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浪速の味 江戸の味 10月【秋鯖】(浪速)

caffe kigosai 投稿日:2021年9月21日 作成者: youko2021年9月21日

食欲の秋です。秋鯖がおいしい季節です。

若狭街道は、若狭湾に臨む福井県小浜から、滋賀県朽木、花折峠を越えて京都へ続く街道です。別名、鯖街道と呼ばれています。

小浜港は江戸時代、北前船が運んでくる物や、日本海の魚介類の水揚げなどで賑わっていました。鯖が水揚げされても、「鯖の生き腐れ」というように、鯖は非常に腐りやすく売り物としての扱いが難しかったので、塩鯖にして京都まで急いで運んでいました。それが若狭街道が鯖街道と呼ばれる所以です。また、若狭では「浜焼き」といって鯖一尾を串刺しにして丸焼きにして、生姜醤油などをつけて豪快に食べたり、鯖を一年間糠漬にした加工食品の「へしこ」が名産として売られています。

鯖鮓といえば、酢で締めた鯖の棒寿司を思い浮かべますが、秋になると、焼鯖鮓が食べたくなります。三枚下ろしにした秋鯖を油と落としながらからっと焼き、鮓飯を棒状にした上にのせて、しっかりと形を整えます。

先日、小浜の焼鯖鮓を買ったのでご紹介しました。我が家では、一塩の鯖を焼き、片身をほぐしてフライパンで炒りつけ、酢飯に混ぜ込んだ簡単焼鯖鮓を作りました。梅干の蜂蜜漬けをアクセントに一緒に混ぜています。

油ののった秋鯖は焼鯖鮓によく合います。

香ばしく焼きし秋鯖棒鮓に    洋子

今月の季語〈十月〉 後の月

caffe kigosai 投稿日:2021年9月17日 作成者: masako2021年9月20日

初秋には〈盆の月〉を、仲秋には〈名月〉を、そしていよいよ晩秋の〈後の月〉を仰ぎます。盆の月と名月は十五夜の月をめでましたが、後の月は満月に二夜早い十三夜の月のことです。秋季最後の月なので〈名残の月〉ともいいます。今年の後の月は十月十八日。晴れますように。

例年名月のころにはまだまだ残暑にあえぎ、後の月のころになってようやく一息ついていましたが、今年は秋の進行が早く、十月にはもう肌寒さを覚えそうです。

みちのくの如く寒しや十三夜   山口青邨

窓ごしに赤子うけとる十三夜   福田甲子雄

わが影の真中がうすし十三夜   西山 睦

十三夜といえば真っ先に思い出すのが青邨のこの句。みちのく出身の青邨が「みちのくの如く」というのですから、この夜はしみじみと冷えたに違いありません。第二句は馥郁とした赤子の香りや重みとともに温もりをうけとった句でしょう。赤子の身になってみれば、宙吊りを楽しんだ(もしくは怖がった)のちの安心感でしょうか。第三句の「影」は実際にうすいというより、身体の芯がやや冷える感覚を視覚へ転化したのではないでしょうか。

入つてくるなり後の月うつくしと 辻 桃子

りりとのみりりとのみ虫十三夜  皆吉爽雨

道すがら後の月をめでてきた人と室内にいた人と。宴を開くどころか、もう外に出てもいなかったことが推測されます。爽雨は、もう時雨にはならない虫の声を詠んでいます。あれほどのボリュームで鳴いていたのに。聴覚が淋しくなってきたら、闇の量が増えたようにも思いませんか?

月白もなく上りけり後の月    草間時彦

山の端に残照とどめ十三夜    岡田日郎

待つでもなく気付いたらもう上っていた第一句。日の入りも早くなったけれども、満月より月の出が早く、なお残照がという第二句。

これらは同時に身ほとりの静謐を語っている気もします。

皿小鉢洗つて伏せて十三夜    鈴木真砂女

墨磨れば墨の声して十三夜    成田千空

かたと擱く筆音の澄み十三夜   大橋敦子

身を以て沈黙の金後の月     丸山海道

真砂女には皿小鉢が、千空、敦子には墨と筆が身に添うものなのでしょう。かそけき音に思わず耳を澄ましてしまいそうです。

麻薬うてば十三夜月遁走す    石田波郷

どこまでも豆名月ののぼるなり  大峯あきら

胸を病んだ波郷が仰ぐのは療養所の窓の月です。雲が走る夜だったのかもしれませんが、「麻薬」のせいでと詠み切る作家魂に思わず背を正します。十三夜の月には豆や栗を供えもするので〈豆名月〉〈栗名月〉の名もあります。「豆」の文字を見ると「どこまでも」のぼって天空にぽっちり懸かる、豆のような月をおのずと想像しそうです。

次の二句は樋口一葉の『十三夜』を踏まえています。

一葉に十三夜あり後の月     富安風生

十三夜幸田弘子の立姿       黒田杏子

俳優「幸田弘子」は樋口一葉作品の朗読の第一人者でした。昨年(二〇二〇年)十一月、八十八歳でお亡くなりになりました。(正子)

 

カフェきごさい「ネット投句」8月 飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2021年8月24日 作成者: mitsue2021年8月24日

【入選】
白桃や一心不乱に皮剥きぬ  和子

魅力的な果実、桃はその姿も香りもまとう空気も特別です。桃と自分だけの世界に没頭している姿。「一心不乱」に迫力があります。

賀茂川は恋のはじまり祭鱧 涼子

祇園祭に始まる京都の夏。祭りには鱧が欠かせず、鱧祭とも呼ばれます。祭りの宵は恋の時間でもありましょう。

片影やけんけんで行く男の子  弘道

暑い中でもけんけん遊びに夢中の子ども。それでも自ずと片影を慕って。原句は「片影をけんけんして行く男の子」。

洛東に昔の下宿釣忍  弘道

「釣忍」の季語がいい。この釣忍は、昔から、そして今も窓に吊るされ水を滴らせています。原句は「洛東の昔の下宿釣忍」。

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」七月

caffe kigosai 投稿日:2021年8月23日 作成者: mitsue2021年8月23日

新宿朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。七月の兼題はサイトより、七月の季語「夏の星」、花「青芭蕉」、江戸の味「江戸前寿司」です。

【特選】
歓声なきオリンピックや旱星  涼子

「無観客開催」などの前書が必要か。淡々と状況だけ描いて、季語の「旱星」が活きた。

しやり光る江戸前寿司は握りたて  涼子

種は何かわからないが、美味そうなのが食べ物の俳句ではなにより。

【入選】
鉾立ちてお囃子のなき京の町  弘道

昨年は山鉾は立たず、今年は半数以上が立った。ただし、お囃子も巡行もなし。徐々に徐々に。原句は「鉾いくつお囃子のなき京の町」。

夕蝉や寄せては返す波と鳴く  和子

秋も近くなった頃の蝉の声を思わせる。原句は「夏蝉や寄せては返す波と鳴く」。

氷河湖や万年の水手に掬ひ  涼子

地球の記憶が溶け込んだ鮮烈な冷たさ。

帰省子や路線バスを一人占め  弘道

過疎化の進んだ故郷なのかもしれませんが、帰省の喜びには変わりなく、「一人占め」に子供に返ったような喜びが感じられる。

海の日や海に生まれし我らかな  涼子

「海の日」が付きすぎ。よりよい季語を探しましょう。「土用波海に生まれし我らかな」、これもまだ付きすぎか。

田植笠上げておうおう友の顔  弘道

田植えの喜びと友の元気な様子への喜びと。原句は「田植笠上げておうと友の顔」。

瑠璃の声朝日ほのかな森の上  和子

美しい夏の朝。「朝日ほのか」がいまひとつ曖昧。「瑠璃の声朝日さし入る森の中」など。

焼き上る豚の丸焼き夏の星  光枝

今月の花(九月)瓢箪

caffe kigosai 投稿日:2021年8月20日 作成者: mitsue2021年8月20日

古くから世界中で用いられてきた瓢箪。テレビで放映された人形劇「ひょっこりひょうたん島」。島の形を思い出せば瓢箪とは中央がくびれている長めの実と思うでしょう。どこかユーモラスな形です。

瓢箪は種類も多く、つる性で一年生です。つるを引き棚に作って実を下げることもあります。千成瓢箪は形は小さくても鈴生りになります。歴史のお好きな方は豊臣秀吉の金の逆さ瓢箪の馬印としてご存じでしょう。手柄を立てるたびに増えていき、まさに千成瓢箪になったといわれています。舟印にも使われたようです。

くびれがなく1メートルくらいになる長瓢箪、鶴の首のように首が長く細く垂れ下がる形になる鶴首瓢箪もあります。瓢箪の変種とされるかんぴょうを取る夕顔の実も同じくふくべ、と呼ばれます。白い花は5つにさけ直径7-8センチの大きさになることもありますが、真夏の夕方に咲き初め、朝にはしぼんでしまいます。

中をくりぬいて花器にしたり飾り物として置いてあるのを見かけることもあるでしょう。酒器や水筒として使用するのは、かすかに空気や水を通す繊維の性質から中の空気が入れ替わり腐敗をふせぐからと聞きました。

中を空にすれば空気も振動することから楽器にも使われます。インドのシタールは瓢箪や夕顔の実でつくられています。ハワイの瓢箪を二個張り合わせた打楽器。アフリカの打楽器には瓢箪を使ったものが多いのは、瓢箪の原産地の一つはアフリカと言われているからでしょうか。

乾かした瓢箪に同じ方向にたくさん刻みを平行にを入れたギロ。打つほかにそこに棒をあてて上にひけばギ―という音。返しで早く引けばチャチャという音がでて、ラテン音楽に使われるとか。

あまりの暑さとコロナの影響で対面でのお花のおけいこはキャンセルした夏です。けれど家の中に花がないのは何とも寂しく、お花屋さんに、「見繕ってもってきて」と言って配達をたのみました。夏のこの時期、年に一回しかいけられない花材もあります。花の包みには珍しかったから、と瓢箪が大小入っていました。オンラインいけばなの生徒さんたちに見せたら、穴を開けて種をだし水につけて花器を作ってみようかと思っていましたが、ギロもつくれたらいいな、と思うようになりました。

こんな中ですが秋の楽しみを一つ見つけました。(光加)

浪速の味 江戸の味(九月)目黒のさんま【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2021年8月19日 作成者: mitsue2021年8月19日

「秋刀魚」は日本の秋を代表する魚です。太平洋に広く分布する秋刀魚は、夏に千島沖に集結し八月下旬には日本列島に沿って南下をはじめます。この頃の秋刀魚は脂質が20%にもなっているということで、焼く時の煙の多さが秋刀魚の秋刀魚たる油煙、いや所以。

古典落語「目黒のさんま」の舞台、東京都・目黒界隈は、将軍が鷹狩に訪れる農村地帯で海とも魚とも縁のない内陸部、現在でも鷹番という地名が残っています。「目黒のさんま」は鷹狩に訪れた殿様の話です。

お供が弁当を忘れたため空腹に苦しむ殿様は、匂いに誘われて農家で焼いていた見知らぬ棒のような魚(もちろん秋刀魚)を所望。止める家来を振り切って、直火で焼いた黒焦げの秋刀魚にかぶりつきます。するとその美味なること、殿には忘れられない味となりました。

屋敷に戻った後も、殿様は秋刀魚を熱望。仕方なく家来は日本橋の魚市場から新鮮な秋刀魚を仕入れますが、食べやすさを考えて、秋刀魚の脂と小骨すっかり抜き、身の崩れた蒸し魚にして殿様の御前へ。そのあまりの不味さに殿様は「この秋刀魚はいずこで求めた」日本橋ですとの家来の返事を聞くと「それはいかん、秋刀魚は目黒に限る」。

この原稿を書いている今日、今年の秋刀魚の高値がニュースで流れました。地球温暖化と近隣諸国の乱獲で漁獲高が年々減っている秋刀魚ですが、この秋もぼうぼうと脂を燃やして焼き上げた秋刀魚を味わいながら、昔の殿様を思い起こしたいものです。これが本当の「往時茫々」、お後の用意がよろしいようで・・・

この国は煙ぼうぼう秋刀魚かな  光枝

今月の季語(9月)月(2)

caffe kigosai 投稿日:2021年8月18日 作成者: masako2021年8月19日

熱帯夜が続いてどんよりと濁った空気も、いつしか透き通り、月や星の光がまっすぐに届くようになってきます。今年の名月は九月二十一日です。その日の月齢は14・1なので、少し満ち足りないように見えても錯覚ではありません。翌日の十六夜の月のほうがまん丸に見えることでしょう。

〈花/桜〉のときと同じことわりで、私たちは〈月〉に対しても「待つ」ということをします。幼いころ、夜ごとに空を仰ぎながら、月が育ちゆくさまを観察したことはありませんか? 詠むことはなかったかもしれませんが、あれはすでに「待つ」行為であったわけです。

初月やまだ真青なる楡の空       古賀まり子

あら波や二日の月を捲いて去る     正岡子規

吾妻かの三日月ほどの吾子胎すか    中村草田男

弓張の月片割れは池に落つ       峯尾文世

朔の月は肉眼で確かめることはできませんが、か細い月を目にすることはあります。これを陰暦八月のみ「初」をつけて〈初月(はつづき)〉と呼びます。月は夜ごとに太りゆき、また、日没のあとに月が空にある時間も長くなっていきます。草田男の句は〈三日月〉を比喩に使っていますが、空にかかる月を指して「ちょうどあのくらい」と思ったのでしょう。やがて月満ちて子が誕生することを意識しながら。〈弓張月〉は弓を張ったように見えることによる呼称。〈半月〉のことです。第四句は月が弓矢で射られ、半分が池に落ちたような面白い詠みぶりです。

陰暦八月の上弦の月(右側が丸い半月)のころまでの、宵に現れ夜半には没する月を指して〈夕月・宵月〉と呼びます。

昼からの客を送りて宵の月            曽良

風に騒ぐ心や須磨の夕月夜            京極杞陽

陰暦八月十四日の夜、つまり十五夜の前夜を〈待宵(まつよひ)〉といいます。この日の月は〈待宵の月〉〈小望月〉です。

待宵や女主に女客                蕪村

婚約のふたりも椅子に小望月           及川貞

そしていよいよ陰暦八月十五日となります。〈十五夜〉です。この夜の月を〈名月〉〈明月〉〈望月〉〈満月〉〈今日の月〉〈芋名月〉等々と呼びます。いかに心待ちにしてきたかが呼称の多さからも推察できるでしょう。

名月や池をめぐりて夜もすがら     芭蕉

けふの月長いすゝきを活けにけり    阿波野青畝

真向に望月あげし村芝居        木附沢麦青

さて「月を待つ」にはもう一つ、その日の月の出を待つ意があります。どの日でもよいわけではありません。十五夜の月の出を、特別なしつらえをして待つのです。青畝のように「長いすゝき」を活けたり、団子を盛ったり、地方やその家ならではの供え物があることでしょう。〈月見〉〈月の宴〉〈月祀る〉〈月の座〉……季語もいろいろあります。人の営為ですからこれらはすべて「生活」の章に収められています。

岩鼻やここにもひとり月の客       去来

やはらかく重ねて月見団子かな      山崎ひさを

三人のふだんの友と月見かな       鈴木花蓑

名どころの何処選まん月見酒     高橋睦郎

新宿の最上階に月祭る         上田日差子

月祀る何もなけれど窓浄く       岩田由美

季語ごとに項目ごとに詠むこともできますが、これらを大きく包むように詠み上げた句があります。

月を待つ情(こころ)は人を待つ情  山口青邨

俳句を詠むときは対象に深く感情移入しています。ときには憑依することもあります。詠む対象が人でなくても(たとえ無機物であっても)、意識下で人(有機物)と同じように捉えているのです。などと理屈をこねること自体が恥ずかしくなるほど、朗々と天翔る一句であると思います。(正子)

カフェきごさい「ネット句会(8月)」互選+飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2021年8月7日 作成者: mitsue2021年8月8日

【互選】
連中:桂 都 裕子 すみえ 光尾 良子 弘道 雅子 夕菅女 隆子 利通 あきえ 光枝

桂選
追ひし夢たたんで仕舞ふ夏の果  すみえ
朝経の声の若さよ夏木立  雅子
睡蓮や弾雨の降らぬ空しずか  あきえ

都選
睡蓮や弾雨の降らぬ空しづか  あきえ
回天や海ほほづきを誰が吹く  利通
夏空を自在に少女スケボーと  すみえ

裕子選
朝経の声の若さよ夏木立  雅子
河骨にぎらぎらと日の沈みゆく  光枝
ひとときを地球に浮いて平泳ぎ  雅子

すみえ選
終戦日玄関の靴そろへけり  都
金魚玉ポンポン船の通り過ぐ  利通
ひとときを地球に浮いて平泳ぎ  雅子

光尾選
朝経の声の若さよ夏木立  雅子
銀漢や途絶えしままの友の伝  都
ひとときを地球に浮いて平泳ぎ  雅子

良子選
終戦日玄関の靴そろへけり  都
家よりも向日葵高く描く子よ  桂 
ひとときを地球に浮いて平泳ぎ  雅子

弘道選
朝経の声の若さよ夏木立  雅子
大欅入道雲に仁王立ち  光尾
大文字送りて涼し京の闇  雅子

雅子選
緑陰やゲートボールの音高し  光尾
睡蓮や弾雨の降らぬ空しづか  あきえ
回天や海ほほづきを誰か吹く  利通

夕菅女選
金魚玉ポンポン船の通り過ぐ  利通
回天や海ほほづきを誰か吹く  利通
ひとときを地球に浮いて平泳ぎ  雅子

隆子選
長梅雨の北斗は水を零しけり  裕子
大文字送りて涼し京の闇  雅子
終戦日玄関の靴そろへけり  都

利通選
長梅雨の北斗は水を零しけり  裕子
夏空を自在に少女スケボーと  すみえ
歪みたる陽だまり抱く木下闇  あきえ

【飛岡光枝選】
《特選》

朝経の声の若さよ夏木立  雅子

言葉が過不足なくすっきりとした夏の句。夏木立に響く読経の声が聞こえてきます。

回天や海ほほづきを誰か吹く  利通

人間魚雷と言うも恐ろしきものがあった時代。中七下五は現実の情景であると同時に、海中へ思いを馳せた鎮魂の一句。

ひとときを地球に浮いて平泳ぎ  雅子

同じ着想の句はありますが、ゆったりとした調べが句をより大きくしました。互選でも多くの賛同を得た一句。

《入選》
縺れ行く真白き蝶や梅雨明ける  桂

「縺れ行く」に梅雨が明けたばかりの空気感が感じられます。

大欅入道雲に仁王立ち  光尾

「仁王立ち」に夏の生命力が感じられます。

大夕焼くやし涙はこれつきり  すみえ

この時期の悔し涙となるとオリンピックでしょうか。「大夕焼」がいい。

睡蓮や弾雨の降らぬ空しづか  あきえ

地の静けさと天の静けさと。

終戦日玄関の靴そろへけり  都

なにげない日常が続くことの幸を思いつつ。

考へをまとめるふりの扇かな  良子

ふりをしているというところがミソ。

言の葉は五色の風に星今宵  夕菅女

言葉も初秋の星も今宵は風に吹かれて。

金魚玉ポンポン船の通り過ぐ  利通

金魚玉に映る通り過ぎて行く船を思いますが、金魚玉の中の出来事のような不思議さがあります。

青空を自在に少女スケボーと  すみえ

最後が尻切れトンボのようですが、この句の場合、スケボーが空へ飛びあがった瞬間のような感じがあります。

鮎二匹焼かれて無念反り返る  弘道

料理屋でしたら串打ちをしますが、句は釣りたてを河原で焼いている様子でしょうか。鮎には気の毒ですが、哀れさのなかにおかしみを感じます。美味しそうなのが何より。

ネット句会(8月)投句一覧

caffe kigosai 投稿日:2021年8月1日 作成者: mitsue2021年8月1日

暑中お見舞い申し上げます
8月「ネット句会」の投句一覧です。
参加者は【投句一覧】から3句を選び、このサイトの横にある「ネット句会」欄(「カフェネット投句」欄ではなく、その下にある「ネット句会」欄へお願いします)に番号と俳句を記入して送信してください。
(「ネット句会」欄にも同じ投句一覧があります。それをコピーして欄に張り付けると楽です)

選句締め切りは8月4日(水)です。みなさんの選と店長(飛岡光枝)の選はこのサイトにアップします。(光枝)

【投句一覧】
1 縺れ行く真白き蝶や梅雨明ける
2 歪みたる陽だまり抱く木下闇
3 恋に倦む爪の白さよ灸花
4 緑陰やゲートボールの音高し
5 夕立や白きマスクの流されて
6 追ひし夢たたんで仕舞ふ夏の果
7 長梅雨の北斗は水を零しけり
8 朝経の声の若さよ夏木立
9 大欅入道雲に仁王立ち
10 大夕焼くやし涙はこれつきり
11 大文字送りて涼し京の闇
12 線路越え着きたる茶房氷旗
13 栴檀の木も見ゆる旧家夏木立
14 睡蓮や弾雨の降らぬ空しづか
15 終戦日玄関の靴そろへけり
16 昨夜のこと悔やんでをれば遠き雷
17 考へをまとめるふりの扇かな
18 厚塗りの油彩画のごと夏の山
19 言の葉は五色の風に星今宵
20 銀漢や途絶えしままの友の伝
21 金継ぎを重ね重ねて晩夏かな
22 金魚玉ポンポン船の通り過ぐ
23 含羞も死語となりしか稲の花
24 回天や海ほほづきを誰か吹く
25 河骨にぎらぎらと日の沈みゆく
26 家よりも向日葵高く描く子よ
27 夏空を自在に少女スケボーと
28 何処より流れ着きしか香水瓶
29 炎天や釣り人休む橋の下
30 炎昼や添水の響く京の寺
31 鮎2匹焼かれて無念反り返る
32 ひとときを地球に浮いて平泳ぎ
33 デパートに夏の帽子を買いに行く
34 この空を行けは銀巴里天の川
35 かの日よりつぎつぎ開く芙蓉かな
36 いにしえの夏に坐したり微笑仏

カフェきごさい「ネット句会」8月のお知らせ 

caffe kigosai 投稿日:2021年7月24日 作成者: mitsue2021年7月24日

「ネット句会」専用の投句欄ができました☆
カフェきごさい「ネット句会」は、どなたでも参加自由です。
8月の句会の投句締切りは7月31日(土)です。

・このサイトの右側に出ている「ネット句会」欄より、7月31日までに3句を投句ください。

・8月1日中にサイトへ投句一覧をアップしますので、8月4日までに参加者は3句を選び、投句と同じ方法で選句をお送りください。

・後日、参加者の互選と店長・飛岡光枝の選をこのサイトへアップいたします。

・「ネット句会」欄を設けましたので、投句、選句ともそちらへお送りください。

猛暑、コロナ、オリンピックと今年の夏は句材に事欠きません。どうぞ辛口、甘口、この夏ならではの句をお寄せください。(店長・飛岡光枝)

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「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十五回 2026年2月14日(土)13時30分
    (3月は第一土曜日・7日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

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スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
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