↓
 

caffe kigosai

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →

「カフェきごさい」ネット投句(一月)飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2022年1月26日 作成者: mitsue2022年1月26日

【入選】
花びら餅今朝作りしと隣から  弘道

作りたての、それもお隣からの花びら餅とはなんと美味しそうなこと。初々しい新年の句です。

老い二人餅鏡をもてあまし  弘道

大きすぎる鏡餅を飾るところでしょうか、鏡開きに食べきれないのかもしれません。原句は「老い二人鏡餅をもてあまし」。「餅鏡」は「もちひかがみ」。

雪衣纏ひて眠る梅林  和子

雪の下で春を待つ梅林。言葉を整理してより印象鮮明に。「うす雪を纏ひて眠る梅林」など。

タクト振る枝黒々と冬の星  裕子

星のまたたくなか、冬木の枝が風に揺れる寒々とした景。原句は「タクト振る枝影黒き冬の星」、中七の影は不要。何が言いたいかをより明らかにする工夫を。

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」十二月

caffe kigosai 投稿日:2022年1月26日 作成者: mitsue2022年1月26日

新宿の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。十二月の兼題はサイトより、今月の季語「冬の月」、花「冬紅葉」、浪速の味「てっちり」です。

【特選】
青空に冬富士浮かべ太極けん  孝年

抜けるような青空に浮かぶ富士山のもと、一心に励む太極拳。富士山からの冷気が全身を巡るよう。原句は「青空に富士浮かびて太極けん」。

小春日や父に似た人通り過ぐ  守彦

映画にもなった山田太一の小説『異人たちとの夏』を思わせる一句。小春日が見せた父上の幻影。

【入選】
お多福の頬ふくふくと大熊手  勇美

いかにも幸いが寄ってきそうな大熊手。頬としっかり言って像が浮かぶ一句になった。

入浴剤柚子に譲りし冬至かな  孝年

いつものお気に入りの入浴剤も、冬至の柚子にはかなわない。

霧の湖つがひの白鳥溶けゆきぬ  和子

霧の中に消えてゆく二羽の白鳥。「溶けゆく」がいい。原句は「霧の湖つがひの白鳥溶けゆきて」。

雪降りて酔ひ深めけり河豚汁  涼子

「酔ひ深めけり」がいかにも河豚の味わいの感あり。雪と河豚の二つの季語が同等なので注意。

冬三日月ツンドラを切り裂かむとす  和子

ツンドラとまで言って大きな一句になった。原句の「ツンドラを切り裂かむとす冬三日月」では散文的で、句の迫力が出ない。

福達磨ちひさき福を選びけり  勇美

素直な心持が好もしいが、良い人すぎるのが少々物足りない。

駅を出た月が待つてる連れて帰ろう  守彦

あまりに美しい月なので、思わず口を出た一句。

年賀状今年限りと書く覚悟  弘道

人生にある様々な終わりのひとつ。「年賀状」から始まる句の姿がしっかりしている。「覚悟」が少々大げさか。

てつちりやあの世でも又喧嘩せん  光枝

浪速の味 江戸の味(二月) 白魚【江戸】

caffe kigosai 投稿日:2022年1月20日 作成者: mitsue2022年1月20日

サイト「茨城をたべよう」より

“月も朧に白魚の篝も霞む春の空“で始まる、歌舞伎の白波もの『三人吉三』の名台詞。この「篝(かがり)」は江戸に春を告げる隅田川での白魚漁の篝火で、広重の浮世絵にもその情景が描かれました。

白魚漁は、白魚が産卵のため海から隅田川へ遡上する夜間に行われました。白魚は将軍家への献上魚で、特権を受けた佃の漁師と日本橋小網町の「白魚役」と呼ばれた漁師のみに漁が許されていました。早朝に水揚げされた白魚は、葵の御紋の御膳白魚箱に納められ江戸城に届けられたということです。

白魚が徳川家にとって特別な魚だったのは、三河時代から家康の大好物であったこと、白魚の頭部に透ける模様が葵の紋に似ているからなど諸説あるようです。

白魚(シラウオ)は、踊り食いで知られる素魚(シロウオ)と混同されがちですが、全く別の魚です。ハゼ科の素魚は活魚として出回りますが、シラウオ科の白魚はたいへん繊細で、空気に触れるとほとんどがすぐに死んでしまい、半透明だった体は白くなります。

雛の節句には白魚のすまし汁という風習が江戸時代からあり、大正時代まで続いていたそうです。東京の河川の水質汚染などで白魚がいなくなり、その風習が廃れたのは残念なことです。

芭蕉の句「明けぼのやしら魚しろきこと一寸」は桑名での作、白魚が名物の桑名地方に「冬一寸春二寸」という諺があるそうです。東京のさる寿司屋では、春に大きくなった白魚を蒸して丁寧に握る江戸前の寿司を復活させました。

かつては日本全国に生息していた白魚、現在は北海道、青森県、秋田県、島根県、茨城県などが主な産地となっています。茨城県の霞ケ浦ではかつては帆船での帆引き網漁で白魚を獲っていました。今では「寒引き」と呼ばれる寒中の漁が盛んで、春が待たれる時期の白魚も格別です。

冒頭のお嬢吉三の台詞はこう続きます。“(中略)ほんに今夜は節分か 西の海より川のなか 落ちた夜鷹は厄落とし 豆沢山に一文の 銭と違つた金包み こいつあ春から縁起がいいわえ”。

隅田川に蹴落とされた夜鷹のおとせさんには気の毒ですが、江戸っ子はこの名台詞に春の到来を感じたとか。春の縁起物とも言えそうな白魚の淡泊な味を楽しみたいものです。

掻き寄せて白魚はねる笊の上  光枝

今月の花(二月)連翹

caffe kigosai 投稿日:2022年1月20日 作成者: koka2022年1月20日

松の内も過ぎたころでした。そのプライベートクラブは主に各企業の役員たちが集まるところと聞いていました。

前の週にいけられた松や花をぬき、水を変えた花器のそばに、次にいけこむ花として古新聞紙の包みの中から小さな蕾が顔を出していました。連翹でした。五ミリにも満たない蕾にはわずかに黄色がさし、花は頼りなげな細い枝に健気に数センチの間隔でついていました。

花木(かぼく)と私たちが呼んでいる、花をつけた枝はこの季節になると急に出回り始めます。中でも次々に登場する黄色の花木たちは、春をだんだんと引き寄せてくれるようです。年末にコロリとした蕾をつける蝋梅にはじまり、年があらたまると連翹、山茱萸、万作と続きます。

連翹が出てきたということは いよいよ春がはじまるファンファーレが鳴ったのです。

連翹は枝の中が空になっているため、いけるときに矯めようとすると折れてしまいます。枝が長くなると弧を描くので、線を生かしていけるのがこの花木の特徴を生かすことにもなるでしょう。枝先が地に着くと、そこからまた根がでて伸びていきます。学名の「Forsythia suspensa」の「suspensa」は「伸びる」という意味があります。

かつて、この季節に訪れたドイツ、アラブ首長国、韓国、そして連翹の原産国とされる中国で、この花が待っていてくれました。ドイツでは交配によってやや大き目な花が咲きます。花冠は四つに割れ、葉は後から出てきます。夏には花に代わり濃い緑の葉をいけます。

連翹の種類は他に「シナレンギョウ」、その変種といわれている「チョウセンレンギョウ」があり、日本では固有の「大和レンギョウ」、「小豆島レンギョウ」もあり、後者は葉が出てから花が付くそうですが私は見たことはありません。

プライベートクラブの薄暗いエレベーターホールにいけられたこの連翹は、暖房のきいた空間ですぐに花が開くことでしょう。エレベーターのドアが開いたとたん最上階へ昇ってきた人々の目をパっと引き、黄金色の鮮やかさで季節を感じさせてくれるでしょうか。

この花が開く季節を迎えると、毎年新たな気持ちになります。お正月を迎えるためのいけこみやお稽古がある十二月末、そして年頭の、各所にいけられた祝い花の手入れの忙しい日々もひと段落。連翹が花材に出てくる頃は、私にとっての小正月というべきでしょうか。

この「カフェきごさい」に植物のことを書かせていただいて、今年で十年目に入ります。その第一回は連翹を書きました。新たなスタート、どうぞまた一年よろしくお願いします。(光加)

今月の季語〈二月〉 梅

caffe kigosai 投稿日:2022年1月17日 作成者: masako2022年1月20日

温暖化のせいでしょうか、私の住む南関東では年内に梅が咲き出すようになりました。そのころになると、咲いていないで欲しいと念じつつ梅林に立ち寄ったりもする、臍曲がりな私です。昨年末は冷え込みのおかげで、梅林は寒林の風情でしたが、それでもかそけき花を二、三輪見つけました。

もっとも梅は種類が多く、十二月から咲くものもあります。〈冬至梅〉〈寒紅梅〉は早々に盛りを迎えます。

寒の梅挿してしばらくして匂ふ       ながさく清江

朝日より夕日こまやか冬至梅         野澤節子

年が明けると私も素直に〈探梅〉のこころを抱くに到ります。春に魁けて咲く梅を〈早梅〉、早梅を求めて歩きまわることを〈探梅〉といいます。どちらも冬の季語です。

早梅の紅くて父と母の家             加倉井秋を(冬/植物)

早梅の発止発止と咲きにけり       福永耕二

日の当る方へと外れて探梅行         鷹羽狩行(冬/生活)

冬から始めましたが、〈梅〉自体は春の季語です。〈桜〉同様古来より暮らしに密接に関わってきた植物ですから、傍題も含めて季語は豊富です。

梅が香にのつと日の出る山路かな            芭蕉

しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり        蕪村

我春も上々吉よ梅の花            一茶

芭蕉の句は『炭俵』所収。これを発句に弟子の野坡と歌仙を巻いています。「しら梅に」は蕪村の辞世句です。「ああ夜が明けてゆく……」。明け放たれるまでこの命はあるだろうか、美しい朝を見届けられるだろうか、と手を伸べているような句と私は解しています。一茶の句は作句活動が最高潮を迎える文化後期のもの。柏原を終の住処とし、妻を娶り、子を望みつつ生きる、この先の一茶を知る後世の者としては、何か空元気で我と我が身を奮い立たせているようにも思えてきます。

紅梅の紅の通へる幹ならん                  高浜虚子

老梅の穢き迄に花多し                       同

白梅のあと紅梅の深空あり                  飯田龍太

うすきうすきうす紅梅に寄り添ひぬ        池内友次郎

しだれ梅より見し城の優しくて           京極杞陽

暮れそめてにはかに暮れぬ梅林             日野草城

箒目の門へ流るゝ梅の寺                    上野章子

白梅、紅梅、薄紅梅、しだれ梅、老梅、……と梅そのものはもちろんのこと、梅林、梅園、梅の宿、……と梅の咲く場所を季語として詠むこともできます。

また季語は歳時記の植物の章にとどまりません。

庭の梅よりはじまりし梅見かな        深見けん二

梅見酒をんなも酔うてしまひけり       大石悦子

梅見茶屋ぽんぽん榾をとばしけり        皆川播水

〈梅見〉(生活の章)、〈梅見月〉(時候の章)、〈梅東風〉(天文の章)と、桜に少し早く、春を喜ぶ季語がたくさんあります。探してみましょう。(正子)

謹賀新年

caffe kigosai 投稿日:2022年1月6日 作成者: mitsue2022年1月6日

お元気で新年をお迎えと思います。

明日の七種を前に、東京は今日、雪となりました。雪国の方には笑われますが、数センチの積雪で交通がマヒする東京、今夜が少々心配です。

「カフェきごさい」は、今年も偶数月に「ネット句会」を予定しています。初句会は2月、締切は1月31日(月)です。どなたでも参加可能です。サイトの「ネット句会」欄から3句ご投句ください。新年の力作を、お待ちしています。

今年も宜しくお願い致します。(店長)

カフェきごさい「ネット投句」(十二月)飛岡光枝選

caffe kigosai 投稿日:2021年12月23日 作成者: mitsue2021年12月23日

【入選】
冬三日月切れ長の目のかうかうと  涼子

三日月を切れ長の目と表現しました。原句は「冬三日月切れ長の目に捕らへらる」ですが、捕らえられたように感じた思いは、短い俳句ではそのまま述べてもなかなか伝わりません。

老木や冬の紅葉を手で落とす  裕子

老木をいたわるように手で払う紅葉の美しさ。原句は「老木や冬紅葉を手で落とす」。「こうよう」と「もみじ」の音の手ざわりの違い。

初雪に老いの華やぐ生地かな  弘道

故里にいる心やすさに心が華やぎます。 「初雪」がいい。原句は「初雪や老人華やぐ生地かな」。

子の残すクリスマスツリー飾りけり  弘道

育った家を旅立つ子に思いを馳せる聖夜です。

男らのバー街漁るクリスマス  弘道

三十年くらい前の日本の様子でしょうか。原句「男らのバー街あさりしクリスマス」は過去形で昔のことだとわかりますが、この句の場合は現在形にして句をいきいきと。

【投句より】
(鰭酒の焦げの旨さや雪催)
形はよく出来ていますが、決めポーズのようで作者の思いがあまり伝わらないのが残念。季語ふたつが句のなかで均等なのも迫力に欠ける要因です。

(冬の月寄り添う星よ口ほくろ)
先日の、月と木星の様子でしょうか。星が口元の黒子のようだという面白い着眼点ですが、要素が多く言いっぱなしになってしまったのが残念。旧仮名遣いでしたら「寄り添ふ」。

朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」十一月

caffe kigosai 投稿日:2021年12月22日 作成者: mitsue2021年12月23日

新宿の朝日カルチャーセンター「カフェきごさい句会」。十一月の兼題はサイトより、今月の季語「十一月」、花「冬の菊」、江戸の味「葱鮪鍋」です。

【特選】
あの人も薄墨文字の冬の菊  裕子

年末が近くなると届く喪中はがき。知り合いのご家族の不幸を悼むことがほどんどだが、この年は自身のよく知る方の名前が薄墨の文字で届いた。「薄墨文字の冬の菊」と言い切って、亡くなった方の人柄にまでも思いが至る一句となった。

刈らずをく小さな日なた冬の菊  涼子

冬の菊が咲く様子を「小さな日向」と表現。一句のリズムが心地よく、心に届く。

【入選】
母の墓冬満月に包まれて  弘道

寒々と詠まれることが多い冬の月だか、この句はご母堂をやさしく包む澄み切った光を放つ冬の月。

紅葉に染まる広島叫び止まず  和子

原句は「紅葉に染まる広島血の叫び」。紅葉に「血」を感じることはあると思うが、広島が強いだけに、思いを強調しすぎるとかえって思いが伝わりにくくなる。より即物的に読んでも静かな強さの句になる。

冬菊や母が作るは筑前煮  裕子

お母さまの得意料理なのかもしれない。「冬菊」と響き合う「筑前煮」。

葱鮪鍋窓に三崎の灯のゆらぐ  涼子

鮪に三崎は少々単調だが、湯気に温まる部屋での葱鮪鍋が美味しそう。

陽だまりを独り占めして冬の菊  和子

冬枯れの季節に咲く明るい色の菊は、そこだけ日差しが注ぐような感じがする。その様子をよく捉えた。原句は「陽だまりを独り占めせむ冬の菊」。

ふるさとにとどまりし友冬耕す  弘道

人生の分岐点に思いを馳せる冬のひととき。「冬耕」がいい。

天下人名乗りあげたりななかまど  和子

回りを圧倒するように色付くななかまど。ななかまどの句として新鮮。

膏薬の匂ふ家なり冬の菊  勇美

たいへん感じはあるが、匂いに匂うものの取り合わせは避けたい。季語一考を。

枯菊の枯れて自由となりにけり  勇美

少々理屈ぽいが、実感がある。原句は「枯菊の枯れて自由となりぬかな」。句は現在枯れている菊の思いを描いているが、「白菊の枯れて自由となりにけり」と、盛んな様子との対比を描くこともできる。

冬の菊光をふるふ昨日今日  光枝

今月の花(一月)千両と万両

caffe kigosai 投稿日:2021年12月21日 作成者: koka2021年12月22日

千両

万両

「千両」と「万両」はお正月によくいけられます。緑の葉に赤い実、よく似たこの二種類の植物を見分ける特徴は何でしょうか?

十二月に入ると、花市場ではまず松市、次に千両市がたちます。競りにかけられるのは年末に向かって各々この日一日だけです。「今年は蛇の目松は色がよく出ている」「千両の実つきがとてもよい」などという話が、競りに立ち会った花屋さんを通じて伝わってきます。

競り落とした「千両」は根を叩いて水につけ、古新聞などで囲み店頭にお目見えの時期を待ちます。私がお世話になっている花屋さんでは、六畳ほどもある地下の冷蔵庫の奥に他の花木とともにしまわれます。クリスマスが終わると、ポインセチアやクリスマスツリーに代わり松や千両が花屋さんの店先を彩ります。

「千両」は千両科に属し、赤の実の他「きみのせんりょう」という黄色の実を付けるものもあります。一方「万両」はヤブコウジ科で、こちらも黄色や白の実を付ける種類があります。このふたつは近縁ではありませんが、「千両」「万両」というおめでたい名から、お正月によくいけられます。

見分け方ですが「千両」は葉の上に実が付き、「万両」は葉の下に実が垂れ下がります。実が重そうに見えるところから「千両」よりもっと上の「万両」という名がつけられたとも言われています。

千より万のほうが豊かな響きがあるのに、花屋さんでは「万両」はあまり見かけず鉢植えや庭に植えられることが多いのです。お正月の華やかな花たちの中で、下に実をつける奥ゆかしい「万両」は、いけるときに他の花や枝の間でかき消されてしまうでからでしょうか。

また、「千両」が緑の茎にふしがあるのに対し、「万両」はすらりと伸びた茎の先に葉と実がかたまって付きます。「万両」の葉は「千両」に比べると色が濃く幅も細いものが付きます。

「万両」と同じ属の「カラタチバナ」は「百両」、また「ヤブコウジ」を「十両」と呼ぶことがあるのは縁起が良いからでしょう。

今年の正月花のお稽古には一本づつセロファンに包まれた「千両」が来ました。高さ八十センチ、傷ひとつ無い緑の葉の上にはそれぞれに赤い実が付き、近年でも見事な出来だと思いました。

根元を見ると、叩いて割られた跡があります。三十センチ程の木を輪切りにし、その上で「千両」の根元を木槌で叩いていた古くからのこの店のスタッフの姿を思い出します。社長の「いいものを仕入れられた」という誇りも垣間見られ、鋏を入れる時、心なしか緊張しました。

このところの世界の状況の中でも、年の初めは縁起の良い美しい花たちとスタートしたいものです。(光加)

浪速の味 江戸の味(1月)【白みそ雑煮】(浪速)

caffe kigosai 投稿日:2021年12月21日 作成者: youko2021年12月25日

『大阪府の郷土料理』に大正初期の船場商人のお正月の様子を紹介した大阪朝日新聞(大正六年一月四日)の記事が掲載されています。

先ず、小梅を煎茶にいれた大ぶくで祝う。大ぶくの時は無言である。次に出る雑煮に箸を一寸添え「お祝いお祝い」の言葉とともに屠蘇に移る。屠蘇の酒杯は最年少者から酌みはじめ、順々に年長者に回す。雑煮は大抵味噌雑煮。箸紙にさした雑煮箸は出入りの大工が特に持って来るので、大店では立派な箸を用いていた。とあります。

雑煮は古くは内臓を養い健全な状態に保つという意味で「保蔵」と呼ばれ、保は同音の煮るを意味する烹に、蔵は種々のものを入れることから同音の「雑」に変わり、「烹雑(ほうぞう)」となったが、近代になり「雑煮」と書くようになったとのことです。

大阪では、餅搗きは二十八日か三十日に行っていました。語呂合わせで、二十九日は「苦の餅」になるので避けたとのことです。河内の一部では二十九日に搗き、こちらは「二十九日(福)」の語呂合わせです。まあ、何でもいい方にとればうまくいくということです。

雑煮は丸餅で、白みそ仕立てです。これに使う水は若水(元日の早朝に汲む井戸水)を用い、豆木を燃やして炊きました。今は水道の水ですが、元日の早朝というだけで、気分は若水です。雑煮は丸餅に、にんじん、大根、子いも、彩に水菜などをいれたシンプルなものです。その他に牛蒡、焼き豆腐など地域、家庭により具は少し違うようですが、白味噌の甘味が丸餅によく合います。三日には、焼き餅に水菜を入れたすまし雑煮となります。三日目に、あっさりしたすまし雑煮になるのも雑煮の味の変化を楽しむということで納得です。

雑煮をいただき、よい年を始めたいと思います。

一年の力湧きくる雑煮かな    洋子

投稿ナビゲーション

← 古い投稿
新しい投稿 →

「カフェきごさいズーム句会」のご案内

「カフェきごさいズーム句会」(飛岡光枝選)はズームでの句会で、全国、海外どこからでも参加できます。

  • 第三十五回 2026年2月14日(土)13時30分
    (3月は第一土曜日・7日です)
  • 前日投句5句、当日席題3句の2座(当日欠席の場合は1座目の欠席投句が可能です)
  • 年会費 6,000円
  • 見学(1回・無料)も可能です。メニューの「お問い合せ」欄からお申込みください。
  • 申し込みは こちら からどうぞ

Catégorie

  • à la carte (アラカルト)
  • 今月の季語
  • 今月の料理
  • 今月の花
  • 加賀の一盞
  • 和菓子
  • 店長より
  • 浪速の味 江戸の味
  • 花

menu

  • top
  • きごさいBASE
  • 長谷川櫂の俳句的生活
  • お問い合せ
  • 管理

スタッフのプロフィール

飛岡光枝(とびおかみつえ)
 
5月生まれのふたご座。句集に『白玉』。サイト「カフェきごさい」店長。俳句結社「古志」題詠欄選者。好きなお茶は「ジンジャーティ」
岩井善子(いわいよしこ)

5月生まれのふたご座。華道池坊教授。句集に『春炉』
高田正子(たかだまさこ)
 
7月生まれのしし座。俳句結社「青麗」主宰。句集に『玩具』『花実』『青麗』。著書に『子どもの一句』『日々季語日和』『黒田杏子の俳句 櫻・螢・巡禮』。和光大・成蹊大講師。
福島光加(ふくしまこうか)
4月生まれのおひつじ座。草月流本部講師。ワークショップなどで50カ国近くを訪問。作る俳句は、植物の句と食物の句が多い。
木下洋子(きのしたようこ)
12月生まれのいて座。句集に『初戎』。好きなものは狂言と落語。
趙栄順(ちょよんすん)
同人誌『鳳仙花』編集長、6月生まれのふたご座好きなことは料理、孫と遊ぶこと。
花井淳(はない じゅん)
5月生まれの牡牛座、本業はエンジニア、これまで仕事で方々へ。一番の趣味は内外のお酒。金沢在住。
©2026 - caffe kigosai
↑