選
飛魚や帰省の船をまへうしろ 隆子
菖蒲田の光分け行く小舟かな 桂
己が道図太く生きよ牛蛙 都
裕子選
老鶯の背山妹山季(とき)問はず 利通
飛花落花狐六法なほ高く 酔眼
イカロスの落ちたる海の飛魚かな 隆子
桂選
老鶯の背山妹山季(とき)問はず 利通
飛花落花狐六法なほ高く 酔眼
三年を眠りし梅酒封を切る 雅子
光尾選
菖蒲田の光分け行く小舟かな 桂
歯の治療をへて安堵の夕薄暑 裕子
今年またおんなじ父の夏帽子 良子
雅子選
微笑みて吹かれてをるや蛇の衣 光枝
飛魚や帰省の船をまへうしろ 隆子
山芍薬雲の白さに花開く 涼子
すみえ選
風くれば金魚泳ぐや江戸風鈴 雅子
三年を眠りし梅酒封を切る 雅子
柿若葉子供みこしの一休み 裕子
都選
父の日やひとり居の父爪を切る すみえ
飛魚や帰省の船をまえうしろ 隆子
まぼろしのひまわり畑子の遊ぶ 光枝
涼子選
風くれば金魚泳ぐや江戸風鈴 雅子
菖蒲田の光分け行く小舟かな 桂
山峡の風も運んで新茶着く 光尾
利通選
風くれば金魚泳ぐや江戸風鈴 雅子
泰山木花のつぼみの朽ちゆくも 光枝
菖蒲田の光分け行く小舟かな 桂
隆子選
老鶯の背山妹山季(とき)問はず 利通
菖蒲田の光分け行く小舟かな 桂
今年またおんなじ父の夏帽子 良子
酔眼選
父の日やひとり居の父爪を切る すみえ
婚礼のくさやとならん飛魚とぶ 隆子
ところてん話し上手に聞き上手 良子
山芍薬の咲く山の澄んだ空気が感じられる一句です。「山芍薬雲の白さの花開く」。
今年またおんなじ父の夏帽子 良子
「今年またおんなじ」で切って読みます。日焼けした古い帽子を大切にされている父上。新しいのがあるのに、と家族に言われても我関せず。そんな父上を好もしく見守る作者です。
グレイヘヤーさあ楽しまん髪洗ふ 雅子
原句は「グレイヘアーさて楽しまん髪洗ふ」。新しい夏の新しい自分の勢いをより出しては。「髪洗う」の新鮮な一句です。
丸き山いくつ超えたか遍路笠 守彦
讃岐地方にはぽこぽことした丸い山が続きます。遥かゆくお遍路さんへ心を寄せた一句。「遍路笠」が上手い。
【入選】
飛魚や帰省の船をまへうしろ 隆子
ふるさとへはやる気持ちを飛魚に託した一句。夏の季語「帰省」をどうするか。「飛魚や帰郷の船のまへうしろ」。
独裁者自ら落ちる蟻地獄 都
戦争のニュースに心痛む日々。原句は「独裁者自ら落ちろ蟻地獄」。気持ちはわかりますが、作品として「蟻地獄」の存在がより生きるようにしたいところです。
絶妙な母の間合ひや新茶汲む 裕子
具体的にはどういった状況かはわかりませんが、絶妙なタイミングで美味しい新茶を振る舞う母上。新茶の力でその場がより和やかになったに違いありません。
菖蒲田の光分けゆく小舟かな 桂
絵葉書の風景に落ち着かずに、「光分けゆく」と動きを出して上手くいきました。
仕事場に父が坐りし夏の夢 守彦
仕事をするお父上の後ろ姿でしょうか。「坐りし」で作業の様子が目に見えるようです。短夜の夢の一端。
蚕豆のつるんと出でて夕べかな 酔眼
晩酌の蚕豆でしょうか、夏の日の終わりのほっとする時間。原句は「蚕豆のつるんと出でてくる夕べ」。
山峡の風も運んで新茶着く 光尾
山間に育った新茶でしょうか、封を切る時のうれしさが思われます。言葉の運びに無理がなく心地よい一句。
胡椒餅旨し外つ国の夜店かな 都
屋台の胡椒餅が美味しそう。言葉に少々無理があります、素直に。「胡椒餅香る台南夜店かな」など。
己が道図太く生きよ牛蛙 都
牛蛙の大きな鳴き声に勇気をもらいます。取り合わせの句ですが、季語の「牛蛙」が内容と合い過ぎているのでもう少し間のある季語を考えてみましょう。
亀の子は鼻突き出して夏の川 桂
少し淀んだ夏の川の様子。「鼻突き出す」が具体的で句をいきいきとさせています。原句は「亀の子は鼻突き出すや夏の川」。
柿若葉子供みこしの一休み 裕子
やわらかな柿若葉の下、お神輿を下して一休み。涼しい風が吹いていることでしょう。
「ネット句会」6月 投句一覧
6月の「ネット句会」の投句一覧です。
参加者は(投句一覧)から3句を選び、このサイトの横にある「ネット句会」欄(「カフェネット投句」欄ではなく、その下にある「ネット句会」欄へお願いします)に番号と俳句を記入して送信してください。
(「ネット句会」欄にも同じ投句一覧があります。それをコピーして欄に張り付けると確実です)
選句締め切りは6月5日(日)です。後日、互選と店長(飛岡光枝)の選をサイトにアップします。(店長)
(投句一覧)
1 老鶯の背山妹山季(とき)問はず
2 風くれば金魚泳ぐや江戸風鈴
3 父の日やひとり居の父爪を切る
4 父の日の夜に入りて来る子の電話
5 姫女苑地蔵のごとく並びおり
6 微笑みて吹かれてをるや蛇の衣
7 飛魚や帰省の船をまへうしろ
8 飛花落花狐六法なほ高く
9 肥え野良がドヤ顔で行く春の昼
10 独裁者自ら落ちろ蟻地獄
11 湯の町の夕風匂ふ花みかん
12 東京に虹や汐留辺りより
13 泰山木花のつぼみの朽ちゆくも
14 絶妙な母の間合ひや新茶汲む
15 青梅の産毛きらきら昨夜の雨
16 新緑の葉陰にどっこい赤椿
17 菖蒲田の光分け行く小舟かな
18 女教師に鈴蘭そつと差し出す子
19 歯の治療をへて安堵の夕薄暑
20 紫蘭なほ弥勒のごとく立ちて母
21 仕事場に父が坐りし夏の夢
22 蚕豆のつるんと出でてくる夕べ
23 山芍薬雲の白さに花開く
24 山峡の風も運んで新茶着く
25 三年を眠りし梅酒封を切る
26 婚礼のくさやとならん飛魚とぶ
27 今年またおんなじ父の夏帽子
28 胡椒餠旨し外つ国の夜店かな
29 己が道図太く生きよ牛蛙
30 幻のひまはり畑子の遊ぶ
31 蕎麦の花風にゆれてる開墾地
32 亀の子は鼻突き出すや夏の川
33 丸き山いくつ越えたか遍路笠
34 柿若葉子供みこしの一休み
35 ところてん話し上手に聞き上手
36 ダダダダと戦争ごつこ梅雨深し
37 たかんなの昂さする蹠かな
38 グレイヘアーさて楽しまん髪洗ふ
39 イカロスの落ちたる海の飛魚かな
「カフェきごさい」ネット句会(6月)のお知らせ
カフェきごさい「ネット投句」(五月)飛岡光枝選
天を突く落葉松若葉晴れ晴れと 和子
落葉松は落葉が印象的ですが、高い空に誇らしげに芽吹く若葉が気持ちを開放してくれるような一句です。
【入選】
水分けて出逢ふ太藺や鯉の昼 裕子
原句は「水分けて出逢う太藺を見上げるや」。太藺の水に棲む生き物になって詠んだ句と思いますが、要素が多く句の焦点が定まらないのが残念。「水分けて」はたいへん涼し気でけっこうなので、その上五をより生かし、焦点が合うよう工夫してみましょう。
新緑の海に真白き浅間山 和子
なだらかな稜線の浅間山ならではの句。浅間山に集約した言葉の運びが心地よい、しっかりした一句です。
河鹿笛亡き人恋ふて夜もすがら 和子
平安の和歌のような端正な句。こちらも句の形がいい。






